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- » 2023 . 03
Category : ミリタリー
10式戦車を導入しても、抑止力はほとんど増えません。
日本本土への侵攻を躊躇わせる抑止力は、経済力、日米同盟と海空軍力がほとんどですよ。戦車の質による抑止力は問題にならないほど小さい。しかも90式戦車が10式戦車に変わっても、ミクロで微増するだけで、マクロに、全体を見ても何も変わりませんね。
まず、日本本土に侵攻しようと考える国はありません。周辺国を見ても、北朝鮮を除きすべての国、地域と日本は友好関係にある。離島での領有権、交流関係深化による摩擦といった、多少の対立はありますが、戦争に繋がるような対立はありません。
クローズアップされる中国との競争も、外交や海軍力競争であり、ゲームにすぎません。どちらも問題を大きくするつもりはない。尖閣諸島をめぐる応酬も、両国とも拡大防止に意を砕いている。あの中国にしても、ナショナリズムを抑制しようとしている。全面的な対立に結びつくようなものではないのです。
周辺国は、日本との全面戦争は望みません。対日線は経済的困難を伴います。日米同盟もある。そして、日本は地域屈指の軍事力を持っている。
日本との全面戦争は、経済的困難を伴います。
日本、その背後にいる米国を敵にまわすことは、交易困難を伴います。
中国脅威論が流行りですので中国を例に挙げますが、中国GDP6兆ドルに対して、輸出が1.6兆ドル、輸入が1.4兆ドル、輸出入合計して3兆ドルあります。中国の輸出先で、日米は4000億円を占め、輸入先としても3000億を占める。また対中投資でも日米が占める割合は大きい。香港からの投資を除き、対中投資額は2011年実績で300億ドルですが、そのうち日米が占める割合は100億ドルと1/3を超えています。
また、海軍力に長じる日米を敵にまわすことにより、海路による交易が途絶えてしまう。日米以外との輸出入も止まることになります。
日本との全面戦争は、アメリカとの対立も覚悟しなければなりません。周辺国には、少なくとも外洋域で日米同盟に対抗できる戦力は存在しません。質的要素も加味すれば、日米同盟はロシア・中国のの10~20倍の外洋戦力(圧倒的な日米同盟)を持っています。日本本土への侵攻どころか、日米により沿岸域に閉じ込められ、沿海地域への攻撃をおそれなければなりません。
日米同盟を除外しても、周辺国は地域屈指の日本軍事力を圧倒できません。日本本土への侵攻は事実上無理ゲーです。戦後レジュームで、日本人は「専守防衛のための軽武装」であると考えがちですが、日本が持つ海軍力、海自と海保はあまりにも強力です。駆逐艦以上の軍艦を比べても、日本は48隻を保有していますが、ロシアは8隻、中国は13隻に過ぎない。潜水艦、哨戒機、艦載ヘリ…何れも日本が圧倒しています。また、空軍力にしても、昭和50年代から、空自は脚の長い最新鋭機を導入しています。国内や沿岸では、空自機はJADGEにより高度に管制され、侵入機に対して優位に立てます。外洋であっても、AWACSを主力とする早期警戒機により優位な戦闘が可能になっています。
経済的理由、日米同盟、海空自衛隊が持つ軍事力、周辺国が日本との全面戦争を決することは考え難いですし、日本本土に侵攻することはできません。
抑止力としての陸軍力には、あまり力をそそぐ必要もありません。陸軍力によって抑止される以前に、経済、同盟、海空軍力により抑止され、日本本土への侵攻は封止されています。その陸軍力のごく一部である戦車、その質が担う抑止力は、毛の先ほどもありません。抑止力全体を100としても、1に満たないでしょう。
その戦車が、90式戦車から10式戦車に変わったとしても、抑止力云々は何も変わりません。90式戦車も10式戦車も同じようなものです。フェアレディZをGT-Rに乗り換えた程度に過ぎません。日常的に道路を走る分には、別に速い遅いもありません。10式戦車になって増えた抑止力なんてものは、頭の髪の毛を数えて、その一本の毛先が太くなった程度にすぎないのです。
陸軍力は、力の真空を作らない程度で充分でしょう。海空軍力は、インド洋でも使える、国際貢献にも使える。対して、陸軍力、今の陸上自衛隊は、本土決戦に特化しているので、より重要度が増す海外での活動には使い難い。まず、陸上自衛隊に予算をつぎ込んでも、しかも本土決戦準備に予算を投入してもリターンは見込めません。もちろん、災害時等に国家が直轄投入できる人的資源としては重要ですけどね。でも、戦車はありさえすればいいんじゃないですかね。
日本本土への侵攻を躊躇わせる抑止力は、経済力、日米同盟と海空軍力がほとんどですよ。戦車の質による抑止力は問題にならないほど小さい。しかも90式戦車が10式戦車に変わっても、ミクロで微増するだけで、マクロに、全体を見ても何も変わりませんね。
