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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.05
30
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13:00
Category : ミリタリー
 海自の学生が作る試験対策等を「申し送り」という。学生は申し送り作りに精を出し、秘密の類まで悉皆書きこむ。昔は、手で筆写していたので他所に漏れることも少なかった。しかし、当節はコピーのし放題。しかもいつの間にやらデジタル化されたのでなので、秘密は駄々漏れになってしまう。

 自衛隊内学校の試験は模範解答の丸暗記。試験問題は秘密にされているが、学生側で作った申し送りが出回っている。そもそも試験問題・用紙も2種類、よくても3種類しかない。前の課程で出た問題用紙がタイプAなら、次の過程はタイプBがでる。教官課程の教官をやってた己が言うのも何だけど、筆記試験には何の分別力もない。

 逆に、回答集を見ないと、試験によっては赤点を撮りまくる。己は幹部中級の時、面白半分で申し送り・問題集なしで試験を受けてみた。「別に序列最低でも困らない」と考えてのことだけれども。授業でやった内容をなぞる問題ならば、特に赤点はとらないで済んだ。でも、数字を丸暗記させる問題は盛大に赤点を取りまくったよ。

 特に陸警※ が数字丸暗記問題だった。「中隊本部の編制をすべて述べよ」「海上自衛隊での陸戦分隊定数は」みたいな丸暗記問題が連続でね。これは秘密でもないから書けるけど、中隊は3単位で、本部には中隊長と副中隊長、中隊海曹と係が何人か。その係の名前を正確に書けとかねえ。小隊も3ヶ分隊+機関銃分隊(たしか)なんだが、陸戦中隊なんて臨時に編成される。分隊人数が定数通りになるもんか。

 陸警は、数字丸暗記問題ばかりだから、漠然と正しい回答はダメだった。申し送り持っていないから、適当に係をでっち上げたり、分隊人数を8人から12人程度の適当な人数かいといたんだが、それだと赤点になる。まあ「機関銃(BARとかM1919ね)の数にあわせて分隊作るだろ」と考えていたから、真面目に数字を覚えてなかったからねえ。でも逆に、中隊本部の編制、分隊の定数を暗記しておけば、機関銃操作に要する人数とか想像できない学生でもOKになる仕組。

 赤点とったあとで、陸警の課程主任や科長も困っていたよ。後で教官やって分かったのだけれども、再試験は面倒ごと。再試験そのものも厄介だけれども、成績報告で学校長(将補)や部長連(だいたい1佐)から「キチンと教えたのか」「授業方法に問題があるのではないか」と絞られる。申し訳ないことをしたものだ。

 不健全な申し送りが生き残っているのは、こういった背景がある。教官も試験で躓かれるのが嫌だから、見て見ぬふり。学校長以下も、昔自分が利用しているので承知。しかし、申し送り問題集がないと学校の実績も落ちるので、口にはできない。修業した学生に問題がないのに、寝た子を起こすこともないとする考え。学校も人手不足が著しい、解決しなければならない問題も山積している。後ろ向きな問題に対処する余裕もない。

 申し送り回答集には弊害が大きい。回答集の回答しか覚えない、試験問題もまともに読まないといった問題はまだ可愛い方。申し送り回答集に、解説として、一種データベースがついていることがある。エリート課程の◯◯課程は、表紙が赤い本を勝手に電子化して渡していた。◯◯綱領や◯◯に関するデータなのだが、それをCD-ROMで申し送る。その中に、件のイージス関連情報があったらしい。

 コピー厳禁の秘密を申し送るのは、試験に対応だが、そんなものを持っているから情報が漏洩する。海曹士まで伝播したのは、イージス関連情報・技術も入っていたためだろう。勉強熱心な海曹に渡すことはあり得る。ただ、一回海曹まで下がれば、エロデータと一緒に無関係な職域まで出廻ることになる。関係ない職域なのにイージス関連情報を持っていた海曹士連は、◯◯要綱や◯◯に関するデータまで持っていたのだろう。なんにしても、◯◯綱領なんかどうでもいい内容なんだけれども。電子戦とか対潜戦とか通信とかのリアルな内容はマズイね。

 分別力のない試験のために作ったデータというのが情けない。何クラスか後、例の事件があって、芋づる式に調査が行われた。己は不浄CD-ROMは貰わなかったのが怪我の功名だった。「申し送り・問題集があったことは知っている。しかし、そんなものを持っていたら、あの成績はないだろう」と答えたら、すぐに放免された。聞き取り調査も一回だけで済んだよ。

 中級当時は、赤点王としてアレな課程主任に説教を受けたけどね。「何故、回答集を読んで丸暗記しない」って怒鳴られたよ。CS課程出たことだけが自慢だが、箸棒にもかからない鉄砲屋さん。言動風采ともパッとしないのに競争意識だけは高い自称エリートさん、要は、自分が受持った課程の成績が下がること、赤点に関する説明をすることを危惧していた。もちろん、説教だから金も命も取られない。むしろアレ課程主任は、職域マークが鉄砲だから、後のイージス漏洩調査で徹底マークされたんだろうけどね。



※ でも、陸警授業や教官には悪い印象もない。リアル陸警が仕事なのは砲雷科か地上救難、それ以外はお手伝いでやる程度。とはいえ、9.11の時に横監勤務とかしてたら、メインでやらされるけどね。そういう幹部を除けば、一生縁もない。薬剤幹部の某女史は、機関銃と短機関銃の区別がつかなかった。機関銃分隊を「小銃が足りないので、なつかしのトンプソンで武装する」と考えていた。「候補生の時、文谷が整備受け持っていた小さいやつでしょ」と言っていたから強心臓。
 授業と試験に欠陥があったのは後方関連ね。後方関連は赤取らなかったけど、結構ひどかった。まず授業で教える内容に誤りがあった。試験もすべて正解になってしまう問題がある。どれが正解とも言えないが、一般的にはこれが正解という答えと、試験の正解が異なるものがあった。その仕事をやってた本職マークのヤツが「教科書のここ間違い」「試験の問題が間違い」といっているのだが、教官は無謬性を決め込んでいた。
 まあ、一番ひどかったのが、情報と戦史だったけどね。

※※ イージス騒動から、申し送り、特にデジタルデータはご法度になったのだけれども。後にCSを強制受験させられたときに、やはり申し送り資料を持ち込んでいる奴がいた。まあ、CSは行きたい人を合格させる試験だから、ヤル気があるのはいいことなんだろうけど。
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まとめtyaiました【いつか、またヤケドする。】

 海自の学生が作る試験対策等を「申し送り」という。学生は申し送り作りに精を出し、秘密の類まで悉皆書きこむ。昔は、手で筆写していたので他所に漏れることも少なかった。しかし、当節はコピーのし放題。しかもいつの間にやらデジタル化されたのでなので、秘密は駄々漏...

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