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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2016.12
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19:11
Category : 未分類
 須賀原洋行さんは敗北を勝利と言い換えることでアレ宰相の対露朝貢を評価している。ネトウヨ的な対外強硬論、自国中心主義に傾倒していたにも関わらずそのような主張をするのは不思議なものだ。

 日露首脳会談はやる必要がなかった会談である。宰相が「北方領土が帰ってくる」といったトンチキを信じ込み、「政治的得点になる」と色気を出した外交だが、三月前にはやったところで何の成果も得られないことは判然としていた。

 本来ならあしらえばよかった程度のものだ。プーチンがシグナルを示したように遅刻をして、形式的に大統領閣下と冷たく呼べばよい。実のない話をして屁の役にも立たない柔道といった文化交流の話だけでもして追い返せばよかった。

 実際に現実的にも何の成果もないものだ。だいたいメモランダムもコミュニケも出ない首脳会談である。

 大の宰相がウラジーミルとネコナデ声を出す醜悪だけが目立つものだ。


■ 大本営ニュース

 だが、その発表を持ち上げる御仁がいる。中でも興味深いのは須賀原洋行さんだ。

須賀原洋行@tebasakitoriri「返還でなくてがっかり」という人もいるが、例えば尖閣がもっと大きな島で日本人がたくさん住んで実効支配してると仮定して、中国が「主権や領土については言わない。うちと共同経済活動しませんか」と頼んできたら絶対断るでしょ。それと似たような事を安倍総理はプーチン説き伏せて実現したのでは。
https://twitter.com/tebasakitoriri/status/810031890992340992


須賀原洋行@tebasakitoriri ぶっちゃけて言うと、北方領土はロシア側はすでに3世代住んでいて、日本はもう元島民がかなりの高齢なので、仮に単純に領土返還が実現しても(右翼的には大事だろうが)日本の旨味は薄い。露の法律に縛られない、協議による特区的な法でもって共同経済活動ができるなら御の字ではあるまいか。
https://twitter.com/tebasakitoriri/status/809784329815494656


 これは須賀原さんが30年前に漫画でやった「大本営ニュース」に近いものだ。「読売新聞社発表、わが巨人軍は五十連勝中の阪神に対し本日後楽園球場のナイターにおいて105点を得点し現在も追撃中、なお我軍の損害軽微」(だいたいそんな話)というアレだ。


■ 判断基準の外部化

 なぜそのようなヨイショをするのか。判断基準を外部化しているのだろう。事物について自分で考えて評価するのではなく、外にあるネトウヨ基準にあわせて評価する。

 今回の基準は「アレ宰相の選択は正解」といったものだ。その結論に合わせて政治状況を放り込むとこうなる。日露首脳会談で安倍首相は成果を挙げたから逆算して自称を解釈した結果が「中国が[中略]頼んできたら絶対断るでしょ。それと似たような事を安倍総理はプーチン説き伏せて実現した」(須賀原)だ。

 哲学科出身を売りとした御仁が、自分で考えることを放擲したのは残念なものだ。外部から与えられた結論にあわせて世界を認識するあたりは御本人の言うように「新興宗教の信者にしか見えない」(須賀原)もので痛々しい。

須賀原洋行
須賀原洋行‏@tebasakitoriri 反オスプレイや反被曝の人達(の一部)って、危ない新興宗教の信者にしか見えない……
https://twitter.com/tebasakitoriri/status/809965596817367040


 自覚のないカルト宗教の信者(の一部)が、外の世界の人々を「危ない新興宗教の信者にしか見えない」(須賀原)といっている。そういった入り子構造は興味深いものだ。 

 いつ気づくのだろうかね。大本営ニュースはその年の日本シリーズの日テレで「海行かば」が流れるなかで渡辺恒雄のコメント「耐え難きを耐え」が流れた。須賀原さんもいずれそれに気づき悔悟するのか、気づかないまま本人としては幸せに人生を終えられるのか、あるいは気づいても現実を受け入れられないので新しい虚構を求めるのかは興味深いものだ。
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Comment

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No title

以前、散々笑らせてもらった大先生を批判するのも気がひけるのですが。
http://uaa-nikki.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-6b79.html

どうも、この論理だと、
自由な個人など近代思想のフィクションに過ぎない

個人の前に国家が存立している

ゆえに特定国家の価値観に従い生きるべし
という二項対立。「not A=B」が正しいと頑なに信じちゃっているんですね。
寂しいけどこの先は難しいなという印象。

No title

領土問題で譲歩すると舐められて更にとんでもない要求をされると主張していた方々はこの御仁を売国奴と非難するべきでしょうなあ。
まあどうせ党派性に囚われている人ばかりで自身が何を言っていたかさえ忘れている人が多いのでしょうけれども。