まず、日本本土に侵攻しようと考える国はありません。周辺国を見ても、北朝鮮を除きすべての国、地域と日本は友好関係にある。離島での領有権、交流関係深化による摩擦といった、多少の対立はありますが、戦争に繋がるような対立はありません。
クローズアップされる中国との競争も、外交や海軍力競争であり、ゲームにすぎません。どちらも問題を大きくするつもりはない。尖閣諸島をめぐる応酬も、両国とも拡大防止に意を砕いている。あの中国にしても、ナショナリズムを抑制しようとしている。全面的な対立に結びつくようなものではないのです。
周辺国は、日本との全面戦争は望みません。対日線は経済的困難を伴います。日米同盟もある。そして、日本は地域屈指の軍事力を持っている。
日本との全面戦争は、経済的困難を伴います。
日本、その背後にいる米国を敵にまわすことは、交易困難を伴います。
中国脅威論が流行りですので中国を例に挙げますが、中国GDP6兆ドルに対して、輸出が1.6兆ドル、輸入が1.4兆ドル、輸出入合計して3兆ドルあります。中国の輸出先で、日米は4000億円を占め、輸入先としても3000億を占める。また対中投資でも日米が占める割合は大きい。香港からの投資を除き、対中投資額は2011年実績で300億ドルですが、そのうち日米が占める割合は100億ドルと1/3を超えています。
また、海軍力に長じる日米を敵にまわすことにより、海路による交易が途絶えてしまう。日米以外との輸出入も止まることになります。
日本との全面戦争は、アメリカとの対立も覚悟しなければなりません。周辺国には、少なくとも外洋域で日米同盟に対抗できる戦力は存在しません。質的要素も加味すれば、日米同盟はロシア・中国のの10~20倍の外洋戦力(圧倒的な日米同盟)を持っています。日本本土への侵攻どころか、日米により沿岸域に閉じ込められ、沿海地域への攻撃をおそれなければなりません。
日米同盟を除外しても、周辺国は地域屈指の日本軍事力を圧倒できません。日本本土への侵攻は事実上無理ゲーです。戦後レジュームで、日本人は「専守防衛のための軽武装」であると考えがちですが、日本が持つ海軍力、海自と海保はあまりにも強力です。駆逐艦以上の軍艦を比べても、日本は48隻を保有していますが、ロシアは8隻、中国は13隻に過ぎない。潜水艦、哨戒機、艦載ヘリ…何れも日本が圧倒しています。また、空軍力にしても、昭和50年代から、空自は脚の長い最新鋭機を導入しています。国内や沿岸では、空自機はJADGEにより高度に管制され、侵入機に対して優位に立てます。外洋であっても、AWACSを主力とする早期警戒機により優位な戦闘が可能になっています。
経済的理由、日米同盟、海空自衛隊が持つ軍事力、周辺国が日本との全面戦争を決することは考え難いですし、日本本土に侵攻することはできません。
抑止力としての陸軍力には、あまり力をそそぐ必要もありません。陸軍力によって抑止される以前に、経済、同盟、海空軍力により抑止され、日本本土への侵攻は封止されています。その陸軍力のごく一部である戦車、その質が担う抑止力は、毛の先ほどもありません。抑止力全体を100としても、1に満たないでしょう。
その戦車が、90式戦車から10式戦車に変わったとしても、抑止力云々は何も変わりません。90式戦車も10式戦車も同じようなものです。フェアレディZをGT-Rに乗り換えた程度に過ぎません。日常的に道路を走る分には、別に速い遅いもありません。10式戦車になって増えた抑止力なんてものは、頭の髪の毛を数えて、その一本の毛先が太くなった程度にすぎないのです。
陸軍力は、力の真空を作らない程度で充分でしょう。海空軍力は、インド洋でも使える、国際貢献にも使える。対して、陸軍力、今の陸上自衛隊は、本土決戦に特化しているので、より重要度が増す海外での活動には使い難い。まず、陸上自衛隊に予算をつぎ込んでも、しかも本土決戦準備に予算を投入してもリターンは見込めません。もちろん、災害時等に国家が直轄投入できる人的資源としては重要ですけどね。でも、戦車はありさえすればいいんじゃないですかね。
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Comment
22:38
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戦車の調達や維持のコストなんて防衛費の1%にも満たないですし、そもそもここ10年は海は陸や空より装備費で優遇されてますし
あと、どうでもいいことですが
>駆逐艦以上~日本は48隻~中国は13隻
あさぎり型以前の比較的小さなDD(中国の新型フリゲートと同規模)を省けば差は更に縮まるのでは?
