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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2019.12
01
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13:13
Category : 未分類
 ヤフコメがヤフコメと言われる所以であるのだけれども。

 拙稿「紫電改と疾風は本当に傑作機?」(https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191201-00010000-jindepth-pol)にオクタン価云々を問題視するコメントがついた。

 その一例をあげると次の内容だ。

tfw***** | 1時間前
あのさぁ、文谷さん。
当時の日米のガソリンの「オクタン価」の違いをどう解釈してるの?
当時の日本製のガソリンは、米国製に比べてオクタン価が低く、戦後
米国で調査された日本軍戦闘機は、米国製ガソリンの品質の良さ故に、
全ての数値において日本国内でテストした際の性能を上回っていた。

つまり、ガソリンの質のせいで性能がダウンしていたにも関わらず
紫電改・疾風は評価に相応しい戦果を残していた、と解釈するべき
なんじゃないの?実際、戦後の調査で米軍の評価は高かったんだから。


 でもねえ、戦後の性能調査において誉に額面以上のオクタン価の燃料つかっても性能は米機に及ばなかったのよね。同じ2000馬力級でも日本はブン回して2000馬力、欧米期は緊急出力で2000以上だったから。

 また、高オクタン価燃料を使うと性能が上がる理解も誤っている。

 誉の圧縮比と連続運転にはオクタン価100が必要とされていた。だが現場の日本燃料は額面どおりのオクタン価がないので不調となっただけの話である。

 日本国内テストでも規定燃料を使えば性能は担保されていた。

 そして130オクタンの米燃料をつかってもその性能は超えない。レギュラー車にハイオク入れるようなものでしかないからだ。

 米国での高性能は性能測定条件の差でしかない。それを「130オクタンを使うと100オクタンの3割増しの性能となる」とでも考えたのだろう。
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Comment

非公開コメント

渡辺洋二氏の著作によれば特に疾風は搭乗員からの評価も高くなかったみたいですね。運動性に劣っていたと。航空戦史をよく読むとそこまで大戦果上げた機体でもないみたいですし。

個人的には五式戦の方が傑作機だと思います。

No title

「誉」に限らず、当時の日本製航空エンジンはアメリカ製の
高級オイル使うのを前提に設計されていて、
備蓄していた輸入オイルが枯渇して粗悪な日本製オイルを
使うようになってからおしなべて稼働率が落ちています。
米軍がテストした時は本来のオイル使っていますから
メタルが溶けたり、オーバーヒートの心配もありませんし
電装品もアメリカ製に交換されている可能性があります。


No title

要するに対等に戦ったのは性能で拮抗してたからだという評価に直結する単純な思考回路に対してちょっと待て現実の戦争と兵器の関係ってそこまで単純じゃないぞってコトですよね。細かいトコロばかりへと視点が移っていく一方でその細かいデータを全体と関連付けて考えられない、マクロな視野の欠如した思考に対するアンチテーゼみたいなものは感じ取りましたです。

機体を赤く塗ると性能が三倍になる
両手持ちだとダメージ二倍
カウンターヒットだとダウン確定
とか、そんな世界観で生きてる人たちなんでしょうかね、ヤフコメの人たちは

No title

ヤフコメには、アニメ脳やRPG脳や格ゲー脳はいるのに、ウォーゲーム脳はいないですかね?
ファミコンウォーズや大戦略を多少でもやっていれば、地形効果など理解できると思うんですが・・・

オクタン価向上剤の価値すらご存知無い

オクタン価向上剤の発明は、GMの科学者ジョン・ケータリングだけど、製法は英国にすら秘密とされて、大戦中は連合国に現物で供給されてた。日本も当然ながら戦前に米国から輸入備蓄したオクタン価向上剤をアテにしてたわけで、そりゃ備蓄も尽きてせっかくの飛行機は屑鉄同然。燃料技術だって飛行機システムの超重要な部分なわけで、それを高オクタン燃料さえあれば、的に言うのがそもそもバカなんでは?

