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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2012.02
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Category : 未分類
 香港の雑誌『鏡報』2月号に、殲-15に関する記事が出ている。梁天仞さんの「中国『飛鯊』問鼎亜太」※ は、艦載機となる殲-15に関して述べている。件の中華航母で殲-15を用いた離着艦試験が終了したことから記事は始まるのだが、国産艦載機である殲-15に関して過剰な思い入れを見ることができる。

 梁さんは、殲-15はSu-33に対して優位に立つとしている。根拠としては3点を挙げている。まず、ASEAレーダを搭載している点である。次に航続距離が長い点である。最後に米艦載機F-18・米日台が保有するF-16に対抗できる点である。ただし、この最後の点は、Su-33に対する優位ではなく、また殲-15だけがF-18・F-16に対抗しうるとする理由は示されていない。

 Su-33と殲-15を比較して、後者が優れていることを主張することに意味はない。Su-33は20年前に製造された。そのSu-33を元に作った殲-15を比較して、新しい後者が前者よりも優れることを主張しても、新味はない。そもそも、両者は同じ機体である。

 国産機であるため目が曇ったのである。梁さんも、優位性を示したくなるわけだ。殲-15だけを褒めるのは、中国人としての身びいきである。殲-15もSu-33も、原型であるSu-27にもほとんど差はない。これらの機体は「他人が見れば同じお多福」で、似た様なものだ。

 その些細な差異を見つけ出して賞賛するのは、国民であり、当事者だからだ。梁さんは、些細な点を挙げて殲-15を賞賛している。曰く、AESAレーダを積んでいる。ロシアより優れた複合素材技術により、軽量化され、脚も伸びた。米国「防務新聞」でF-18並であると高く評価された。こういった点を誇らしげに述べている。

 しかし、その根拠は、おおむね憶測によるものである。AESAは搭載しているだろうが、その性能は未知数である。形状はそうなっているかもしれないが、何が出来るかは分からない。機体軽量化にしても、それが本当かはわからないし、強度上の問題も定かではない。米国「防務新聞」云々は、単なる舶来権威に過ぎない。

 当事者からすれば、冷静に見られないのだろうね。

 まあ、日本人にしても偉そうなことも言えない。F-16と大差のないF-2※※や、90式戦車と変わり映えもしない10式戦車を、些細な差異を見つけて賞賛する人も多い。しかし、ミクロでの差異を挙げるが、実用上ではほとんど無視出来る話ばかりである。他を圧するほどの質的優位を明示できないところも、同じようなものだ。

 分かっていてではなく、本気で国産兵器を褒めるというのは、多くは盲目状態なんだろう。エア当事者だからね。まあ、技術的成果とやらに目が眩み、どーでもいい部分を捨象できないのだろうね。



※ 梁天仞「中国『飛鯊』問鼎亜太」『鏡報』415(香港、鏡報文化企業有限公司、2012.2)pp.87-90.

※※ F-2はF-16原型に較べれば、開発時期で20年差があるわけだ。F-16からF-2への発展は、Su-33から殲-15程度の能力向上はあるだろうけどね。でも、結局はF-16と大差はない、同じと見て良い。今様の、ハンプバック風になった新型F-16とF-2には差もないでしょ。あと、対艦ミサイル4発をヨイショしていたけど、先行していたバッカニアもトーネードも4発搭載を実現している。対艦ミサイルは概ね1発500kg程度(ARHであれば、200kg代後半からある)と軽く、戦後の飛行機なら4発搭載は難しいものでもない。そんなにエライものでもないよね。
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10式って軍事系の雑誌でこき下ろされていませんか?