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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.06
30
CM:11
TB:0
13:00
Category : ミリタリー
 OH-1よりも、OH-6の方が使い勝手が良い。OH-6は明らかにOH-1より有用であり、OH-1によるOH-6更新は失策であった。OH-1は、わざわざ使いにくいヘリを大金はたいて開発し、配備したものと言える。OH-1は戦闘には有利かもしれないが、普段使いはOH-6に劣る。戦時であっても、ヘリに与えられる任務は戦闘だけではない。また、ヘリは平時にも多用される。それを考慮すれば、戦闘に焦点を絞ったOH-1は、OH-6後継としては失敗である。

 確かに、空中性能はOH-1が優れている。速力、機動性、搭載力、生残性はOH-6よりも高い。やる気になればそれなりの武装もできる。OH-6武装型(MD500)よりも、強力な武器を搭載できる上、その能力も生かすことができる。

 しかし、普段使いは不便になる。OH-6は軽輸送、連絡にも使える。だが、OH-1は戦闘だけにしか使えない。偵察能力も、OH-6よりも後退している部分がある。

 OH-6は、軽輸送と連絡にも使える。OH-6は、後部にそのまま荷物が積み込める。ダンボールならダンボールのまま搭載できる。確かに、輸送能力は大きくない。頑張ってもせいぜい200-300kg程度となる。しかし、非常用の糧食、医薬品、小火器弾薬であれば、相当量にあたる。連絡にも向いている。助手席に1人、後ろに2人まで積める。車に便乗するのと大差はない。楽な姿勢ではないかもしれないが、救難者や怪我人、病人も積める。

 OH-1は、軽輸送にも連絡にも使いにくい。まず荷物は積む場所がない。パイロン部に荷物入れをくっつけるのが関の山である。それでは大して積めない上、わざわざ荷姿を買えなければならない。連絡にも使い難い。タンデム配置で、コクピットは高い位置にある。基本的に搭乗員だけが乗りこむもので、便乗はできない。

 本来任務である偵察にしても、OH-1が優れているわけではない。OH-1は、敵中での偵察に優れるかもしれないが、それだけである。OH-6は、必要に応じて他職種要員も乗せて偵察できた。偵察とは、敵を偵察するだけではない。地形や交通網、味方の状況把握も偵察に含まれる。こういった面では、便乗容易であるOH-6が優れている。また、視界が広い点、OH-1よりも偵察に向いている。電子光学的な偵察能力にも、OH-6は対応していた。陸のOH-6は暗視装置や画像転送装置まで搭載している。

 手軽に使える点で、OH-6は絶対的な優位にある。基本的な部分はそもそも壊れない。機械的に単純で、壊れる部分がないため、ほとんど列線整備で済んでしまう。これは海自機の話であるが、陸自機でも変わるものではない。エンジンを触るにしても、卵の殻を外せばそこにエンジンがあり、立ったままで整備できる。燃料搭載にも手間はかからない。平時有事を問わず、一日での飛行数を稼ぐことができる。

 OH-1は、OH-6後継としては失敗であった。何でも屋として使われるヘリとして、OH-1はOH-6に劣る。OH-1は、戦闘偵察ヘリとしてはそれなりに優れた機体かもしれない。しかし、汎用偵察ヘリとして活躍していたOH-6の役割を代替することはできない。OH-1によるOH-6更新は打ち切られたが、OH-1に更新されないで良かったと言える。



 でもま、戦闘偵察ヘリとしてもOH-1開発は規模の面で疑問だよね。対戦車ヘリとペアを組む分だけなら、大した数でもない。対戦車ヘリに対して3:2で配備しても、40機程度と、今の30機程度+で済むわけだ。それくらいなら、わざわざ開発しないでも良かったんじゃないかな。開発当時なら、割高でも開発費がかからないコマンチ買うとかいうオプションもあったんじゃないか。
 まあ、コマンチでなくとも、AH-1の偵察型作れば済んだ話かもね。AH-1との共同なら、対戦車ヘリを増勢して、武装取っ払って軽くした偵察型を使えばよかったんじゃないの。AH-1はUH-1と同じで、ローターに機体がぶら下がっているから機動力には難があるとか言うけどねえ。
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Comment

非公開コメント

No title

OH-1がOH-6より偵察能力で劣ってる部分って具体的にどこですか?

あと、調達数に関しては90年代後半と現状でヘリの生存性に対する環境がガラっと変わってる点については、少しは考慮すべきではないでしょうか?
あと、コマンチなんて代替になりませんよ
97年時点で試作機しか飛んでませんでしたし、2004年には開発打ち切りです
既存戦闘ヘリの改修だって難しいでしょ
要求されてるものが違うんですから


Re: No title

OH-1がOH-6より偵察能 さん
ご質問の向きには、本文を御覧ください


> OH-1がOH-6より偵察能力で劣ってる部分って具体的にどこですか?