コレも現代の紫電改とか呼ばれるようになるのでしょうか?

>日本主導の開発形態焦点 「将来戦闘機」、来年度開発着手 米英協力も・防衛省

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191201-00000045-jij-soci

防衛省も本気で開発するつもりなんですかね?

装備庁も、このくらいやれば良いのに。

>NORINKO第一研究所(車両研究所)設立60周年PV

http://mobile.twitter.com/OedoSoldier/status/1201045332601126913

やはり広報ビデオは、このくらい派手な方が(^_^)。

No title

このヤフコメ猿はマジバカ受けしました。
あのヤフコメ内ですら、突っ込まれてるもんね。

勿論設計仕様の問題もありますが、根本的に、低オクタン価しか供給できなかったことも、日本の実力に含めるのが当たり前というのが分かってないですよ。
それ言い出したら戦後米軍の電装品使って安定的に高性能出た話も一緒だし。

綴りが間違っていました。

×NORINKO
○NORINCO

No title

どう考えても、紫電改や疾風は同時代のP-51HやF8FやF4Uよりも優れているわけないじゃないですか。
そう考えると、バトル・オブ・ブリテンでどうしてハリケーンが活躍できたのか、も見えてきますね。

No title

  まあ、意味はないわな。

  五角形のナットが新品部品として届いたときには、絶望しかなかったって知人が言ってましたわ。

No title

ウォーゲーム脳の気宇壮大さや夜郎自大っぷり、全知全能感も大概ですわ。

Re: No title

逆だと思う。ウォーゲームとかやってるほうは捨象できるから。あくまでも武器はコマであり性能は一要素でしかない。低能力のコマでも使える状況もあるくらいは考えられる。

でも模型やら飛行機写真のマニアは捨象できない。というかミクロのトリビアルな知識を集めるだけでその集合で全体を語ろうとする。だから大まかな掴みで構造とかを理解できない。ヤフコメもそのたぐいじゃないかな。


> ウォーゲーム脳の気宇壮大さや夜郎自大っぷり、全知全能感も大概ですわ。

No title

>麻生氏、海自潜水艦に体験搭乗 首相・閣僚5年事例なし

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019120302000143.html


>麻生財務相、潜水艦に体験搭乗 防衛予算の査定と説明

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019120301001733.html

何回読んでも、何が問題なのか理解できませんが。

No title

若干本文からハズれた例ですが失礼して。

カタログデータ上どう考えても火力・防御力で劣るし機械としての工作精度もそう高いものではないT-34が、なぜティーガーやティーガーIIを最終的にはスクラップにしえたのかと質問した場合、ほとんどのヤフコメ民はロシア人やスターリン/共産党disに逃げ込んでまともに考察しようとしないのではないかと。

(「アニキ、戦争は数だよ」というかなり本質を突いた回答すら「ロシア兵は畑でいくらでも獲れるから」みたいな悪意的見下しネタで中和を試みたりする、とか)

Re: No title

 というか、彼らは自動機械なんじゃないかなと。日本戦闘機の比較であれば「『オクタン価が』と答えればいい」とだけしっているみたいな。

 建築の試験で「パイプサポートは」「3本以上ついではならない」と答えるアレと同じで、パイプサポートが何を指すか、3本までがどのようなシチュであるかとか一切知らないし、考えようとしない感じ。

(昔は確か「パイプサポートは3本まで」で丸暗記していたけど、今ググったら2本までで3本以上ついではならないだから書き直しました。施工令とか施行規則とか告示あたりが変わったみたい。この調子だと両面から構造用合板で壁率2.5倍×2の5倍も怪しいと思ってググると釘の規定と間隔で5~3.6倍になってた。釘はCN65とある。多分首が強いやつ。昔は別の釘でしかも入手面倒だったから頼まれると安心兼ねて1ランク以上うえの木ネジでやってた)


