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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2011.07
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Category : 旧ソ連
 北方領土にある天寧飛行場は、冷戦期にコンクリート舗装されているのだが、おそらく日本製セメントが利用されている。連中からすれば「ソ連の果て」まで、セメントを運んだのでは輸送コストがかさんで仕方がない。当時、生産能力余剰に悩んでいた日本製セメントを買うのは、まあどっちにとっても悪い話じゃなかったのだけれどもね。
 ま、そのセメントの入手先を探っているときに発見したのだけれども。ソ連、セメントを北朝鮮から高値で輸入して、モンゴルに安値で輸出している。

 今もそうだが、ソ連極東部は物流状態が悪い。ソ連中心部との連絡が悪すぎたので、当時は日本(食料まで!)と北朝鮮から物資を購入してしのいでいた。ヨーロッパ・ロシアでは剰っていて、輸出している。そのような製品でも、極東では不足しており、輸入していたものも多い。

 その一つがセメントである。ヨーロッパ・ロシアで作られたセメントは海外に輸出していた。しかし、極東部では逆に購入している。極東への輸送力制限、あるいは輸送コストの問題である。ソ連は主として北朝鮮からセメントを購入していた。そして、同時にモンゴルにもセメントを輸出していた。おそらく、北朝鮮から購入したセメントをモンゴルに再輸出していたのだろう。

 で、その価格だが。
 ソ連は北朝鮮から、13ルーブル/トンでセメントを購入し、モンゴルに9ルーブル/トンで輸出している。参考までに、当時ソ連が東欧・アフリカ、中南米にセメントを輸出した際の価格は、19ルーブル(多分、FOB価格)である。

 コメコン体制下において、ソ連の収奪は有名な話。ソ連が購入するときは友好(ドルジバ)価格、輸出するときは国際価格、そういったジャイアニズムがまかりとおっていたのだが、極東部でのセメント輸出入に関しては、むしろ逆ざやであった。

 結果として、モンゴルに対して友好的な価格で売却したことは確かだろう。北朝鮮に対しては、軽く叩いているのかね。

 とはいえ、決済価格設定が、クレジット精算上のトリックである可能性もある。コメコン体制では、クレジットを設定して貿易やっていた。しかし、特にモンゴルが提供できる産品はどう考えても少種少量である。モンゴル側は大きなクレジットを設定できなかった。このた、実際に輸出入する価格をいじった可能性もある。セメントを安く売る代わりに、モンゴルに羊肉を安く提供させるとかあったかもしれない。

 あるいは、モンゴル優遇かもしれない。モンゴルはソ連最初のオトモダチ国家(衛星国ともいう)である。60年代以降は、中ソ対立の絡みもある。優遇する理由はある。また、モンゴル駐留ソ連軍のためにも社会資本が欲しい。だから、モンゴル優遇策として、セメントを安く売ってやってもいいのかもしれない。


2010年11月27日 MIXI日記より

今後、夏コミ作業がありますので、お盆明けまでは記事の間隔が開きます。あしからず
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