キューバも新中国もベトナムもアメリカが東側に追いやったものだからね

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 カストロ議長がなくなった。正確に言えば元議長、アラファト議長とカストロ議長はそのままの方が目にも耳のも馴染む。だが日本では悪い印象はない。むしろ日本は革命に同情・共感的であり、アメリカに文句をいわれてもキューバ糖を買っていた。

 その半生についての紹介はあるだろう。ネットでもポチポチと述べられている。

 だが、そこには誤解がある。革命キューバは最初から反米ではなかったということだ。アメリカ帝国主義への対抗心が云々といった既述を見つけたが、帝国主義はともかく最初から反米ではない。


■ 反米に追いやったのはアメリカ

 キューバを反米に、東側に追いやったのは米国の行き過ぎた反共主義にある。共産主義者であるとする敵対的態度にあった。それによりキューバはソ連に近づかざるを得なくなった。

 これは新中国もベトナムも同じことだ。どちらもアメリカが自ら敵方に追いやった形となっている。

 朝鮮戦争までは、新中国に対しては極端な敵視はない。共産主義勢力と危険視しているものの、内戦に敗北した腐敗政権の国府とどっちもどっちだった。だが、朝鮮戦争で東西冷戦の構図ができた瞬間に新中国は不倶戴天の敵となり、国府は民主主義勢力であり、自由主義陣営の一員となった。

 これはベトナムも同じ話だ。ベトコンがフランスを追い出した時点では米国を敵とはしなかった。それが南北分断を強制され、傀儡政権を建てられた結果、米国を敵とせざるを得なくなった。

 まずは無駄なことをしたものだ。本来はユーゴのようにコントロール可能な範囲であったものを敵対に追いやるものであったためだ。さらにベトナムでは勝手に戦争して疲弊し、対ソ戦備と同時に新中国とも70年代まで対立していた。


■ 敵対を煽る無駄

 この無駄は今の日本の外交・安保政策も同じものだ。敵であるといった理由で強硬策ばかりをしているが、結果は敵方に追いやり敵愾心を増すだけの話だ。靖国神社や従軍慰安婦、強制連行、南京大虐殺がそれ。悪いことをしたのは仕方もないので、あまりフッかけられないようにイナしておけば良いものを、現実的には何の利益もないのに敵対を強化している。それで中国や韓国との安保外交を超えた敵対を引き起こすあたりは無駄なものだ。

 昔の日本はそのあたりの知恵もあったものだがね。ベトナム戦争終了と統一後、日本は統一ベトナムに援助を持ちかけていた。要はソ連に追いやることを防ぐ知恵だ。カンボジア侵攻で援助できずとオジャンになったものだが、賢いやり方だっただろう。


■ 北朝鮮も中国牽制の駒となる

 ついでに言えば、今の日米には北朝鮮を抱き込む選択肢もあるんだけどね。当座の事には目をつぶり、拉致問題も残っている分だけでも返してもらい、親米に近づければ中国を牽制する道具にはなる。

 米国はあれほどの戦争をした統一ベトナムを抱き込み、対中対峙のコマにしている。しかも共産党一党支配、自由と民主主義がない体制を公認して武器まで渡そうとしている。同様に北朝鮮も援助と交易、日本の戦後賠償を餌にすればできないこともない。

 さらに経済的利益もついてくる。中身はともかく教育水準は高く、儒教的勤労精神もある。条件を満たせばアジア最後の経済成長のエンジンともなるだろう。
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