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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
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2020.09
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Category : 未分類
 烈風がマトモにできていたら戦局は変わったかといえばそんなこともないんじゃないのかね。

 日本が戦争に敗北した原因をヒコーキの性能や技術水準に求めたい心持ちを持つマニアがいる
 烈風がマトモにできていたら、橘花や秋水が早期に完成していたら、疾風のエンジンがもう少し信頼性があればの類だ。

 でも戦局はほとんど変わらなかっただろうねえ。

 太平洋戦争、対米戦の構造って
1 力の真空地帯に日本が軍事力を進めた
2 米側も太平洋に海空空軍力を展開し航空哨戒圏を展開して日米拮抗の状況を作り出した
3 米側は日本艦隊戦力の倍の戦力を作るまでその体制を保持し、その後に最短距離の中部太平洋で決戦を挑んだ
4 日本は決戦に敗北し本土攻撃を受ける状況となり降伏した

 仮に烈風の類がマトモに早期完成していたとしよう

 でも1も2も3も4も改善しないよね。

→1 緒戦の勝利は力の真空地帯への膨張なのであんまり武器の性能関係ない
   またその状況からするとたまたま零戦と1式陸攻は最適である
   また性能が両者より優れていてもその効果はたいしたものでもない、なんせ本質が力の真空地帯への膨張だから

→2 米国が太平洋に艦隊戦力を送り込み航空哨戒圏を貼ると日本はそうそう勝てなくなる
   ミッドウェイ攻略みたいに米哨戒圏に飛び込んで勝利するには少なくとも2倍の空母や艦載機もっていかないと厳しい
   烈風のたぐいの多少の高性能機ではひっくり返らない

→3 2倍以上の機動部隊戦力を積み上げられると戦闘機の性能ではひっくりかえらない
   マリアナでこっちが流星とマトモにできた烈風でも米空母機動部隊には勝てない
   運が良くても何隻かを撃破沈没できるかもしれないけど戦闘はひっくり返らないし
   日本が流星とマトモにできた烈風だったら米側は安心するために3倍の戦力を集める
   同時期の米海軍にはそれができる

→4 本土が継続的に攻撃を受ける状況でマトモにできた烈風やら橘花や秋水の類があっても状況はさほど改善しない
   B-29が大量に落ちるかもしれないけど日本の戦争経済が痛めつけられるのは変わらないので戦闘機生産も貧弱になる
   対して米国の爆撃機生産は被害を受けない、そして米陸軍航空隊は高損害の対独戦略爆撃にも耐えた
   また硫黄島や沖縄が陥落すれば随伴戦闘機が来るから烈風やら橘花や秋水の類でも空中戦は絶対有利ともならない

 「兵器が優れていれば戦争に勝てるのだ」みたいな素朴な信仰があるのだろうけど
 兵器が優れていても構造が駄目ならダメダメだし。構造がダメダメなら兵器が優れていてもさほどの影響もでないよねえ

 ベトナム戦争で米空軍がF-15とF-16、米海軍がF-14とF-14を持ち込んでも戦争はひっくり返らないわけだ
 航空戦で戦闘機が撃墜数を稼げるだろうけどそれだけ
 爆撃部隊は対空砲火で消耗するし、航空遊撃戦のあれでやっぱMIG-17が飛んだだけでやはり爆撃は妨害される
 そして爆撃が順調にいっても地上戦や政治戦では負ける

 太平洋戦争の進み方を変えようとして烈風の類をマトモにしても何にもならないということだし
 似たような些末要素である造船やら人事やら陸海軍共同やらをいじってもあんまり変わらない
 その些末要素である「烈風が」を言ってもあんまり意味ないように見えるもんだよ
 

 まー、その種の駄話が1941年12月8日にすべてのタイムスケジュールを宛てるのもなんだよねえ
 1941年末に開戦になったのってたまたまで、40年くらいから対米関係が急速に悪化した結果だから
 それにあわせて日本が誉エンジンやら金星エンジンに力を注いでうまく完成していればの類にしても、まあということ
 開戦が44年ならジェットエンジンが見えているわけだ、レシプロなんか力注いでもだめだってことになるからねえ

 戯作的なロマンの追求かもしれないけど、まあロマンとしての心地よさの追求でしかないわけだ
 そして、ましかばませの反実仮想にしても細かいことばっかいってもねえ

 これは白井聡先生のいう「日本敗北の否認」の1派生型なんだろう
 けど否認する上での辻褄を、しかも技術やら人事やらの些末要素で緻密に突き詰める意味もないんじゃないかな
 目的は日本は敗戦したといった事実を空想上で否認することで、それが充分なわけだ

