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Category : 未分類
藤山哲人さんの「DC扇風機は省エネなのを実験してみた」の記事なのだが、風量を調べると称して風圧しか計っていない。
「第14回:高級なDCモーター扇風機と、安いACモーター扇風機の違いは何?」がそれだ。
■ 計っているのは風圧だけ
記事中で風量計測の方法として計測器を作っているが、これは風圧しか測定できない。
結局は風力発電機の回転数だけ、この場合は電圧をはかっているだけ。そこから拾えるのは風圧だけだ。
さらにいえば、この測定器はそのポイント限りの風圧しか測定できない。扇風機の風流は一様ではない。羽軸から離れればはなれるほど低くなる構造にある。この点、直線パイプの中に流れる水流とは違う。そこで1点での水圧=風圧を図ってもあまり意味はない。
つまり記事で求めるべき風量はわかっていない。
電気で言えば電力を図ろうとしているのに、電圧しか計っていないのだからそうなる。本来なら電流を併せて測って電力を計算するか、電力そのもの図るべきなのだがそれをしていない。
風量を図るなら違うやり方をすべきだ。扇風機をダクトで覆って、一様の風にして離れた終末端での風圧を測定する、あるいは風車で錘を持ち上げさせるといったものだ。
■ もともと高効率
結果、結論もおかしくなる。
記事では、効率(電力量あたりの風量)は倍以上と結論つけている。
だが、これも実際のモータの効率からすれば怪訝である。もともとモータの効率は高い。悪いと言われる単相交流モータであっても電気を熱に変えているほどでもない。それをDCに変えてたところで2倍の差は出ない。実際にはインバータでの損失もあるので、その差はさほどのものとなるとは考えがたい。
少なくとも「風を弱くすればするほど省エネになり、中相当ではACモーターの37%、弱では24%の電力で同じ風量を送れる」(藤山)とはならない。
■ 記事のDC扇風機はスイッチがプア
もちろん、効率そのものはDC扇風機の方が高い。
だが、そこに信頼性やコスト差を覆せるほどの優位であるかは怪しい。交流扇風機の単純な単相モータは壊れないし、壊れても2000円で新しい扇風機が買える。対して、DC扇風機はモータそのものは壊れないにせよ、回路が壊れれば終わる。電気代を回収できるのは10年後といった話はさておいてもそのような問題もある。
もちろん極小電力なのでハンダが割れるようなことはない。
しかしどうでもいい部品が壊れればオシマイとなる。記事で取り上げた扇風機だとスイッチがショボいように見える。そして壊れた時には何もできなくなるようにも見える。バラしてマイクロスイッチを交換すれば済む話だが、普通の家はそれをしないだろう。
その点で、大げさなことをする割には結論に意味のない記事に見えるものだ。
もちろん、DC扇風機そのものは買っても良い。「AC扇風機にはマネできないこの涼しい微風は、DC扇風機だけの特権」(藤山)は便利であって、音も静かなのも利点となるだろう。
「第14回:高級なDCモーター扇風機と、安いACモーター扇風機の違いは何?」がそれだ。
■ 計っているのは風圧だけ
記事中で風量計測の方法として計測器を作っているが、これは風圧しか測定できない。
ここで簡単な風量計を作ってみた。
・ 子どもの学習教材の風力発電機。モーターが大きく極弱い風では発電できなかったので、モーターを取り替えてみる
・ 携帯やスマートフォンのバイブレーション用超小型モーターに取り替えて、微弱な風でも回る発電機に改造!
・ 羽にカウル(覆い)をつけて空気の抵抗を減らし、土台も作って風量計のできあがり
この風量計で発電できた電圧をテスターで測れば、風量を数値化できる! 大きく息を思い切り吹いてみたところ、風量は「106」となった(単位は独自のもの)。
結局は風力発電機の回転数だけ、この場合は電圧をはかっているだけ。そこから拾えるのは風圧だけだ。
さらにいえば、この測定器はそのポイント限りの風圧しか測定できない。扇風機の風流は一様ではない。羽軸から離れればはなれるほど低くなる構造にある。この点、直線パイプの中に流れる水流とは違う。そこで1点での水圧=風圧を図ってもあまり意味はない。
つまり記事で求めるべき風量はわかっていない。
電気で言えば電力を図ろうとしているのに、電圧しか計っていないのだからそうなる。本来なら電流を併せて測って電力を計算するか、電力そのもの図るべきなのだがそれをしていない。
風量を図るなら違うやり方をすべきだ。扇風機をダクトで覆って、一様の風にして離れた終末端での風圧を測定する、あるいは風車で錘を持ち上げさせるといったものだ。
■ もともと高効率
結果、結論もおかしくなる。
記事では、効率(電力量あたりの風量)は倍以上と結論つけている。
AC扇風機の強は47Wなのに対して、DCの最大風量8は、そのおよそ半分となる24Wしか食わない。しかも、風を弱くすればするほど省エネになり、中相当ではACモーターの37%、弱では24%の電力で同じ風量を送れるという結果だ。
これまでの結果だけを見ると、「DC扇風機はAC扇風機よりも弱い風が出せる」ことに加えて、「DC扇風機はAC扇風機と同等の風を出しても、消費電力は半分程度」という、いいことづくめの結果となった。
だが、これも実際のモータの効率からすれば怪訝である。もともとモータの効率は高い。悪いと言われる単相交流モータであっても電気を熱に変えているほどでもない。それをDCに変えてたところで2倍の差は出ない。実際にはインバータでの損失もあるので、その差はさほどのものとなるとは考えがたい。
少なくとも「風を弱くすればするほど省エネになり、中相当ではACモーターの37%、弱では24%の電力で同じ風量を送れる」(藤山)とはならない。
■ 記事のDC扇風機はスイッチがプア
もちろん、効率そのものはDC扇風機の方が高い。
だが、そこに信頼性やコスト差を覆せるほどの優位であるかは怪しい。交流扇風機の単純な単相モータは壊れないし、壊れても2000円で新しい扇風機が買える。対して、DC扇風機はモータそのものは壊れないにせよ、回路が壊れれば終わる。電気代を回収できるのは10年後といった話はさておいてもそのような問題もある。
もちろん極小電力なのでハンダが割れるようなことはない。
しかしどうでもいい部品が壊れればオシマイとなる。記事で取り上げた扇風機だとスイッチがショボいように見える。そして壊れた時には何もできなくなるようにも見える。バラしてマイクロスイッチを交換すれば済む話だが、普通の家はそれをしないだろう。
その点で、大げさなことをする割には結論に意味のない記事に見えるものだ。
もちろん、DC扇風機そのものは買っても良い。「AC扇風機にはマネできないこの涼しい微風は、DC扇風機だけの特権」(藤山)は便利であって、音も静かなのも利点となるだろう。
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