- 2023 . 09 «
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
- 6
- 7
- 8
- 9
- 10
- 11
- 12
- 13
- 14
- 15
- 16
- 17
- 18
- 19
- 20
- 21
- 22
- 23
- 24
- 25
- 26
- 27
- 28
- 29
- 30
- 31
- » 2023 . 11
Category : 未分類
タイトルは今月の『世界』にあった一節である。「ジェネレーション・レフト宣言」* で斉藤幸平さんはこのように述べた。
(*1)斉藤幸平「ジェネレーション・レフト宣言」『世界』938(岩波書店,2020.10)pp.23-33.
まあ響く話だ。特にお理工さんの言い出すそれと全く変わらない。
例えば菊地誠さんは野党やリベラルに「財政出動をしないことだけを攻めろ」といっている。これは「政治の不正に文句をいうな」と言っていることと同じだ。
経済や政治にある不公正や不健全に触れずに「財政出動をして経済成長をしようという路線『だけ』が『経済を語る』こととしてカウント」(斉藤)しているようにしか見えないものだ。
■ グレタさんへの共感に恐怖するネトウヨ層
もう一つ考えさせられた字句もある。別記事(*2)におけるグレタさんへの共感を示す一文だ。
(*2)岸本聡子「地域自治で、グローバル資本主義を包囲する」『世界』938(岩波書店,2020.10)pp.34-41.
日本のネトウヨ層の反応はなんだったのだろうかという疑問である。ネトウヨ層は「グレダは左派勢力に操られている」「背後には環境ビジネスがある」といっていた。
彼らはなぜそのような反応をしたのか。
まずは恐怖なのだろう。
ネトウヨたちは環境問題を歯牙にもかけなかった。あるいは矮小化していた。それが自称現実主義の類であるからだ。
だが、その環境問題や環境活動家が世界的に共感を得た。それによりネトウヨ層は自分たちの足元が実は誤っているのではないか。また自分たちこそが多数派といった根拠のない自信を失ったことに恐怖したのだろう。(*3)
(*3) ちなみに、ネトウヨ層の「自分たちこそが多数派である」という根拠のない思い込みは例の学術会議の件でも出てきている。「レジ袋で世論は学術会議に背を向けている」「世論は学術会議を廃止に傾いている」とか言い出しているあたりは全くそれ。エコチェンバーの中のアレ常識を世間の常識であると思いこんでいるわけだ。それが一致していないことを伺わせる事態が起きると自己が不安になる。「マスコミの工作だ騙されるな」とか「背後に巨大な敵がいて世間はそれに動かされている」となるのだろうよ。
(*1)斉藤幸平「ジェネレーション・レフト宣言」『世界』938(岩波書店,2020.10)pp.23-33.
「『経済を語ってこなかった左派』という藁人形たたきが、今度は逆に経済問題だけを左派・リベラルは優先的に語っていけばいいかのような言説へと横滑りしていく(6)」(p.26)
「6 ブレイディみかこ, 松尾匡、北田暁大『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学」(亜紀書房,二〇一八年)。本当に左派が経済を語ってこなかったのであれば、井手英策、金子勝、宮本太郎など『世界』でもなじみのある面々はいったいなにを語ってきたのだろうか。単に財政出動をして経済成長をしようという路線『だけ』が『経済を語る』こととしてカウントされるように、その定義が恣意的に狭められていることがわかる。」(p.33)
まあ響く話だ。特にお理工さんの言い出すそれと全く変わらない。
例えば菊地誠さんは野党やリベラルに「財政出動をしないことだけを攻めろ」といっている。これは「政治の不正に文句をいうな」と言っていることと同じだ。
kikumaco(10/31,11/22ビッグアップル)@kikumaco
安倍政権にしろ菅政権にしろ、とにかくくだらないことで批判しないで、財政出動が足りないことを非難しましょうよ。国はもっと金を出せ、という声を大きくしないと。それがだいじよ、今は
https://twitter.com/kikumaco/status/1310579972822585346
kikumaco(10/31,11/22ビッグアップル)@kikumaco
何度も書きますが、野党支持者、特にリベラルを指向する人たちはぜひとも「そろそろ左派は経済を語ろう」を読んでください。必読です。今の野党のなにがどう間違っているのかが分かるし、僕たちが求めるべき真のリベラル勢力がどういうものかを考えさせてくれます。未読のかたはぜひ
https://twitter.com/kikumaco/status/1308990627074498560
経済や政治にある不公正や不健全に触れずに「財政出動をして経済成長をしようという路線『だけ』が『経済を語る』こととしてカウント」(斉藤)しているようにしか見えないものだ。
■ グレタさんへの共感に恐怖するネトウヨ層
もう一つ考えさせられた字句もある。別記事(*2)におけるグレタさんへの共感を示す一文だ。
(*2)岸本聡子「地域自治で、グローバル資本主義を包囲する」『世界』938(岩波書店,2020.10)pp.34-41.
