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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2020.12
19
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03:38
Category : 未分類
 自動車をEVに変えれば火力電力でもC02は3割減る。今の電気は天然ガスで発電されている。同熱量でも軽油・ガソリンの7割しか二酸化炭素は出さないからだ。

 その点で松田未来さんの主張は正しくない。火力電力でEV化をしてもCO2は減るからだ。
松田未来 新作「翼駆人アラン第Ⅰ章」発売中!「夜光雲のサリッサ」連載中!@macchiMC72
ごくごく当たり前の事実を述べている。太陽光や水力などのエコなエネルギーは主要電源ベースには程遠いわけで現実問題として自動車のエネルギー源をCO2削減と同時に電気に置き換える場合、好き嫌いに関わらず原子力が必要にならざるを得ないのも厳然たる事実。
引用ツイートYahoo!ニュース@YahooNewsTopics · 18時間
【トヨタ社長 脱ガソリンに苦言】https://yahoo.jp/tzcqdt
日本自動車工業会の豊田章男会長は、政府が30年代に新車のガソリン車販売をなくすことを検討していることについて懸念を示した。日本は火力発電の割合が大きく、自動車の電動化だけでは二酸化炭素の削減につながらないとの認識を強調。

午前10:12 · 2020年12月18日·Twitter for iPad
https://twitter.com/macchiMC72/status/1339740377276850178


 火力電力でもEV化はCO2削減効果を持つ。

 まず、原燃料のカロリーあたりCO2発生量が7割に減る。これは当初に述べたとおり。

 また、燃費も向上する。カロリーあたりの走行距離も有利となる。

 LNG発電の熱効率は40%を超えている。高効率発電所では50%超、最新では60%を超える。運転中の発電所はこの熱効率をキープしている。

 対して自動車は最高でも40%行くかどうか。しかもピークの熱効率であり通常運転ではそれを下回る。平均すれば30%に及ぶかどうかも怪しい。

 もちろん、送電ロスや充電ロスもある。5%と15%とみれば20%程度となる。

 だが、それでも火力電力+EVはCO2削減に効果を持つ。発電熱効率を45%と低めに自動車熱効率を35%と高めにしてもそうなる。この数字の場合では3割減る。EV車は同一距離を走った場合のC02排出量は7割となる。内燃車に甘めに設定した数字なので実際にはそれ以下となるだろう。


■ 原子力はコスト的に選ばれない

 その上で付け加えれば原子力もない話だ。「好き嫌いに関わらず原子力が必要にならざるを得ない」(松田未来)も誤りである。

 CO2削減でもコスト的に選ばれない。簡単に言えばそういうことだ。

 今でも原子力は最高コストの発電様式である。資料や条件によるが安めとしてもざっと天然ガス火力の1.5倍である。

 対して太陽光は今でも天然ガス発電よりも安い。

 将来には蓄電池との組合せでも火力を圧倒すると予想されている。

 この状態で原子力発電の新設はない。当座は太陽光+天然ガスの組み合わせで、将来は太陽光+蓄電池で補う発想となるからだ。

 そして、それでもCO2排出量は減る。太陽光+天然ガスにしても太陽光分はCO2フリーとなるからだ。


■ 「原子力が再び注目」(松田未来)されてもいない

 付け加えれば「原子力が再び注目」(松田未来)されてもいない。エネルギー関連分野のコスト見通しでは原子力はすでに項目から除外され始めている。経済性を持たないことが明らかになっているためだ。コスト見通しで石油火力が問題にされていないように原子力も問題とされなくなっているのである。

 それからすれば次の主張も正しくない。

松田未来 新作「翼駆人アラン第Ⅰ章」発売中!「夜光雲のサリッサ」連載中!@macchiMC72
実は原子力が再び注目され出しているのはエコのためだけではない。安定したエネルギー源としての原子力は、途上国や貧困国の電源ベースとして経済格差を埋める役割が注目されている。ビル・ゲイツの進めている安全性の高い新型炉の開発もその目的がある。そしてそれは巡り巡ってCO2の削減にも繋がる。 
https://twitter.com/macchiMC72/status/1339740377276850178


