FC2ブログ

RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2020.03
31
CM:8
TB:0
00:03
Category : 未分類
 
 エンジン側の最大馬力を合計すると最大軸馬力となるのだろうか?

 筆者記事への批判なのだが「FFMは7万馬力を出せるのに4万馬力以上とみている文谷は誤り」といった意見があった。

imgurの人/とほほ電池@chageimgur
30FFMの機関出力をどーも「4万馬力以上」としか見てないよーだが、
30FFMはCODOGではなく"CODAG"や。

それに採用したMT30は出力40MWでおおよそ5万3000馬力。
この時点で4万馬力をはるかにオーバーしとるが、
2台あるディーゼルは8000馬力ほどあるので、合計7万馬力くらいである。
4万馬力とは。
https://twitter.com/chageimgur/status/1244618366246989824



 ただ、それエンジン側の最大出力を合算する誤りを犯している。MT30のエンジン側の最大40MWを馬力換算して5万3000馬力、ディーゼルのエンジン側最大の7200馬力を二台分足して1万4000馬力としてそれで7万馬力といった計算をしている。

 実際にはそれはない。エンジンはメーカー側の額面上限では使わない。プロペラ軸までに各種の損失がある。そもそも減速機側の上限でも規定されることもあるためだ。


■ 実際には8掛

 まずはエンジン能力はメーカーの言い値どおりは使わない。その点で7万馬力は誤っている。

 例えばガスタービンはメーカー側の出力を100%としてだいたい80%程度で使っている。これは記事中でもLM2500の部分でざっと書いたとおり。メーカーは無印ても3万2000馬力でるとしていた。それをだいたい8掛で使っている。

 その点でMT-30の出力を5万3000馬力と見るのは現実的ではない。やはり実際には8掛から9掛で4万以上程度だろう。

 これはディーゼルも同じである。7200馬力2基だから実際に1万5000馬力になる見方も乱暴である。回転体のタービンとは異なり往復運動する。高回転は出すものの長時間の維持はあまり好ましくない。やはり短時間で9割、常用8割といったあたりだろう。


■ 各種損失

 次は各種損失を無視していることだ。その点でメーカー言い値のエンジン出力合計7万馬力が軸馬力7万馬力となるといった誤った理解をしている。

 海自艦艇の出力は軸馬力である。つまりスクリューに送り込む馬力を指している。

 これはエンジン端の出力ではない。トランスミッションほかで発生するロスを引いた馬力である。

 基本的には大したものではない。機械式なら減速機のロスは古い数字で3.5~2%である。今なら2%以下1%程度だろう。また撓み軸のロスはそれよりも小さい。全部通しても5%程度だろう

 だが、特異な伝達機構を挟むと無視できない値が出る。振動伝播防止のためディーゼルと軸を流体継手や流体減速機を挟む場合の流体ロスや電気推進の場合の発電ロスである。

 FFMのディーゼルをどう連結するかはまだ発表されていない。ただ、減速機はともかく流体継手は使う可能性がある。その際にはディーゼル出力はそれなりのロスは生じる。


■ 減速機定格

 最後が減速機の定格である。7万馬力の主張は要求性能から定格が逆算される可能性を無視している。

 簡単にいえば「減速機は30ノット出せれば良い」として作られる可能性が高いということだ。

 例えば、要求性能30ノットとマージンあわせである。満載状態で30ノット出すために必要な推力から逆算して馬力を計算する。その馬力に2割のマージンをもたせた形で定格を決める。

 この場合もやはりエンジン側出力が軸馬力とはならない。満載で30ノット出すのに4万馬力、余力をおまけして4万5000馬力として作られれば、それ以上のエンジン馬力は軸馬力とはならない。

 特にMT-30はオーバーパワーである。その点で8掛の定格すら使わない可能性も生じる。またMT-30の出力で減速機定格が満たされればディーゼルは使わない。そのような状況もあり得るのである。


■ だいたいCODAGもねえ

 そもそも、あの組み合わせでCODAGというのも高速時にディーゼルもそのままにしたい程度の発想じゃないのかね。ガスタービンで短期間高速を出すけど、そのときに運転を切り替えたりするのが面倒くさい。だからCODOGにしなかっただけの話ではないかとみている。

 ディーゼルも合算して33ノット、35ノット出したいといった発想ではないと思うんだけどねえ。

 まあ、普段のご発言を拝見していると国産品大好きでスペック御大事である。国産装備はスペックで優れていないと耐えられない。あの失敗作OH-1をヨイショするくらいのアレである。

 だから国産艦のスピードは世界一であるはずだ、そうでなければならない信じているのだろう。

 でもねえ、30ノット以上の速力なんか世界中で30年前から要らないとされていた。対潜戦にはむしろ障る。出しても使いみちはない上、燃費悪化が著しい。機関コストに合わない。そういって切り捨てられる時代である。それなのに米空母がとか魚雷がとかいい出すのはね。

 自分で「軍板ですがスレ出身の宇宙情報収集垢。」とかいっているあたりで、まあズレた小さい世界の住人で、その小世界の常識が世界の常識だとおもっているのだろうね。
スポンサーサイト