 「オレが100兆年の大金持ちになったら」の反実仮想で、以下に100兆円稼ぐかの辻褄を合わせるのに真面目になってもね

 話として面白いのは琵琶湖を万札で埋め立てられる金でどのような贅沢を尽くすかじゃないのかね
 ハゲ100万人集めた反射光で照明するとかホタルイカでイカ飯作ってそれをイカに詰めたイカ飯を作って
 それでダイオウイカで満たすみたいなラグジュアリーをセレベス島で尽くすみたいなほうが面白いと思うけどね
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ガンダムとか漫画やアニメの見すぎでしょう

「米海軍がF-14とF-14」
これは片方がFA18とですかね。

「日本が戦争に敗北した原因をヒコーキの性能や技術水準に求めたい心持ちを持つマニアがいる
 烈風がマトモにできていたら、橘花や秋水が早期に完成していたら、疾風のエンジンがもう少し信頼性があればの類だ。」
実に虚しいですな。富嶽が完成していれば米国を爆撃できたのにみたいな虚しさ。
タラレバも当人たちは面白いのかも知れませんが、空想戦記物みたいでなんだかなと思います。

そもそも論で技術水準が低かった→解決できないどころか製造に女学生投入(マニア歓喜?)→よいよ品質が...の悪循環では。

開発能力でも製造能力でも品質でも米国に及ばない。石油も資源もろくに無い。国力では全く比較にならないでは勝ちようがない。米国より勝っていたのは人の命の数位?(怖)。

ベトナム戦争の様に本土でゲリラ戦をすれば勝てた?
蹂躙された後に撤退して海上封鎖されて残された人間で勝ったと喜べるなら勝ったんでしょう(呆)。

ではどうすればあの当時の日本で米国に勝てたのか?という事を真面目に検証してみれば良いのではないかと(無意味?)。
もっともそれはそれで真珠湾で空母機動艦隊を全滅、補給基地を撃破とか前提になるのでしょうか?個人的には何がどうなっても日本の敗戦しか見えないのですが。

仮に日本の原爆が先に完成していれば...
結果は何も変わらなかったでしょうね。

Re: ガンダムとか漫画やアニメの見すぎでしょう

「エンジンの開発力と基礎技術力と生産能力を底上げしておけば」とかもいいますけど
アメリカからの技術援助とアメリカ・フィリピン市場への輸出と平和による民需の拡大がないと無理で
それがあればアメリカと戦争する理由がないですよねえ

テレビばっかり見ていると今に尻尾が生えてくる

高性能の兵器さえあれば戦況がひっくり返ると思っている人って、「一台の百発百中の大砲は、百台の百発に一発しか当たらない大砲と同じ戦力」と思っているでしょうね。
有名な話で今更だし、普通に考えればわかることだけど、一台の百発百中の大砲と、百台の百発に一発しか当たらない大砲が打ち合えば、一台の壊れた百発百通の大砲に対して、百発に一発しか当たらないが無傷の99台の大砲が残るんだよね。
いくら高性能でも使いえない大砲より、精度が落ちても弾が出る大砲の方が使えるし。無差別砲撃ならそれで充分だし。

こういう考えに至る原因って、やっぱロボットアニメや特撮ヒーローの影響ですかね。基本連戦連勝だし(負けたら番組終わっちゃうし)、しかも少数精鋭で世界征服する悪の軍団や宇宙からの新緑者を撃退するから。

この手のアニメからミリタリーに入った人がウォーゲームをやると、アニメとかの影響で、強いユニットを先行して、ひどい目に合うとか。
例えばツクダホビーのガンダムゲームだと、ガンダムとジオングを先行し過ぎたため、周りをボールやザクとかの雑魚キャラに囲まれ、逃げバう失った上にタコ殴りにあって、虎の子のユニットをすぐに失うとか。

紺碧の艦隊の超技術を持ってる日本だって、アメリカには勝ててませんのに、烈風では無理ですわ。

No title

そもそも、どんな優秀な性能の飛行機をもっていても、飛べなきゃただの鉄の塊。例え烈風がF15と同等の性能(笑)を持っていたとしても、飛ばす燃料はあったのかい?と。

No title

新戦車の時も何だか似たような話だったような気がしますです。
もし新兵器何々あるいは超兵器何々があれば戦争の帰趨は変わっていた云々っていう主張を聞く時って、往々にして背後の構造も(その何々が最も力を発揮できるように)弄った想定になってたりするんですよね。