 そもそも「安定したエネルギー源」(松田未来)を求める発想もなくなっている。天然ガスの埋蔵量は法外であり世界中に分布しておりLNG化でどこにでも運べるようになっている。そして価格も低落している。

 「途上国や貧困国の電源ベースとして経済格差を埋める」(松田未来)役割もエネルギー関連分野では期待されていない。夜間電力ほかはLNGを買えば終わりだからだ。

 これは世界中で原発の新規建設がなくなったことからも窺える。新規なら原子力は選ばない。太陽光と天然ガスとするからだ。今も進んでいる原発整備はすべて以前の計画である。しかもそれも沙汰止みとなる例もでている。日立の英国原発撤退はそれである。

 まずは10年前、15年前の発想である。ピークオイル時代の頭でありフクシマ、シェールガス/オイルですでに廃れた考えである。東芝が左前になり日立が撤退する状況が示すように原子力もう終わりなのである。
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Comment

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騙されやすい人なんでしょうか

まあ政府の言うことが正しい、ネトウヨの言うことが正しいと思い込んで自分で現実を見ないようにしているのでしょうかね?
今や太陽光発電が多すぎて昼間の電力が余りすぎて売電お断りされてたりする時もあるんですが。
しかも何だかんだ言いながらも空き地にいつの間にかできているし。

トヨタの社長も本気で言っているのかどうかわかりませんが、日本を除いても世界の流れが化石燃料車からEVへの切り替えで遠からずそちらが主流に向かうというのに。逆に日本だけが置いてけぼりになる事は考えないのでしょうか?
昼間の電気が余っているなら太陽光発電所でEVのバッテリを充電すればいいと思いますよ。大容量蓄電設備の補完用に。その場合はEVのバッテリがバッテリパックで交換するタイプになっていることが望ましいですが。バッテリスタンドで満充電の電池と空っぽを交換すれば充電時間0です。そういう方式もありますからね。ラジコンカーの電池を入れ替えるようなノリで。その辺の規格策定(或いは先行しデファクト化)に乗り遅れるとまた日本だけ出遅れてしまう事になるんですが、気にしないのでしょうか?規格物を制覇するのに弱いのに今HVで進んでいるから、ちょっと改造すればEVになるからとノンびりしているとあっという間に中国とかテスラに覇権を握られるかもしれないのに。
しばらくはHVでしのげるでしょうけどその先を抑えておかないとそこで終了ですよ。自動車会社から車体供給会社(他社ブランドの車を製造)に衣替えになるかもしれないのに。

ちょっと横道にそれましたが、原発もありえないのは同意です。ビル・ゲイツ式にしてもまだできていないですし、設置や燃料、管理、安全性(使用済み燃料含む)を考えると非常に効率が悪い。それに電力網の発達していない途上国や地域こそ空き地があればすぐに設置できる、高圧送電線が必ずしも必要でない太陽光はじめ再生可能エネルギの方が時間、費用対効果含め良いと思いますがね。
それと価格勝負なら中国原発に勝ち目がないでしょうし将来中国の原発を輸入して喜ぶのでしょうか?国内は三菱以外撤退でGEもWHもアレバも苦しいのに。

どうもインフラが出来上がっている日本に住んでいると従来の物を安易に継承しようとする傾向が高いのでしょうかね?保守的と言うか。

No title

トヨタのアレは「日本自動車業界はEV開発に完全に後れを取り、将来的な巻き返しも困難という見通しの下での逆ギレ」と喝破してる方がいらっしゃいました。
たぶんそういうことなんだと思います。

No title

EVは自動車の安全性以外の動力系では、重電系のほうがノウハウ持ってることは十分ありそうですもんねぇ…
自動車業界が実質的に下請けになったりして…

石油でも石炭でも、大型プラントで熱を回収できる点で、車両単位の内燃機関では熱効率で勝ち目ないんですよね。
なんならCO2回収も出来るし、NOx、MOxの処理もより効率的に行える。
太陽光ならエネルギー源がロハだから、効率が下がってもどうとでもなるし、原子力の置き土産揚水発電もある。

