RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2012.04
14
CM:0
TB:0
13:00
Category : ミリタリー
 米海軍が建造したLCS(沿岸戦闘艦)は、高い割に使い道に欠けるんじゃないかね。



 プロシーディングスの最新版に、汎用水上戦闘艦を求める投稿が掲載されている。投稿者は、Schliseさんで、題はShooting for the Middle※である。ペリー級が果たしていたような役割を果たせる水上戦闘艦が必要であると訴える内容である。

 投稿は、LCSは力不足とする前提である。SchliseさんはLCSそのものを否定してはいない。しかし、LCSはローエンドで多用される構想であるとしながらも、その上にミディアム・エンドが必要であると主張している。これは、LCSでは種々ある海軍作戦に力不足であると見做していることを示している。
 また、SchliseさんはLCSでは能力不足である部分に焦点をあてている。具体的には防空戦と対水上戦機能である。また、対地攻撃に関する重要性も指摘している。
 そして、退役しつつあるペリー級を高く評価している。ペリー級は明確にローエンドであったが、LCSにはない強力な対空戦闘能力を持ち、それなりの対水上戦能力を保有していた。

 投稿から伺えるのは、LCSを評価しない姿勢である。なにより、CSよりも古いペリー級を評価し、ペリー級後継となるミディアム・エンドを必要と主張している。これは、LCSへの不満足を示すものである。

 LCSは満足できる艦艇ではないのだろう。
 LCSにできることは中途半端である。LCSは特に哨戒、対機雷戦、特殊部隊潜入が任務として挙げられている。しかし、哨戒はヘリを搭載する艦艇であれば新旧を問わず遂行可能である。対機雷戦は、LCSでできることは限られる。いろいろギミックを考えているようだが、限界がある。専門とする掃討艇には劣る。極低速で自由に移動でき、対機雷専用ソーナー運用を前提にした掃討艇には太刀打ちできない。特殊部隊潜入はステルス性を活かそうとするものである。だが、ステルス性であればLCSは潜水艦に劣る。高速力にしても、ヘリには到底かなわない。
 その上、LCSは高くて数も揃わない。建造費用、運用経費とも高価である。45kt以上と、無駄に高速力を追求したため、機関は大きくなった。当然、建造費用も運用経費も高くなった。
 そして、LCS以前のペリー級よりも、防空戦と対水上戦に劣っているのである。

 LCSを評価しない姿勢は、投稿中にある私案でも明らかである。私案としてミディアム・エンドへの要求項目が挙げられている。項目を逐一あげるものではない。だが、そこで高速力は要求されていない点は注視すべきである。ミディアム・エンドに必要な最高速力は「28kt+」とされている。これはLCSが達成した45kt+への皮肉である。



 まあ、LCSで何ができるか。その値段と比較すると否定的にもなるでしょうね。しかも、価格高騰で数が揃うかもわからない。運用には経費を要する割には、LCSでなければならない要素もない。実際、ペリー級のほうがマシなんだろう。まずは、LCSはお荷物になっているんじゃないかな。


※Schlise,Chuck Shooting for the Middle(Proceedings,2012.4)p.p.64-67
スポンサーサイト

Comment

非公開コメント