> 若干本文からハズれた例ですが失礼して。
>
> カタログデータ上どう考えても火力・防御力で劣るし機械としての工作精度もそう高いものではないT-34が、なぜティーガーやティーガーIIを最終的にはスクラップにしえたのかと質問した場合、ほとんどのヤフコメ民はロシア人やスターリン/共産党disに逃げ込んでまともに考察しようとしないのではないかと。
>
> (「アニキ、戦争は数だよ」というかなり本質を突いた回答すら「ロシア兵は畑でいくらでも獲れるから」みたいな悪意的見下しネタで中和を試みたりする、とか)

No title

>というか、彼らは自動機械なんじゃないかなと。
>日本戦闘機の比較であれば「『オクタン価が』と答えればいい」とだけしっているみたいな。
>建築の試験で「パイプサポートは」「3本以上ついではならない」と答えるアレと同じで、パイプサポートが何を指すか、3本までがどのようなシチュであるかとか一切知らないし、考えようとしない感じ。

これ、アニメ脳でもRPG脳でも格ゲー脳でもウォーゲーム脳でもなく、今はやりのAI脳ではないですか?
AI脳については、多分この記事が一番わかりやすいと思います。
「AI研究者が問う ロボットは文章を読めない では子どもたちは「読めて」いるのか?」
https://news.yahoo.co.jp/byline/yuasamakoto/20161114-00064079/
この記事を読んでもらえばわかりますが(逆に読まないと絶対にわからない)基本コンピューターの問題回答法は検索とパターン認識と確率と評価関数の重み分けで、ようは文谷数重さんの言う「日本戦闘機の比較」と言えば「オクタン価が」と反応し、「パイプサポートは」と言えば「3本以上ついではならない」と反応するだけで、本当は言葉の意味や文脈など全く理解してない。
で、このAIの記事によると、言葉や文章の意味が分からず、答えたり会話したり反応したりするAIみたいな人って多いみたいです。
ただ、こういうAI人間も何も考えてないのではなく、これでもしっかり考えていると自覚してます。
しかし、その思考方法が、普通の人間の言葉や文章の意味を理解して推論する方法じゃなくて、AIのように言葉の検索とパターン認識に確率と評価関数の重み分けで、答えを「推測」する方法ですが。
だって、「順次・分岐・反復」のコンピューターに人間と同じようにふるまわせるために考え出された思考アルゴリズムなので、この方法は人間の脳にもあまり負荷をかけない思考法で、楽ですから。
ただ、いくら無自覚とはいえ、人間なのに機械の真似事してどうするんだと思いますが…。

No title

五式戦ってF-16に少し似てますね。まあ、F-16の設計にはベトナム戦争の戦訓が反映されている反面、五式戦は偶然いいのが出来上がった、という部分が異なるのでしょうけれど。

プロペラの大きさ

疾風は同等のエンジンを積んだ欧米の戦闘機に比べてプロペラが小さかったそうです(紫電改はもっと小さい)
プロペラは長いほうがエンジンのパワーを有効に利用でき性能が上がるそうですが、日本はプロペラ技術が未熟で大きなプロペラを実用化できなかったそうです(プロペラを大きくすると足も長くする必要がありますが、日本は長くて丈夫な足も実用化できなかったそうです)

武人の蛮用

>カタログデータ上どう考えても火力・防御力で劣るし機械としての工作精度もそう高いものではないT-34が、なぜティーガーやティーガーIIを最終的にはスクラップにしえたのかと

現場では稼働率も重要だと思います。ティーガーIIの損失はほとんどが故障と燃料切れが原因だそうです(燃費はリッター100メートルだったそうです)
カタログデータや機械としての工作精度がAK-47より優れている小銃はたくさんあると思います。