No title

 冷静になって見ると、結局当時の日本って力の真空地帯に軍事力を進める以上の能力は持ってなかったという話になるんですよね。それ自体は当時でもわかりきってたことなので、のちに「中国との戦争の段階で経済破綻していたのを有耶無耶にするために対米戦に突入した」なんて下種の勘ぐりをされたりするわけですが

話は逸れますが……

漫画やアニメなどの「男の子の国」の物語は侵略してくる存在に対して"すっごい超技術"で連戦連勝して勝つ愛国物語が基本ですからね。(参考: 紅一点論 ISBN:978-4-480-03666-7)
どんな物語も根っこにあるのは排外主義と大艦巨砲主義です。

そういうものに囲まれて育った人間が、そういう考え方になるのは当然の話であって、彼らはそれを「創作物から悪影響は受けない」「表現の自由だ」などと言って誤魔化しているようですが……
"マニア向け"を愛好するものの端くれとして、私から言わせれば彼らは「趣味者としての水準が低い ( http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-2263.html )」です。

この程度の奴らがTwitterとやらで大きなことを抜かして世論に悪影響を与える、第二次世界大戦の前に起きていた光景とそっくりです。
「つよい兵器があれば勝てるんだもん!」と拗ねるようなオコチャマ軍師しか居ない国が戦争して……勝てるのでしょうか?

兵器は戦場を変えることは出来ても戦争を変えることはできないって誰かの名言を思いだしましたよ。

ただ、客観的に見ても烈風が米軍戦闘機に徹底的なアドバンテージがあったかと言うとカタログだけ見ても疑問符が付くんですが。実戦に仮に間に合っても、まあ零戦よりはマシな損害で済んだ程度でしょうか。

ナチスドイツはアメリカやソ連より性能で優越する戦車や戦闘機持ってたけど、結局は負けたよねって話みたいなもんですね
まあ、あっちはあっちで「ソ連が勝てたのはレンドリースで下駄履かせてもらってて、冷酷非情なスターリンの犠牲を気にしない物量作戦が取れたのと、ヒトラーやゲーリングみたいな無能が足引っ張ってから」って負け惜しみ言説が長く広まってましたけども
(アメリカも物量作戦で勝てた云々で語られる傾向にあるけど、んじゃソ連を手助けしながら粘り抜いたイギリスはどうなるんだって話が)

No title

そもそも烈風とやらが、あの時期に、まともに性能を発揮できる環境にあったのかという話はさておき。
日本が烈風を出すなら、向こうは F8F や ジェット艦戦 F9F が控えているわけでね。後出しがいくらでもありなら、むしろアメリカの方が有利ってことに想像が及ばないあたりが、アレな所以なんだろうか。

No title

改マル5が快調に推移してレイテに空母15隻体制で臨めたとしても、敗戦は免れません。雲龍50隻あれば別ですが。

増して烈風ではねぇ。迎撃機としては不向きですし。

No title

一つだけ物質的要素あげろといったら生産力。アメリカの10倍の国力なら楽勝です。

結局それだと面白くないし途方もない空想なので、「あの新型機があれば」的なちょっと手に屆く感のあることを言ってるだけでしょう。

造船のたらればもそうで、月刊空母に対抗したければ最低でも月刊空母なのに、あの稟議書半年早く起案してればみたいな小技ばかり並べたてる。精々2隻かそこらしか増えない類の小技。でも大半のサラリーマン読者にはそっちの方がリアルに見えるらしい。

『失敗の本質』という負け戦を延々陸海共同だ飛行機の開発力だに求めて蘊蓄たれる本がサラリーマンや経営者に大人気ですが、太平洋戦争特に後半でそれを幾ら言っても無駄なんですよ。ガチンコぶつかり合いの総力戦で国力10分の1で事実上同盟国少ないぼっちなら。

最近じゃツイッターで見る歴史オタクの中で「サムライSUGEEE!!」ってネタも散見されますね。
動員された御家人などの武士たちは八幡愚童訓で書かれてるような苦戦はしてなかったんじゃないかって考察されてる文永・弘安の元寇や、李朝と明朝の軍に"戦いの主導権は"奪わせなかった文禄・慶長の朝鮮侵略は、歴史認識や領土問題で中韓両国が嫌いな人たちからすれば、日本が「勝った」対外戦争なんで、さぞかし楽しくて嬉しいんでしょう

失敗の本質が見えていない

岩見浩造さん、
第二次大戦の失敗の本質は本質が見えていないからの失敗だと思います。
例の本は読んでいませんが本質が見えてないから内容的には読んでも仕方ない?

