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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2021.04
18
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12:36
Category : 未分類
 積んどいた『太平洋学報』読んでたら「中国は二酸化炭素を2030年までに抑え込む」とあった。

 これは呉磊さんの「新能源発展対能源転型及地縁青磁影響」の一文である。「2020年9月22日、中国国家主席習近平宣布、中国将在2030年前達到碳峰値、2060年実現碳中和」(呉,69p)と30年以前のピークアウトと60年のカーボンニュートラル達成を宣言している。60年には森林吸収量と排出量を均衡させるとのことである。*

 まずは可能だろう。

 30年までのピークアウトは多分達成される。中国は燃料の天然ガス化を強力に進めている。去年辺りからガス供給が追いつかないので石炭を使わざるをえない見通しも出ている。ただ、並行して二酸化炭素の地下貯蔵での対応を進めるとも言われている。それに適した古い油田もある。圧力を掛けて原油を回収する方法の一環としてもやれる。

 60年代のニュートラル達成も絵空事ではない。中国は世界最大の太陽光輸出国である。生産能力はある。また貴州省では太陽光電力で太陽光設備を作れるようになってきている。風力や太陽光適地も多い。また二酸化炭素吸収でも有利である。いまでも緑化により二酸化炭素吸収料が急速に増えている。南水北調が進めば緑化そのものの面積も増えるだろう

 なによりも意思が強い。「エネルギー転換で先んずれば経済の覇権を握れる」とも考えている。


■ 「グレダさんは中国を叱れ」とか言ってる連中はどんな顔するのかね

 まずは日本とは比べ物にならない。`日本の現状はほぼプラトーである。基本的には増えてもいないが減ってもいない。経済変動で去年減ったくらいだ。そこにガッツリ減らすという意図はない。

 産業界は既存の化石燃料を残すことばかりを主張している。高性能石炭火力で、高性能なガソリン車、ディーゼルで、とかHVとかいっているあたりでまあ駄目。石炭悪者論は効率が悪い欧州の陰謀、EV推進も欧州の陰謀とか後ろ向きな陰謀論ばかりを言っている。

 そして日本だけが無理難題を言われているといって逃避している。中国やインドに甘い、中国の二酸化炭素ガー論者というアレだ。

 それがこの先に中国が二酸化炭素削減をしたらなんというのかね。

 なによりもグレダ・トゥンべりさんは中国をまず叱れのと主張した人たちがその時に何を言うかが興味深いものだよ。

 具体的にはいつもの発言をするセクターの人たちだね。

石井孝明(Ishii Takaaki)@ishiitakaaki
世界最大の温室効果ガス排出国の中国に行かないグレタ 。まさか欧州過激NGOにも、赤いお金が・・・
午後2:36 · 2019年12月7日
https://twitter.com/ishiitakaaki/status/1203186438491136000


moltoke◆Rumia1p@moltoke_Rumia1p
返信先:@ishiitakaaki
そもそもグレダさんの頭の中に排出1位の中国は発展途上国だからなかったという恐るべきバイアスがかかってるので(視野の狭さも欧州過激派NGOのスピーカーならでは
午前9:25 · 2019年12月8日
https://twitter.com/moltoke_Rumia1p/status/1201984588051968001



*   呉磊「新能源発展対能源転型及地縁青磁影響」『太平洋学報』39.1(北京,海洋出版,2021年)pp.62-69.

 

 
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Comment

非公開コメント

ネットにいるいつもの自称科学&軍事クラスターさん達が無様すぎて何回でも笑える。

No title

ぶっちぎりの再エネ導入のトップランナーである中国に文句を垂れる現状の見えなさっぷりがすごいね。
翻って本邦では原発に未練たらたらなので民間も再エネに思い切った投資もできない。こちらのカーボンフリーの達成は望み薄だろう。