技術の棲み分け

電気自動車の性能及び価格はバッテリーに左右されるところがあって、リチウムやレアメタルの需要が増えれば価格も高騰する。バッテリーのエネルギー密度も液体燃料よりずっと少なく、充電時間が長いので1日に走行可能な距離はバッテリー容量に制限される。
バッテリーの性能が劇的に改善されない限り電気自動車の用途は近距離の移動と小規模輸送に限定される。
長距離若しくは大重量を輸送する必要がある営業車とかトラックでは内燃機関若しくはハイブリッドとせざるを得ないでしょう。
トヨタ本体は軽自動車に参入しないように、電気自動車も傘下のダイハツあたりにやらせるんじゃないかな、そんでもって本体はカローラクラス以上のハイブリッド車のみ生産するとか。

原子力も酸素が無いとか燃料輸送が困難な場面では便利なんですが、同位体電池と軽水炉以上のものが開発されないのが辛いところ、開発しようにも市場がニッチ過ぎて新規参入する奴はいないでしょう。

ゲームチェンジャーはどこにいるか分からない

悪茄子さん、
昔話になりますがレコードやCDが全盛の時にネット配信で音楽を聞くことが一般的になると思ったでしょうか?ポータブル音楽プレーヤーを買う時にかなり悩まいましたが最終的にAppleのiPadにしました。それはiTunes Music Store(現Apple Store)があったからです。動画配信もそうです。レンタルビデオ屋に行く必要が無くなりました。今でもレコードやCD、DVDやBlurayの作品は売られていますが、最早主流とは言えません。マニア向けです。

身近な所では携帯電話がそうです。自動車電話やショルダーバッグ位ある通信量も高い、大きさも大きい携帯電話を誰がポケットに入れてあまつさえインターネットに繋いだりゲームして遊ぶ未来を予想したでしょうか。黒電話や公衆電話ボックスも未だにありますが、主流でしょうか?
まだ黒電話から30年も経っていません。
携帯が普及して20年以上。あっという間に有線電話の地位が落ちましたよね。

個別の要素技術は人知れず進化していっていつしかそれが融合して新しいものに化ける、或いは思いも寄らない進化をする事は良くあります。電池にしてもリチウムイオン電池以降も数限りなく色々な電池や電極材が開発されて出てきており今の電池の数倍の能力のものも珍しくありません。しかし安全性や寿命、コストなどの問題でなかなか取って代われていませんが、そのうちの1つでも実用化され普及すれば状況は一気に変わることもあります。テスラがパナソニックの電池を見限って次世代は自前でバッテリを作ろうとしています。推測ですがバッテリパックで世界を牛耳ろうと考えているのかも知れませんし、新型電池の量産化が見えたからかも知れません。業界標準は先行して普及させたものが有利です。一気に広がり今までの常識がいつ覆るのかそれは直ぐには分かりません。来年いきなりゲームチェンジャーが出現し数年で景色が一変する事も十分考えられますからね。
未来の予測(特に技術)は難しいという事です。

誤字です

AppleのiPad →iPod
あの当時のiPodはモノクロ液晶でHDDでしたけど。
今となっては遠い昔の様な気がします。
調べてみたら買ったのは2003年末でした。
17年も昔なのか17年しか経ってないのか。
iPhoneに買い替えてから12年少々、時が経つのは早いですね(老人モード)。

横道ばかりですいません

自動車業界に迫る電動化ショックを超える衝撃波
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63349

ご参考までに。
自動車業界の当初の目論見より15年ほど前倒しになった事が気に食わなかった模様。ただ欧州のEV化前倒しはどうするつもりだったのだろう?

2年前中国に行ったらEVのバスも走っていたしこの分野でも中国に置いてけぼり?
HVでは先行してもそこから先へは中々進まないですね。
Appleさえ自社でEV車を作って売ろうとか
冗談みたいな話が未だに消えないし。
まあ自動運転+EVが近い将来のトレンドになるんですかね。