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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.04
11
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Category : ミリタリー
 付け加えれば、あとはセイコーかな。今、ソニーはエライ目にあっているけどね。



 旧日本軍は、占領地では、軍票で支払とした。別に「円で支払いをした」と考えてもよい。
 しかし、支払いを受けた占領地市民は、それで何も買えない。昭和15年の2600年記念行事で椀飯振舞してから、日本にはモノがない。戦時体制で民需は圧迫されている。占領地に輸出できるような雑貨はない。わずかにあっても粗悪品にすぎない。

 これは、冷戦期に日本がソ連に占領された状態をイメージすれば、理解しやすい。当時の極東ソ連にそのような力はないのだが。たとえ話として考えて欲しい。
 日本がソ連に占領されたとする。ソ連軍が軍票を乱発する。市民の自動車、仮にトヨタのクラウン、ニコンF3(ソ連時代だから)を強制買付される。一応、日本円換算額よりも、公定レートよりも高いルーブルが支払われる。
 しかし、ソ連の軍票では、何も買えない。
 ソ連軍にクラウンを取られる。代価の軍票で買えるのが、東独のトラバント(実際に日本まで運ぶ余力もないだろうが)では納得しないだろう。ソ連軍にF3を取られて、その支払いで買えるのが、コンタックスコピーのキエフでは、腹も立つ。
 買付けに対して売り惜しみもしようというものだ。

 これが、日本占領地の軍票経済、民政である。軍票と引き換えられる、輸出商品が日本には無かった。 実際に、日本から占領地に向かう貨物船に積むものは、軍需品や日本向け移送資源採掘用のプラントである。
 実際に、日本軍票の価値裏付は、日本から移出した貴金属や、特別円(借款)による信用しかない。雑貨品は日本から輸出する余力はない。せいぜい現地で鍋釜・剃刀・石鹸の類を作り、それを軍票引き換えで売る。または専売物品として、煙草・酒・塩・樟脳・あるいは阿片を売るのが関の山である。

 日本にとって痛いのが、羨望の的の日本製商品、キラーコンテンツ?がないことである。当時、日本に魅力的な製品があれば、軍票経済という面で、占領地経営は随分うまくいっただろう。ホンダのカブ、ソニーのトランジスタラジオ、あとはセイコーの高品質腕時計でもあれば随分円滑な民生運営ができたはずだ。(全部、歴史のフライングだけど)
 占領地の人々が欲しがるような雑貨品でもあればね。当時の現実からして、少なくとも自転車とか医薬品とか映画等の娯楽、衣類装身具、威信財を輸出する能力があれば、軍票と民生安定の兼ね合いは取れたかもしれない。
 しかし、当時の軍国日本、国家総動員体制では、それらの製品は逼迫しており、充分な数の輸出はできなかったのである。 だから、日本の軍票には売り惜しみがみられた。

 日本軍は好感情で迎えられなかった理由は、軍票で巻き上げたことも一因である。その軍票で何も買えないことが原因である。



 そして、対して、アメリカは何でも持っていたわけだ。大はエアコンや自動車、ありがたいのは抗生物質、さらに小はコーラやチューインガムまで、魅力的な品揃えがあった。米軍にも粗暴な振る舞いをする兵隊がいたが、軍票やドルに信用があった。だから嫌われるにしても、それほど極端でもなかったのだろう。

2006年06月26日MIXI日記より
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