「ガチンコぶつかり合いの総力戦で国力10分の1で事実上同盟国少ないぼっちなら。」
開戦前の両者の国力と兵力と資源と世界情勢を全て勘案してみないと分からないとは思いますが、本質はどこから切っても何一つ英米に勝てていない事かと。面白くもない答えですが。では八方塞がりの状況開始からどうすれば日本が勝てた(戦争でも政治的にでも)のかと言う「真面目な内容の」本を誰か書かないもんですかね?個人的には戦争をしないと言う選択肢が一番の勝ちパターンだと思います。こういうのは北朝鮮などがお得意ですが、真っ向からは戦争を挑まずヤルヤル詐欺でテーブルに着かせて交渉に持ち込み自分の有利な条件でちゃんちゃんと手拍子で終わらせる。交渉事が下手な日本では難しいでしょうが戦争に負けて大日本帝国がコケるよりマシだったのかと。追い詰められて仕方なく戦争とよく言いますが本当にそうだったのか訝しんでいます。
向こうから侵略してきてやむを得ず防衛戦になったとかならともかく、真面目に国力や兵力、資源、友好国など諸条件を勘案してどうするのが国益として最善の道か検討したらこちらから戦争仕掛けるのはありえない選択肢かと。

No title

日本はアメリカ製の工作機械でエンジン部品作って、
アメリカ製のハイオクとエンジンオイルで
飛行機飛ばしていたのを知らない人が多いですかねえ。

No title

やれやれさん

戦史に詳しい向きは「何故これほどサラリーマンに受けたのか」という観点で読まれると得る物が多いと思います。本当に凄いんですよ。新宿の大型書店ですと棚の一角に関連本のコーナーが出来ている位。Amazonでも600か700位レビューされている。

私も、米国に優勢な国力も戦線も作れない以上、戦争しないが正解だと思います。

本の中ではミッドウェイなどの他、レイテや沖縄戦も取り上げているのですが、レイテや沖縄戦をその場の戦いの勝敗に絞っても取り上げる価値は低いです。

レイテで言えば、現地の艦隊が降伏するか、自沈するか、WWIドイツのように叛乱でも起こすかが本当の選択肢でしょうが、普通の本のように作戦の中味を延々disるだけに終始しています。執筆陣は防衛研究所関係者ですから仕方ないかも知れませんね。

「自衛隊と韓国軍or中国軍が戦ったら
?」つー、自衛隊が勝つ結論ありきなの見え見えなシミュレーションでも、「自衛隊は技量が高く、韓国軍/中国軍は逆に技量に劣る」みたいな謎の補正を掛けたりしてて、なおかつ書いてる奴はそれをガチで信じ込んでる、なんてアホらしすぎて笑えない事もあったりするなあ
(「国産兵器には隠しパラメータがあって外国製より優れてる」なんてほざいてた北方宗一も、自分が書いてるスパイアクションものの小説で「韓国人は自己中が多いから軽く脅すだけで機密情報をべらべらと喋ってくれる」なんてトンマな事書いてたし)
https://ncode.syosetu.com/n4356w/15/

>やれやれさん
ドラゴン桜の人が描いてる「アルキメデスの大戦」って漫画じゃ、戦艦大和を潰したい山本五十六にヘッドハントされた数学の天才の主人公が、陸海軍共通化も踏まえた次期戦闘機(96艦戦)のコンペにも参加してる時に「アメリカと戦争する事自体そもそもの間違いなんだから戦闘機の共通化や航空主兵論も小手先なんじゃね」と気付き、主人公が対米戦争回避の手立てを探るストーリーに変わっていくんですよね。

まあ主人公が思いついたのは「ガスタービンエンジン搭載ミサイル戦艦大和(まだペーパープラン)」という大法螺をアメリカに信じ込ませて、さらにそれをアメリカに売り込む、とかいうなるほど分からんな内容なんですけども

No title

結局は日本の大陸における勢力拡大が、あまりに節操もなければ人道にすら悖るものになってきたことをアメリカにツッコまれ、そこで日本がそれまでのサンクコストと「英霊に顔向けできん」式の面子にこだわった結果の対米戦争突入だったと、私は平たく理解しています。

