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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.06
25
CM:3
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13:00
Category : 未分類
 建築で鋼管足場を組むのに使う鉄パイプなんだが。アレ、どうやって作っているのかね。溶接痕は見当たらないが、コスト的に無継目鋼管じゃないだろ。名だたる大企業が作るものでもなさそうだし、簡単な設備で作れるものではないのかなと。

 思いつく限りで簡単な方法だと、ベルマウス引き抜きかな。幅を円周に合わせた長細い鋼材を熱してベルマウスに入れて、反対からペンチで抜き出す方法。板だった鋼材が、ベルマウスの内側にあわせて変形し、一気にCの字からO字になる仕組みなんだがね。19世紀にガス管を作る方法で使われた方法。継目は組織的に融着していないので強度は足りないが、単管なら大丈夫だろ。

 高級にするなら、ベルマウスを2セットのローラに変える。リボン状になった鋼材を、ローラ寸前においた加熱炉で赤熱させる、最初のローラで鋼材の左右から、軽く耳をたわめてUの字に変形させて、次のローラで上下から抑えこんで真円にする。適当に引っ張って、冷えたあたりでノコギリで切る。しかし、足場に使うパイプを作る割には、設備が高く付くような気がする。

 あるいは、鋳造かね。鋼管と言いながらもダグタイル鋳鉄でOKならば相当安く作れる。もともと鋼管としての強度も高くないわけだ。同じ強度が出ればダグタイルでもいいだろう。

 なんにしても、それ以外の方法ではコスト的に合わないだろう。

 プレスで作るUOE法というものがある。冷間で、常温の鋼材をプレスする方法だが、比較的に肉も厚いので、付きあわせ面がキレイに合わさるのかなと言う気もする。まずUの字にプレスして、次にOの字にプレスして、溶接してから最後に拡張(EXPAND)する方法。冷間なので、加熱にかかる費用は安いのだろうが、突き合わせ面に溶接痕がないので使ってないだろう。そりゃ、磨いてメッキすれば消えるけど、足場用の交換にそんな加工をするはずもない。

 スパイラル法も安くない。クレラップやトイレットペーパーの芯を作るのと同じやり方だが、細いパイプには向かない。紙芯とは違って、鋼材は溶接しないといけないが、溶接長さが長くなって仕方がない。足場に使える方法でもない。

 無継目鋼管を作る方法だと、コストは天井知らずになる。砲身を作るみたいな切削加工、注射針を作るプレス法、石油用シームレスパイプを作るマンネスマン方式は高くて、それでなければならない方法でなければ使えたものではない。

 まあ、足場鋼管風情なので、小資本が作っているならベルマウス法、実は結構大きい工場で、一国分を大量生産するならローラによる熱間加工で作っているんじゃないかな。
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まとめtyaiました【足場鋼管はどうやって作るんだろうね】

 建築で鋼管足場を組むのに使う鉄パイプなんだが。アレ、どうやって作っているのかね。溶接痕は見当たらないが、コスト的に無継目鋼管じゃないだろ。名だたる大企業が作るものでもなさそうだし、簡単な設備で作れるものではないのかなと。 思いつく限りで簡単な方法だと...

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No title

やっぱこんな感じみたいですねえ>ロール式

http://www.maruichikokan.co.jp/product/produce.html

Re: No title

製品の「一般構造用炭素鋼鋼管」に「仮設、足場」ってありますね。
足場丸太の延長なので、テキトーに作っていると思ってましたが、結構、丁寧に作っているのですね。

> やっぱこんな感じみたいですねえ>ロール式
>
> http://www.maruichikokan.co.jp/product/produce.html

No title

偶々お見かけしたので。
http://sugisakilease.ne.jp/pdf/leasesogo/leasesogo06.pdf
JIS規定もあるようです。

http://www.asahi-llk.co.jp/catalog/a128-a135.pdf

歴史的にはビティ足場などという名前で戦後に導入されたようですね。