スウェーデンの一六歳の環境活動家グレタ・トゥンベリがたった一人で起こした行動の共感は、二〇一九年のはじめ、学生たちが気候のための学校ストライキとしてヨーロッパ全域に広まった。(p.41)
日本のネトウヨ層の反応はなんだったのだろうかという疑問である。ネトウヨ層は「グレダは左派勢力に操られている」「背後には環境ビジネスがある」といっていた。
彼らはなぜそのような反応をしたのか。
まずは恐怖なのだろう。
ネトウヨたちは環境問題を歯牙にもかけなかった。あるいは矮小化していた。それが自称現実主義の類であるからだ。
だが、その環境問題や環境活動家が世界的に共感を得た。それによりネトウヨ層は自分たちの足元が実は誤っているのではないか。また自分たちこそが多数派といった根拠のない自信を失ったことに恐怖したのだろう。(*3)
(*3) ちなみに、ネトウヨ層の「自分たちこそが多数派である」という根拠のない思い込みは例の学術会議の件でも出てきている。「レジ袋で世論は学術会議に背を向けている」「世論は学術会議を廃止に傾いている」とか言い出しているあたりは全くそれ。エコチェンバーの中のアレ常識を世間の常識であると思いこんでいるわけだ。それが一致していないことを伺わせる事態が起きると自己が不安になる。「マスコミの工作だ騙されるな」とか「背後に巨大な敵がいて世間はそれに動かされている」となるのだろうよ。
スポンサーサイト
Trackback
Comment
No title
03:35
URL
編集
No title
17:29
岩見浩造
URL
編集
No title
10:19
URL
編集
それは曲解のようです。
http://attackoto.blog9.fc2.com/blog-entry-481.html
以下引用
https://www.facebook.com/732846497083173/posts/on-friday-march-15th-2019-well-over-15-million-students-school-striked-for-the-c/793441724356983/
"Personally I am against nuclear power, but according to the IPCC, it can be a small part of a very big new carbon free energy solution, especially in countries and areas that lack the possibility of a full scale renewable energy supply - even though its extremely dangerous, expensive and time consuming. But let’s leave that debate until we start looking at the full picture."
No title
19:04
岩見浩造
URL
編集
>君は原子力を話題にするのを絶対に避けたほうがいい。
なるアドバイスは完全に意味不明です。実際、当人も殆ど無言でしょう。これは日本の気候変動市民団体と比べてもナイーブです。
分厚い本や論文を記せなどとは思いませんが、デモのスローガン程度にはスタンスを示すことが必要ではないでしょうか。
それから、そのブログの東京新聞を批判しているくだりは正直思い入れ過多ですね。東京新聞の読みが普通だと思います。個人的に反対しているならIPCCの原発容認路線は支持しない、と明記するのが普通。以前Twitterやmixiに何人も現れた「再エネも応援する実質的な原発容認者」とよく似ています。
『原発抜き・地域再生の温暖化対策へ』と明記した10年前の日本共産党の方がまだしもです。
あと、後援団体のWe Have no timeでしたか。原発で温暖化対策と主張してるそうで。
https://ameblo.jp/masaya1015/entry-12569414034.html
実際、反原発運動の情報は色々入ってきますが、彼女はそこまで受けは良くなく、悪手なのでコロラド先生のような立場の人も「苦手」などと口を閉ざしたままです。
苦い薬ですがね、彼女に傾倒するあまり、実際に水没の危機にあるミクロネシアやグリーンランドの事を「国連で演説も出来ない」と小馬鹿にしている者もいます。実際には彼女が出てくる前から演説の機会は与えられているので失礼極まりない暴言です。フェミニズムの取り込みを図るなら、自国の女性活動家にスポットを当てるのが筋かと。
妙なことを言う人達ですよね。
23:08
葛根湯
URL
編集
アベノマスク配付にしても、中抜き電通委託にしても、アベスガ継承にしても、それこそリベラル・左翼が大反対する中で粛々と実行されたというのに。
要はアベスガ自身が決断できないか何かまずいことに自分で気がついているだけなんでしょうよ。
10:08
URL
編集
私自身既成左翼の一員として、「左派が経済を語ってこなかった」とは全く思っていないし、件の本についても非常に疑問を多く持った事も確かだが、特に近年、職場の仲間と話していて感じるのは、モリカケ桜的不正追及の話をしても中々相手に響かない事だ(無論私の説得の拙さはあるが)。『世界』的金子勝的「リベラル」の意見を聞いても「所詮安定した暮らしができる人種の上から目線発言」と受け取られてしまう印象もある。所謂反緊縮派のような、とにかく金をばらまけば万事解決という立場には与しないが、『世界』読者が好むような「リベラル」が「普通の日本人」(彼らの票も含めて得票しなければ選挙に勝てず当然政権交代もない)に嫌われている、というのは一労働者としての率直な皮膚感覚としてある。じゃどうしたら良いのか、と言われると私も中々答えが見出だせないのですが。
No title
14:57
岩見浩造
URL
編集
まあ、どこでも通じる話かもしれませんが。
勿論、かつて論文を載せていたような人が劣化著しいというパターンもあります。