A6M真理教

以前、このブログでA6M真理教のことが書いてあったのを思い出して、また笑いがこみ上げてきました。私もポアされなかったら、いいのですけれど。

プロペラのおおきさ

写真だと気付かなかったのですがF4Uコルセアの実機を見た時、プロペラのあまりの大きさに驚愕しました。そして脚が長い。翼も自動で展開し悠然と離陸。長い脚が短く折り畳まれる様は変形ロボットを見ている様な気分になりました。あまりの精巧さに度肝を抜かれたと言うかこんな物をあの時代に作れるんだと素直に負けを認めました。勿論フライトも素晴らしい…ため息しか出ませんでした。零戦も飛び方が美しいと言う意味でため息出ましたが、熟練した職人の手作りの一品の工芸品みたいな感じですね。アメリカの戦闘機は工業製品に見えます。変な例えですいません。

No title

本題からは外れますが零戦警察は笑った。
ゼロ戦があ間違っている!!と言うなら、多分零戦も間違い。何故か。一式陸攻、一式戦、二式飛行艇、二式戦・・・・・、一陸攻、二飛行艇、二戦と言うか?言わないです。何でゼロ戦だけ「式」の字を抜くわけ?ゼロ戦に目くじらたてるなら、「零式艦戦」だろうが、と思ってしまうわたし。

傑作の「定義」

お邪魔します。
 「何を以て傑作とするか」という傑作の「定義」の問題ではないかと思われます。「同時代の他国兵器と比較して性能等で傑出している」とすれば、残念ながら疾風や紫電改はそれには該当しないでしょう。こういう物言いの場合、最初に「~は傑作(または駄作・失敗作)」という結論が先にあり、傑作の場合は長所を並べ立てて時には「あばた」を「えくぼ」と見なし、駄作・失敗作の場合は欠点をあげつらい時には「えくぼ」を「あばた」と決めつける事も少なくありません。更に「劣等民族である日本人なんかに傑作が作れるはずなどないと思っているのだろう。」とか「日本を貶める事が良識的だとでも思っているのだろう」が付け加わる場合もあったりして。
 個々の機体が傑作か駄作・失敗作か以前に、戦前戦中の日本は未だ新興工業国であり、工業力・技術力の特にすそ野の広さ等で欧米には及びませんでした。「零戦を試験場に運んだのは牛車(まともな自動車が中々作れなかった)」という事例もあったそうです。一部分を突出させて何とか追いつきはしたものの、戦闘機エンジンの1000馬力から2000馬力への急激なパワーアップ等では引き離されないのがやっとだったかなとも思ったりもします。1500馬力の液冷エンジンは作れなかったですし、まともな無線機をパイロットに行き渡らせる事も難しかったようです。今三菱スペースジェット(旧MRJ)の七転八倒ぶりを見ると、新興工業国でありながら実戦に投入可能なものを作れただけでもある意味凄い事なのかも知れません。日本だけでは旧ソ連も、人類初の人工衛星や有人宇宙飛行は実現しましたが、大事故を起こして有人月旅行は断念せざるを得なくなったと聞いた事があります。
 後傑作の「定義」として「明確かつ的確な『何のために何をやらせるか』があり、それをきちんと実現できた」というのも考えられます。日本では世界的名機とまでは言えなくても百式司偵、独では「性能等では特に傑出してはいないが、堅実に徹する事でBf109よりも前線での酷使に耐える」事を目指したFw190がそれに該当するかも知れません。「駄作・失敗作」の認定は比較的容易でも、傑作の認定は案外難しいように思われます。P51は「最優秀」と言われていますが、「最強はF47」かも知れませんし。
 最後に五式戦ですが、これも評価が両極端だと聞いた事があります。旧陸軍パイロットの中に絶賛する意見がある一方で、連合国のコードネームは無く(存在が認識されていない)、敗戦後の米の評価は「特に感銘は受けなかった」という素っ気無いものだったと。飛燕は1500馬力の液冷エンジンを積む事を目指していたそうですから、空冷とはいえ1500馬力のエンジンを積んだ五式戦は、ある意味飛燕が目指した姿に少しでも近づけた戦闘機なのかも知れません。