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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2017.05
01
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16:54
Category : 未分類
 産経が願望報道をしている。千葉倫之さん、杉本康士さん「日米の有事態勢は 米軍は空母増派が『サイン』…北の核施設など限定攻撃か」『SANKEI BIZ』(2017.5.1)がそれだ。その内容は珍妙づくしとなっている。


■ 中国と交渉している段階でそれはない

 まず、今の段階で「攻撃をする」と言い出すあたりが珍妙である。中国と韓国のスタンスを無視するものだからだ。

 今、米国は中国を北制裁に引き込もうとしている。

 これは攻撃を遠ざけるものだ。当然だが、北制裁を飲ませるためには北への攻撃は行わないことを示す必要がある。北朝鮮への攻撃は中国の面子を潰すからだ。逆に、北を攻撃すれば中国の北制裁も望めなくなる。しかも、今は中国もそれなりに賛同している。この段階でそれをすれば、問題は米朝関係にとどまらず米中関係の悪化にもつながる。

 また、記事には韓国の立場も一切書いていない。韓国はとっくに北朝鮮のミサイル攻撃圏内にある。そのミサイルが「長射程化する、米国に届く」からといって戦争を始められるのは勘弁してくれといった立場にある。

 その点で記事はオカシイ。米国の軍事力行使の可否はこの2国の影響大であるが、それを見ず軍事的要因だけを記述しているからだ。


■ 限定攻撃と言いながら大規模攻撃を持ち出している

 また、その軍事的オプションの既述もオカシイ。

 なぜなら限定攻撃といいながら大規模攻撃を持ち出しているからだ。
トランプ氏が軍事行動に踏み切った場合、日米防衛関係筋が可能性が高いとみるのが、北朝鮮の核施設や大陸間弾道ミサイル(ICBM)関連施設に対する限定攻撃だ。

そう言いながら敵防空網を破壊を前提とした攻撃を示している。
米領グアムや米本土から展開されるB2ステルス爆撃機は、地中深くの施設を打撃する特殊貫通弾「バンカーバスター」を搭載可能。[中略]アフガニスタン駐留米軍が4月13日に同国東部で投下した大規模爆風爆弾(MOAB)の使用も有力な選択肢となる。

バンカーバスターやらMOABで攻撃し、その効果をみて再攻撃をするような軍事行動が限定的だろうか? それをしても産経の言う本格的戦闘にならないとするのも不思議だ。
南北軍事境界線付近に展開された北朝鮮軍の長距離砲など300門以上がソウルを標的にしており、本格戦闘になれば100万人規模の死傷者が想定される。
ちなみに、100万人規模の死傷者も相当にオカシイがそれはおいておく。

 さらに、バンカーバスターやMOAB投入の投入状況もオカシイ。

 敵防空網が残った状態にB-2を投入するだろうか? 敵体制を打倒する攻撃ならそれはあり得るだろうが、あくまでも限定攻撃である。その危険は冒さない。

 MOABについては噴飯である。あれは輸送機でしか運べない。敵戦闘機どころか防空兵器を狩り尽くしたあとでなければ投入しない。

 そのような武器の名前を列挙して「軍事記事でござい」としている。これは武器の動画を引っ張ってきてスペックをつけて「軍事記事でござい」並に低レベルな中身である。


■ どこに機雷を入れるのか?

 細かい点を挙げれば北が対機雷戦をすると言い出すのもオカシイ。

 産経は日本が機雷除去に参加する可能性を示している。
 朝鮮半島有事となれば、自衛隊は米軍と行動を共にすることが想定される。[中略]場合によっては機雷除去を担う可能性も出てくる。[中略]朝鮮戦争時に機雷除去に当たった海上保安庁の部隊の流れをくむ掃海隊は、母艦を含む27隻を擁する。


 だが、日本海周辺部は海底が急峻であり、沿岸ギリギリでなければ機雷も敷設できない。厄介な沈底機雷は領海相当部分どころか、日本なら内水に相当する部分にしか敷設できない。当然だが、マラッカやホルムズ、対馬・津軽のような国際的に使用する航路でもない。そのような機雷は放置して構わない。(逆に北が頑張って対馬や津軽に機雷、例えば索を300-400mまで延長した繋維機雷をいれれば、世界の敵となり自ら攻撃を引き寄せることになるのでしない)


 逆に、黄海沿岸では海自が機雷除去する可能性はない。まず中国正面であり、また浅すぎるので米艦は活動しないので除去する必要もないからだ。

 実際に機雷を敷設しても放置である。北朝鮮沿岸は各国の商船が通るわけでもなく、仮に北朝鮮問題が一挙に解決しても浅すぎて寄らない。また、泥中に沈むため逐一処分もしていられない。電池が切れるまで放置して終わりとなる。

 なんらかの事情により機雷除去をするにしても、中国も目鼻の先で日米部隊が行動することは望まない。取り切れないとは思うが、面子にかけて中国が除去して終わりだ。
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Comment

非公開コメント

No title

ソウルの人たちが冷静で蚊帳の外の一部日本人が
煽ってるのが笑える。
戦前もこういう輩いたんでしょうね。

No title

なんかキューバ危機の頃のアメリカ国内もこんな感じだったんだろうな、と思ってしまった。

こういうのはやはり経験を積まないと……と思いたい。

No title

昔から売れる記事を書く。それだけでしょう。

No title

産経は売れていないだろう。そろそろ赤旗に抜かれる恐れも出てきたのに。嫌味もいい加減にしてあげろ。


>>昔から売れる記事を書く。それだけでしょう。