まあ個人的にはそう推移して良かったと思いますよ。
日本がボロクソに負けた結果元の島国に戻ることで、最も日本にいいようにいじり倒されカオスにされた東アジア諸国(いわゆる「特亜」と呼ばれる国々)は、19世紀まであった地域秩序にほぼリセットできたわけですし。

No title

岩見浩造さん、
「本当に凄いんですよ。新宿の大型書店ですと棚の一角に関連本のコーナーが出来ている位。」
一応人気があるのは知っているんですが、表紙とタイトルだけ見て中身を見る気が失せてしまいました。
「日本軍の戦略(或いは戦術)の失敗から学ぶ使えるビジネス書」みたいな書名だったら見たかも知れませんが、どう見ても「失敗の本質」は緒戦の失敗だけが問題では無いと思いましたので。
「普通の本のように作戦の中味を延々disるだけに終始しています。」
とは言え活かせる内容も多いでしょうね。せめて過去の失敗を活かせればとの思いで書かれたのかも知れませんし。「本質」と言う単語が引っかかってしまい若干嫌悪感を抱いただけなので。

2020.09.05 02:41さん、
事故や事件でおもしろ映像っぽく流しているのが国全体の実態と舐めているとそれこそ実態を見誤りますからね。
何事も正確な情報が大事です。変なバイアスが掛かっていて間違った考察をしたら、特に軍事では大事だと思うんですよね。うつけのものを演じていた織田信長を侮っているみたいな事にならなければいいのですが。
中国なんていろいろな面で日本を凌駕してきているのに未だにパクリだから大丈夫みたいな謎の安心感を抱いている人もいる。パクリだけでここまで発展するわけないのに。

2020.09.05 03:35さん、
映画の方は見ました。なかなか面白かったですがそこまでは話が進まなかったようで。
それにしても漫画は別の意味で無謀な話になるんですね...

No title

>雲龍50隻あれば別ですが。

動かす油がありませぬ。大和一隻ですら大和ホテルと揶揄されるくらい重油の足りない日本海軍です。

No title

訂正と追記

いや、間違えた。武蔵と合わせて2隻ね。
まあ、運龍50隻あっても、搭載機が何千機あっても油がない、それに、発着艦できる技量のパイロットがどれだけいたの?という問題も。1隻搭載機10機とか(笑)それですら50隻あれば500機、マリアナ沖海戦で日本海軍がかき集めた全艦載機より多いです。マリアナ沖のときは、まだかろうじて発着艦はできた。レイテ沖では、もう発艦しかできない、着艦できない、飛び立ったら陸上基地に向かうしかないパイロットばかりでした。

No title

>動かす油がありませぬ。

その手の指摘は申し訳ないが揚げ足と思います。当然「国力」と読み替えるところなので。船だけあっても油が、パイロットが、機体が、護衛艦がの類は言葉として省略しています。相手に付け込まれる元ですよそういうのは。

アメリカだって月刊空母だけ生産した訳じゃないので。

No title

>活かせる内容も多いでしょうね。

実際には自分の経営で無理強いを強いる行為を正当化するのに使われてるので活かせてないと思いますね。

『失敗の本質』を継承したとか、解説して見せたと称する本でのレイテの扱い、典型的な「栗田が突っ込めば勝てた」ですよ。書名は忘れましたがそう明記しているものを数冊知見かけました。

物質的な差で殆ど決まっていることを教えない「戦史の教訓」がもたらすのはそういうことです。

まずその事実を教えず細々とした要素を積み上げる解説方法はあの本に限らずですが、「物事を抽象化していることが理解できない揚げ足取り」を量産する結果となっています。

No title

岩見浩造さん、
「実際には自分の経営で無理強いを強いる行為を正当化するのに使われてるので活かせてないと思いますね。」
そ、そうなんですか?(汗)。
要するに個別の戦闘の失敗の本質すら突いていないという事なら読む価値すらなさそうですね...やはり手に取らなくて正解ということでしたか...
反省を活かせればと思ったですがそれでは使えないですね。

マウスとⅣ号戦車

第二次大戦当時のヨーロッパにもマウス戦車を戦争の切り札にしようとした指導者がいました。
マンシュタイン将軍は、(故障が多い)パンサー戦車よりも(性能は劣るが稼働率が高い)Ⅳ号戦車を大量に生産すべきだ と主張していたそうです。アルデンヌ侵攻を立案し戦術で戦略を補った将軍としては、大量のⅣ号戦車を備えた兵力を駆使できればソ連に勝てた と思っていたかもしれません。