中国だったらやりかねない

中国だったらやりかねないと思わせる程
色々な目標ぶったてて推進してやってますもんね。多少遅れたとしてもその方向で猛烈に進む事は間違いないし。
それとCO2排出削減以前の問題としてPM2.5はじめ大気汚染を終息させないといけないですからね。火力を石炭から切り替えているのもその辺の問題もあるのかなと。
あと残る問題は自宅の暖房に石炭から電気か太陽熱のセントラルヒーティングとか他の暖房手段に切り替えて行かないといけないと言うのもあるでしょうね。
一旦政府が動き始めたら早いのが中国のいい所(人の迷惑考えずにですが)。日本じゃできないですね。

グレタさんにつっかかる連中もケツの穴の小さい事。中国でもグレタでも文句あるなら直接言えばいいものを。
その程度でグジグジ言ってるからダメなんでしょうね。
結局10年後位に中国がCO2排出量で下降線を見せても捏造だで乗りきりそう。
2060年になってもそんな筈が無いで乗り切りそう。
知りたく無い事実には目を伏せて捏造と吠えるだけで十分満たされるのかと。
日本には良くやっていると謎のエール。
或いはボロカスに政府叩きか。多分両方でしょう。今のコロナ禍の状況を見ると何となく想像できます。

それはともかく電力含め排出削減をどうするのかと言う問題は残りますが。
水素といいアンモニアといいCO2出しながら精製と言うのが何とも。しかも外国で。
本当なら昨年のコロナ禍前、遅くともGW明けた頃には安倍が菅の言った事を言うべきでしたが、次世代は原子力復活、それと自分が悪者になる事を言いたくなかったのでしょうね。色々取り組みが遅いです。

環境問題に対応することが経済成長に繋がるってことが理解できない人たちが多いのが不思議

No title

直近では佐川のEV導入なんかが、このエントリの趣旨が現れたと見ることもできそうですね。ストレートにこのまま行くとは限らないですが、既に中国の方が日本より先行しつつある分野も少なくないことを伺わせると思います。

中国発の公害で一番苦しんでる当事者は中国人という考え方もできますし、公害抑制で良い成績を残すことは中国の現政権の立場をより強化する効果も見込まれる。そこも「意思が強い」原因でしょうね。

それに、だいたい中国(を含めた新興国)の公害が酷くなったのは先進国の資本が進出したせいもあるわけで、中国が悪いで思考停止してる人ってそこも全然考えてないですよね。

日本企業に委託しない事の意味を理解してないようで

「直近では佐川のEV導入なんかが、このエントリの趣旨が現れたと見ることもできそうですね。」
最初中国にやられたとギャーギャー騒いでいたら日本企業からの委託生産と聞いて一転所詮は
下請けみたいな見下しをしています。
色々な記事を見ると分かるのですがこの企業は最初から中国の自動車メーカ4社しか見ていないことです。
日本の自動車メーカの門をたたく気が最初から無かった事が大きな問題だと思わないんでしょうね。
しかも軽自動車と言う日本固有の規格なのに中国の会社に委託したほうがマシと思われているのがなんとも。価格だけでなく他の面でも遜色ないと判断したのでしょう。それプラスEVで。
日本の企業からもそう思われている時点で日本車は結構危うい立場になっているとも見えます。

今日本が中国より進んでいる分野何があるんでしょうね?少なくとも先進的な分野ではもう分かりません。置いていかれた分野のほうが多いでしょう。基礎研究の分野でも日本は落ちぶれて来ているので現時点ではどうなのか。
遠からず全ての面で追い越されるでしょうね。
でネトウヨはノーベル賞の数が~に逃げる訳です。2,30年後はどうなっている事か。

No title

暖房や自動車にかぎって言えば、自然災害大国であり冬場の寒さがそれなりに厳しい日本においては
その石油燃料離れをむやみと加速させるのはちょっとどうなんだろう、という意見もあります。

東日本大震災の発生後の状況を思い起こせば
日常生活から石油燃料を捨て去り電気に「のみ」依存するのは非常に危険だと個人的には思います。
熱エネルギー原としての石油をいつでも手軽に使えるようにしておくのは
大ゲサですが「暮らしの中の安全保障」とすらいえるんじゃないかと。

No title

東京23区であれば電車で移動が完結出来ますから
エンジン車の乗り入れ禁止はすぐに出来るはずですけどね。