RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2012.02
04
CM:2
TB:0
13:00
Category : ミリタリー
 魚雷艇あたりに積む長魚雷は、短くしても構わないんじゃないかな。まあ、ドイツ魚雷が馳走距離に応じて電池を増減しているのをNAVINT※で見つけて思いついたのだけれどもね。



 長魚雷も、短射程で使用するなら電池を減らしてもかまわない。ドイツが使用している長魚雷(Heavyweight Torpedo)、DM2A4では、短射程であれば電池を減らして使用できるようになっている。

 DM2A4は、潜水艦から運用される長魚雷である。商品名として"Seehecht"あるいは"SeaSHARK"。性能は最大全長6.22m、最大重量1530kg、炸薬はPBXで250kg、最大雷速50kt(90km/h)、最大馳走距離50nm(90km)となっている。用途としては、米Mk48、英スピアーフィッシュと同じ仲間である。

 特徴としては、バッテリー駆動であり、電池が増結式となっている点である。このDM2A4は、長射程ではバッテリー4個であるが、極短射程、あるいは航跡追尾や、AUV運用ではバッテリーは1個になる。魚雷はバッテリーの数により、A4無印(4個)、A4-M(3個)、A4-S(2個)、A4-VS(1個)と分類される。航跡追尾式(Wake Homer)は、光ファイバーディスペンサー(ホビン)と、頭部センサー部が省略されており、A4-LC(1個)とされる。機雷でも搭載するのだろうAUVタイプも、ディスペンダーはなく、A4-AUV(1個)と命名されている。

 バッテリーは、相当高価な様子である。長魚雷そのものも高価であり、対艦ミサイルよりも高い。誘導機構、炸薬も高価であるが、動力部分も安くはない。バッテリーで駆動するDM2A4であれば、モータは安価であるが、電池が高くつく。1.8v銀亜鉛電池を86セルでつかい、150vで300kwモータを動かす。最大速力50ktでの馳走距離、25nmから逆算すると150vで2000Ahになる。バッテリー1ユニットが150v500Ahになる。1ユニットあたり、少なくとも邦貨換算1000万円以上はするのだろう。

 短射程と割り切れば、電池式魚雷は安くできる余地がある。長魚雷を最大射程で使うことは、それほどないと思われる。DM2A4は最大50nm、最大速力で25nmである。だが、潜水艦から使用する場合を考慮しても、その距離では、ソーナーで敵が探知できるかわからない。詳しくは「やっぱり魚雷を使うんだろうね」http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-188.htmlで書いたが、洋書で示唆されている限りでは、ソーナー探知できる距離は直接波で約10km程度にすぎない。また、実際にはソーナー探知した水上目標であっても、一度は襲撃用潜望鏡で確認したいだろう。最大速力での最大馳走距離25nmは、過剰性能とも考えられる。



 特に魚雷艇で襲撃的に運用する場合では、長魚雷は短く使って構わないんだろうね。バッテリー1ユニット分、50ktで6nm走れば充分じゃないのかな。昔、スウェーデン魚雷/ミサイル艇が狙ったミサイルと長魚雷による、同時弾着攻撃(TOT)でもなければ、25nm、50nmもの射程は不必要な長さでしょう。魚雷艇であれば、ディスペンサーを通じた音響誘導も不便で、打ち放しか、航跡追尾式で充分だろうね。航跡追尾式DM2A4-LCであれば、全長も3.5m程度になり取回ししやすいだろうね。



※ Jane's Navy International(2005.6) pp.12-16.

※※ 市販されている時計用銀亜鉛電池の能力・単価で割ると、全体で1億8000万円、1ユニット4500万円程度。それほどでないにしても、魚雷全体で2~3億円程度とみれば、バッテリー4ユニットで4000万から8000万くらいはするだろう。

※※※ もちろんUSMで行われるように、魚雷を迂回させて潜水艦位置を掴ませない方法で使うかもしれない。USMの場合は、例えば目標西にいる潜水艦から、ミサイルを南に迂回させ、攻撃潜水艦が南にいる(虚像、phantom)ように見せかけることも行われるらしい。これはHervey,John,Submarines(London,Brasseys,1994)p.131.に図示されている。
スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

魚雷艇は、もう海自にはないし、他の水上艦艇は短魚雷を使ってますから、今後魚雷艇に相当する艦艇を導入した場合への提言でしょうか?

Re: タイトルなし

 いや、長魚雷に関する一般的な話ですよ
 日本の場合、環境に合わないので、もう魚雷艇はつくらないでしょうね。そういえば、北欧もドイツも作っていませんし。

 ただ、魚雷もミサイルと同じで、ジャイロさえ起動してしまえば、どんな艦艇からでも発射可能ですから。艦尾から滑り落としても、フナベリから蹴り落としても使えるんで、映画の『肉弾』みたいな状況ならリバイバルするかもしれませんねえ。
 戦争末期には、どうやったかわかりませんが、大発に魚雷を積んだ根拠地もあったみたいですし。


> 魚雷艇は、もう海自にはないし、他の水上艦艇は短魚雷を使ってますから、今後魚雷艇に相当する艦艇を導入した場合への提言でしょうか?