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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.04
12
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Category : ミリタリー
 ここ10年あまり、陸自は離島防衛に積極的である。杞憂に近い本土への着上陸に比べ、離島防衛はリアルな問題である。実際に、着上陸の脅威を訴えても陸自は生き残ることはできない。対して、離島防衛は必要性をアピールしやすい。日本本土での大規模陸戦への準備に予算を投じるよりも、よほど健全である。

 しかし、離島防衛でも、あまり陸自は出番がない。離島防衛も結局は海空主体である。陸自全体の存在価値を示せるほどの任務ではない。あまり陸自には出番はない。

 島嶼は、陸上戦力だけでは保持できない。実際に、太平洋戦争で陸軍による離島防衛で成功した試しもない。日本が海戦で敗退し、海軍力が後退した後に取り残された島は、攻略されれば陥落している。なるほど、硫黄島で米海兵隊に大損害を与えた例もあるが、結局は陥落している。

 海戦空戦で負けたあとに、陸戦で云々しても始まらない。離島も本土での戦闘もそうだけれども、戦闘で多少勝利したとしても、海空で閉塞されたら戦争には勝てない。陸上戦力で上陸部隊を撃破できると豪語したところで、敵が上陸しなければ始まらない。逆に勝ち目があっても、海上封鎖されてしまえば、そのうち餓え死にしてしまう。

 離島防衛で必要な陸上戦力は、比較的小規模にとどまる。大戦力をおいても海空戦で敗北すれば無意味である。逆に海空戦で勝利すれば、陸上戦力は小規模でよい。兵力の真空地帯を作らない、少数に限定される潜搬入を阻止できる程度で充分ということだ。

 島嶼防衛での陸自所要は、歩兵主体で中隊・大隊にすぎない。具体的には、一つの島に中隊程度、大きくても大隊規模である。仮に師団規模の戦力をおいて、築城をしても、海空戦力が敗退すれば、結局は島嶼は保持できない。硫黄島のように伝説だけを作って終わりになる。そもそも、スキップされたら意味もないわけだ。

 もちろん、取られたら本当に困るような島であれば、大規模戦力を展開してもよい。戦争中の内南洋、サイパンやグアム、沖縄本島のように死活的な価値をもつ島なら、陸上戦力を注ぎ込んでもよい。しかし、今の日本にとって、そのような島は沖縄本島程度しかない。しかし、それ以外の島には、戦争になっても大挙して侵攻してくるものでもない。とりあえず配置しました程度が妥当だろう。

 離島防衛の主体は、結局は海空戦力である。それほど陸自には出番はない。空白地帯を作らないこと、警戒・警備程度ができれば充分である。あとは、沿岸砲兵的に、SSMでも置けば、そこそこの拒否水面を設定できるかも知れない。(もちろん、迂回されたら終わりになる)

 陸自が離島防衛に積極的であることは、健全である。本土着上陸に備えることに比べれば、よほど有意義である。

 しかし、離島防衛だけでは、陸自を生き残らせるアピールにはならない。陸自が今ある予算、人員、器材を維持するためには、やはり別の任務を前に出さなければならない。おそらく、それは「国際貢献」である。はっきり言えば、外征への準備と、実績となるだろう。
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