「同レベル」か「異次元」か

お邪魔します。
 もし兵器の性能等でひっくり返せるとしたら、それは「数が3倍ぐらいあれば、またはアウェイとホームといった差があれば対処できない事はない」といった「同レベルでの優秀性」では到底不可能で、「どんなに数を集めても全く歯が立たない」といった「異次元」レベルの差が必要なのではないかと思ったりもします。そうすれば相対的に「力の真空」を作れるでしょうから。エヴァンゲリオンの使徒みたいに、アメリカに開発したての原爆を使用させた挙句「馬鹿な!」と言わせられるぐらいのものでもあればどうにかなったのかなとも。

人材>兵器

Alberich様へ
それはグデ―リアンだったはずです。機甲兵総監時代に4号戦車の生産を中止してパンターに生産を一本化してはどうだ、と意見が出た時に御説の反応を示したはずです。余談ですがマンシュタイン最大の功績は、3号突撃砲を作ったことかもしれません。

まあ、烈風やビグザムが量産されたとしても、戦局は好転しなかったことは「戦国自衛隊」を読めば分かります。戦局を動かすのは兵器ではなく人です。当時の日本軍の上層部に、もう少しまともな人材がそろっていれば戦局は好転した可能性があることは「ジパング」を読めばわかります。

ルーデル曰く、高梨 俊一曰く、佐藤大輔曰く

 ルーデル大佐は「急降下爆撃」に”戦術的勝利の積み重ねではけして戦略的勝利は得られない”と書いていますね。大戦末期の東部戦線でドイツ本国に突入せんとするソ連戦車隊を次々と蹴散らしながらの述懐でした。戦後もナチを貫き通したという話からは想像もつかない冷徹さに驚いたものです。
 またウォーゲームデザイナーの高梨俊一日大教授は、”すべての戦闘で最高の結果が出て、日本中の井戸から石油が沸こうとも、日本には全く勝利の目がない”と解説していました。
 ウォーゲームデザイナーの佐藤大輔は「鏡の国の戦争」という文で、”「日本が大戦で勝つには?」と考えると、幕末ぐらいまで遡って歴史を改変し、かつ米国が大日本帝國のように孤立する偽史を考えなければならなかった。それは大日本帝國と米国が入れ替わった「鏡の国の戦争」であった”と書いてました。
 大戦に向かう経緯については、ご案内でしょうが
数学史研究者@redqueenbee1 https://twitter.com/redqueenbee1 のツイ群が非常に勉強になると思います。
 個人と集団のご都合と成り行きで、どんどんと戦線を拡大し、ついには対米戦争に突っ込まないと死んじゃう病にかかり、その発作で開戦、無茶苦茶なことになるも無責任同を貫き通し敗戦をも焼け太りの材料にするさまが読み取れます。
 結局のところ、今も宿痾から逃れられていないようで。

ご指摘ありがとうございました

ひゃっはー殿

仰る通りグーデリアンでした。
マンシュタイン将軍の回想録にⅣ号戦車の事を述べていたような気がしたので勘違いしていました。
烈風程度では戦局に影響ないかもしれませんが、第二次大戦で、ⅤⅡ号(弾道ミサイル)が半年早く完成していたら とか (ヒットラーが余計な事を言わず)ジェット戦闘機を最初から防空戦闘に使ってアメリカの戦略爆撃を阻止していたら 第二次大戦の結果が変わった という説はもう少しまともな人が言っていたような気がしますが、どうなのでしょうか?
ソ連はⅤⅡ号とかジェット戦闘機のような夢の新兵器には見向きもせず、T34戦車の増産と改良に専念して独ソ戦に勝ちましたが、このような泥臭いやり方が結局一番良いのかもしれません。

それはないでしょう。

例え半年早くV2やジエット戦闘機が完成したとしてもチャーチルの戦意を削ぐことはできなかったでしょうし、ノルマンディー上陸作戦を阻止できたとはとても考えられません。なんせチャーチルはアメリカが参戦した時点で、この戦争に勝てると確信したそうですから。

ソ連はドイツのミサイル技術やジェット戦闘機の技術を喉から手が出るほど欲しがってました。戦後、それらの技術で宇宙ロケットやミグ戦闘機が作られました。