Comment

非公開コメント

No title

出力にも色々ありますからね。
軍用でカタログスペックを書く時にどの値なのかと言うのも有るでしょうけど。
例えばモーターでも
絶対最大定格(これ以上電流、電圧の値が大きいと直ちに故障する可能性がある)
(短)時間定格(一定時間であればここまで出力を上げられる、瞬間最大みたいな)
連続定格(連続使用できる最大出力)
などなど。
物によっては機械的強度(軸、軸受が持たない)で制限される場合もあるでしょう。
そう考えると一般的な最大出力はそれぞれのユニットの連続定格時だと分かると思います。燃費とか効率を考えるともっと低い値を常用すると思いますが。
後は仰るように各ユニット間の損失がどれくらいで最終段でどれくらいの出力になっているのかが重要です。流体継手は効率悪そうですね。AT車のトルコンと同じ様な原理ですから。特に昔のAT車は燃費が悪かった。車でも連続定格を超える所にタコメータのレッドゾーンがあると思いますが、常にレッドゾーンでアクセル踏みっぱなしで何百キロも走り続けて壊れないエンジンがあったら立派だと思いますよ。多分途中で故障するのでは?燃費は激悪でしょうし、カーチェイスでもここまではしないでしょうから、一般的な使い方とは言えないでしょう。それを有難がっても仕方ないと思いますがね。
きっとドラッグカーの様な一瞬だけ凄いスピードが出る非実用的な戦艦に憧れを持つのでしょうかね。男の浪漫て奴でしょうか。
遊びじゃないのでこれではね。

それと船として30ktを超え続けるのはかなり大変な事みたいですね。船体構造の見直しから必要かもしれません。水中翼船とか双胴船、三胴船とか。急に曲がれなくて良ければ地面効果翼もありでしょう。
ミサイル艇の様な小型で水中翼船やウオータージェットでかっ飛ぶ種類の軍艦以外の普通の巡洋艦や駆逐艦が30kt少々で頭打ちという事はこれ以上の速度は非常に効率が悪いという事なのでしょうね。
そうでなければ世界中かっ飛びそうな軍艦だらけになっているでしょうから。

No title

そういえば空母での感染者拡大についてのAttention氏の見立て(連ツイの途中ですが)。
https://twitter.com/attention_on/status/1245248284018397184

次にロシアのですが、病室の消毒風景を示します(他のが上手く見つからなかったので)。
https://twitter.com/mod_russia/status/1243567217360482304
この手の消毒、次亜塩素酸を100倍に薄めて噴霧しているようです。要はハイター薄目液。

元々軍艦の艦内ですと、浸水を考慮しているでしょうし、軍艦自体もNBC戦に備えがあります。消毒作業に問題はないのではと思うのですがどうでしょう?

※なお、一般人が市街地等の噴霧をするには園芸用を使うしかないでしょうね。私もそうしました。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=5&v=LtFO__NqYHI&feature=emb_logo

No title

まやには、スターンフラップは採用されていると聞いたのですが、それだけで同一馬力で最大1.5-2 kt は改善できる、という論文がありますよね。。。

No title

元の記事も読んだけど、まや以前の護衛艦が30knot常時出るようにしてたのは、本当はスピードの確保は二の次で、本命は冗長性の確保でしょうね。
エンジンがやられるのは致命的。
半分やられてもいいよう、4つ積んでおきましょう。
政治家にはめんどくさい事はわからないし、冗長性の確保が必要かで突っ込まれるのは面倒。
だから、速い方がいいで誤魔化しておこう。
それが、本音ですかね。
要は空自の戦闘機が双発を好むのと同じです。

Re: No title

 あの種の工夫が著効を持つのはもともと余計な抵抗を生じる場合だけで
 流体力学的に洗練されたバーク級系統の船型には効果は限定的でしょう、プロペラボスの工夫と同じ程度の効果じゃないですかね

> まやには、スターンフラップは採用されていると聞いたのですが、それだけで同一馬力で最大1.5-2 kt は改善できる、という論文がありますよね。。。

Re: No title

多分、バーク級が単純にスプルーアンス級を踏襲しただけじゃないかなと
「どんな荒天でも三〇ノットを維持するため」と「シフト配置」で

米海軍の速力要求はだいたいそんな感じで最高速力よりも○○ノットを維持できることだし
GT四基構成は右軸系と左軸系を別個にするだけが目的で出力だけなら三基でいいくらいといった感じで

米空母随伴には三〇ノット以上とか言ってる人もいるけど
昔は米空母機動部隊は維持速力二七ノットのノックス級や維持速力二九ノットのペリー級を含んでいましたからね


> 元の記事も読んだけど、まや以前の護衛艦が30knot常時出るようにしてたのは、本当はスピードの確保は二の次で、本命は冗長性の確保でしょうね。
> エンジンがやられるのは致命的。
> 半分やられてもいいよう、4つ積んでおきましょう。
> 政治家にはめんどくさい事はわからないし、冗長性の確保が必要かで突っ込まれるのは面倒。
> だから、速い方がいいで誤魔化しておこう。
> それが、本音ですかね。
> 要は空自の戦闘機が双発を好むのと同じです。

No title

いや、私の理解ではほぼ全ての線形で効果があります。論文が見つかれば良いのですが。見たことがあります。1990年代に発見された新技術で、現在は、海外も自衛隊も、多くの新造戦闘艦に採用されており、既存艦への追加も進められています。

・例えば、バーク級には実際スターンフラップ追加されています。
・イギリスの23型フリゲートは水流ノイズに非常に気をつけた設計ですが、これも全艦スターンフラップを追加しています。
・「あきづき」型も、「むらさめ」型の船型の発展版ですが、スターンフラップを搭載していますね。
・「まや」型も「こんごう」型の発展ですが、採用しています。
この様子をみる限り効果が高いと推測できます。

> あの種の工夫が著効を持つのはもともと余計な抵抗を生じる場合だけで
> 流体力学的に洗練されたバーク級系統の船型には効果は限定的でしょう、プロペラボスの工夫と同じ程度の効果じゃないですかね
>> まやには、スターンフラップは採用されていると聞いたのですが、それだけで同一馬力で最大1.5-2 kt は改善できる、という論文がありますよね。。。

imgurの人/とほほ電池さん、一昨年にもまや型の機関について色々と持論書いてるな
https://togetter.com/li/1251992