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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2022.04
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Category : 未分類
 『劇画毛沢東伝』を読み直した。多分、高校生の時分に最初に読んだのだが今回は藤子不二雄A名義の復刻版の方となった。

 マンガは党内権力闘争の勝利で実質終わりとなっている。最初と最後が新中国成立なのだが、それ以外は誕生から党内でヘゲモニーを握るまでの話となっている。

 その本質も農民重視の部分であり都市・労働者を重視するソ連派やコミンテルンとの対立や連中との派閥闘争に置かれている。長征の話もその文脈に置かれている。

 コレ、種本が文革なかでも四人組サイドの毛沢東崇拝モノだったせいではないかね。実務派との闘争を最優先した形であるからだ。日本との戦いはなく国民党との戦いもあんまし描写されていない。国民党や蒋介石よりも、農村での遊撃戦をやらない当時の党中央を批判する中身になっている。

 そのあたりが今の中国の毛沢東モノあるいは革命モノと違っている。文革期かつ四人組側の毛沢東伝になっているわけだ。


■ 指導者毛沢東の来歴がない

 また、高校生当時の、三〇年前に読んだときの違和感の原因でもある。

 指導者毛沢東の来歴がない。国民党との戦い、日本帝国主義との戦い、再び国民党や米国との戦い、人民志願軍、中ソ対立、米中正常化、日中国交正常化といった戦争指導や国家指導そのものがないことに違和感を抱いていたというわけだ。

 今から見ても、もの足りない。毛沢東の戦争指導や戦略的選択は面白いことこの上ない。それにふれていないからだ。

 まず勢力涵養を最優先した。農地解放をすれば農民は共産党を支持する。捕虜を取って厚遇すれば社会に矛盾を感じている兵隊は解放軍に参加する。そうすれば少なくとも国民党やあるいは日本には負けない。そうやって国共内戦や抗日戦でも力を伸ばしてきた。

 戦闘の指導も現地指揮官に全面委任した。

 毛沢東は戦後の国共内戦、新中国では解放戦争では大胆に権限を移譲した。「緊急時は指揮官は臨機の措置をとれ、延安の中央軍委の判断を仰ぐ必要はない」と明示している。共産党や中央統制式の軍隊とは思えない内容だ。だから現場の判断で最善の行動がとれた。

 対して蒋介石はなんでも自分でやった。航空機で上空から視察したあとで現地指揮官に「防御線はここからこのように引け」とやった。将星もそれに唯唯諾諾と従った。こっちのほうが共産党式である。実際に国民党の政治体制や軍隊統治はソ連共産党式、しかもレーニズムそのものであった。そして指揮官は総統指示に馬鹿正直に従って水もないし塹壕も掘れない岩場に部隊が展開して大敗北といった事態が生じた。

 この勢力涵養と戦闘指導でついに解放戦争での大勝利と新中国成立をに至ったのである。

 それがないのがねえ。やはり物足りない部分であるものだよ。
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日中戦争とか国民党なんかやると、天皇ファンやら蒋介石ファンやらめんどくさいのが沸くから描いてないのかと思ってましたw

国共内戦と抗日戦争のシーンがない毛沢東の史伝って、明智光秀が主人公なのに丹波攻めや山崎の戦いをカットした某大河ドラマより味気なさそう。