Re: タイトルなし
19:48
文谷数重
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なんにせよ、趣旨は新戦車によってもたらされる抑止力は無視できるということです。
その点に異存はないわけでしょうから、それでよろしいのではないかと
で、コメントいただいた
>古くなったから買い換える
ですが
防衛費削減で、優先順位の高い護衛艦(潜水艦も哨戒機・ヘリもですね)も戦闘機も延命している時代に、優先順位が低い戦車を更新する必要はあるのか? という疑問に行き当たると思いますよ。
性能的にも、今ある戦車で充分ですから。
> あと、どうでもいいことですが
> >駆逐艦以上~日本は48隻~中国は13隻
> あさぎり型以前の比較的小さなDD(中国の新型フリゲートと同規模)を省けば差は更に縮まるのでは?
まあ、外洋戦力ということで、駆逐艦で計算してますからね。
ただ、数に加えて質も加味すれば、日本優位は動きません。端的に言って、中国にモノホンのイージスはないでしょう。哨戒機とか艦載ヘリ、システムといったものを見なければいけません。
機械の質だけではなく、練度、ノウハウ、後方支援を加味すれば日中の差はさらに広がりますよ。
No title
17:13
釣り人見習い
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74式→10式のアップデートには十分意味があるように思います。
Re: No title
18:34
文谷数重
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10式にアップデートするまでの意味もないでしょう
抑止力としては、ほとんど意味もないですね
> 本土の大半は第二世代の74式なのでは?
> 74式→10式のアップデートには十分意味があるように思います。
No title
18:54
!
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敵が日本に上陸する場合、戦車を揚陸させるのは当たり前
それも日本の戦車の倍は確実に用意しないと話になりません
1000両以上の戦車を日本に送るには兵站が圧迫されます、日本への海上輸送なんて自殺行為
つまり敵は日本に兵を送るのを諦めるということです
戦車は存在するだけで敵の補給を食いつぶすありがたい存在なんです
No title
19:41
釣り人見習い
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傍から見れば非常識極まりない勝算のない軍事行動も、
起こりうると考えるべきではないでしょうか。
更に、日本は専守防衛を掲げているために、
相手の先制攻撃を許さざるを得ないという不利もあります。
海上自衛隊の技量と熱意を疑うつもりは毛頭ありませんが、
物事に絶対はありません。万が一の危険性を考えれば、
本土に敵が上陸してくることはない、という前提は
立てるべきではないと思います。
No title
23:16
釣り人見習い
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のような希望を持たせることは、相手に博打を打つ
目を与えてしまうという意味で、避けるべきとも思います。
哨戒、洋上阻止、水際、着上陸後の反攻と、防衛構想は
多段のセイフティあってこそのものだと思います。
無論、重視すべき要素にもてるリソースを傾斜配分
することは必要だとは思いますが、防御のひとつの
段階のみに注力し、他の段階を蔑ろにすることは、
かえって防衛力を弱める結果になるのではないか、
と思います。
八八艦隊ver
18:53
艦隊派w
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アメリカが日本に攻めてくる場合、大艦隊で攻めてくるのは当たり前
それも日本の主力艦と同じ数は用意しないと話になりません
アメリカと同じ数の主力艦、最低でも対米7割準備できないと艦隊決戦に負けてしまう自殺行為
つまり日本が滅亡してしまうのです
戦艦が存在しないと日本は破滅するのです、財政?予算の都合だけで国防が成立すると思ってんのか、阿呆が。