他職域の人間を乗っけた航空偵察能力ですね。昔で言う将校斥候では、OH-6の方が有利です。
地形や交通網、味方の状況把握といった偵察行動では、OH-6のほうが視界が広く、デジカメ持った将校斥候が自由に偵察できます。OH-1では難しいですね


>あと、コマンチなんて代替になりませんよ
>97年時点で試作機しか飛んでませんでしたし、2004年には開発打ち切りです

まずよく読んでいただければと。「開発当時なら、割高でも開発費がかからないコマンチ買うとかいうオプションもあったんじゃないか。」
OH-1開発時期には、まだコマンチは作る気満々でした。


>既存戦闘ヘリの改修だって難しいでしょ 要求されてるものが違うんですから

OH-1への要求性能は、AH-1とペア組ませる前提でしたからね。AH-1とペア組ませる、その警戒と偵察を担当するなら、AH-1を軽くしたヘリでも大丈夫ですよ。


No title

コマンチはAH-1s代替も想定されてた機体だから、OH-6の代替にするには、明らかに過剰でしょ
戦闘ヘリ部隊を増やすレベルの予算が要るよ
いろいととできるってのは魅力的に見えるけど、多くの場合では中途半端な結果に終わるし、金だってかかる
場合にもよるけど、良いことばかりでもは決してないよ

あとAH-1sを改造するって簡単に書いてるけど、それって新規開発とたいして予算も手間も変わらないよ?
その上、新規開発より中途半端なものが出来やすいって面もあるし

偵察人員が乗せられないから、偵察能力後退ってそら、言いがかりでしょ
UH-1でも可能な任務なんだし
そもそも、それじゃコマンチ導入しても偵察能力とやらは低下するじゃないの

No title

ニンジャ開発当初に試作機すら存在してないコマンチを候補にするとか、もっとありえねぇんですけど...

No title

他職域などはUAVなどではダメなのでしょうか?

Re: No title

 なんにせよ、OH-6の汎用性をOH-1はカバーできない点は理解して頂けたようですね。
 -1と-6は、スポーツカーと軽トラみたいなものですよ。どちらが高性能であるかは論をまたないように、どちらが役に立つかも言うまでもない。

 OH-6ではちょっと物足りなくなっていたAH-1とその後継機、AH-64との共同もね。対戦車ヘリ隊程度の数なら、コマンチ買っても良かったし、AH-1を軽くして使っても良かったのですよ。AH-1からバルカン砲と弾薬減らし、ミサイルもサイドワインダー程度にすれば相当軽くなって機動性も上がる。改造というほどのものでもない。なんにせよ、OH-1は要らない子だったということです。


> 他職域などはUAVなどではダメなのでしょうか?

逆ですね。戦闘区域での、OH-1的な偵察であれば、単純ですからUAVで可能でしょう。しかし、将校斥候、軽輸送、連絡、傷者搬送はUAVではカバーできません。

No title

結果からさかのぼって批判ってのは、ちょっとフェアじゃないです>コマンチでもいい
もともと、OH-6の代替でOH-1は開発されてます
その時にコマンチを導入とか150機以上のOH-6を全部コマンチで入れ替えるってのと同じ
OH-1の調達数が減ったのは高いコストも原因だけど、防衛費そのものが不景気のため大きく削減されたって面もあるから、一概に見通しの甘さを指摘するのは自衛隊に対して未来予知能力をもてってのと同じですし
OH-1の多用途性の欠如に関しても、どうかと
そもそも、陸自はOH-1開発時点で多用途性は求めてないんですから
つまり、陸自のとってOH-6程度の簡易な多用途性はどうでもいい事項だということではないかと思いますが
現在計画が進んでいるOH-6後継を含んだ多用途ヘリコプター計画レベルの多用途性ならともかくとして

あと、AH-1Sの改造機でってのは論外です
偵察ヘリは事前に敵支配領域に潜入しての偵察が想定されるため、戦闘ヘリ以上の運動性と残存性を要求されます
特に極低空での運動性能と速度性能をね
AH-1S改造ではそれらの性能を確保できるか、非常に疑問です
AH-1Sと同じ部隊に配備されてるからって、常に同時に行動するわけではないし、求められる性能が同じ訳ではありません


No title

>AH-1を軽くして使っても良かったのですよ。AH-1からバルカン砲と弾薬減らし、ミサイルもサイドワインダー程度にすれば相当軽くなって機動性も上がる。改造というほどのものでもない。

その程度で観測ヘリの任務に足りる性能が手に入るなら、そもそも観測ヘリなんて機種が生まれないって
下手すりゃ戦闘ヘリ以上に生存性と速度と運動性能を要求される機種なんだからさ
あと、OH-1はもともとはOH-6以上の機数を導入予定だった
で、OH-1開発当初はコマンチ実機なんぞ影も形もない
そんなもん導入するとか、陸自はバカの集まりかなんかか?

>OH-1は要らない子
コレ言いたいがために、論理が破綻してる
結論から論を組み立てるからそんなことになる

OH-1は、あわよくばこれをベースにAHを作りたいという気持ちが見え見えの、汎用性を押さえた機体だと思います。私は、OH-6ベースで偵察用センサ類の充実(機体に内蔵or偵察ポッドをスタブウィングに搭載)させる方が良かったと思います。機体の容積が不足しそうですが。

Re: タイトルなし

OH-6代替として必要だったものと、作りたいものが離れていたのでしょうねえ。
本当はAHを作りたかったにしても、必要数が限定されているわけでしょう。機体からゼロベースで作るのは、あまりにも先が見通せなかったのではないかと。

> OH-1は、あわよくばこれをベースにAHを作りたいという気持ちが見え見えの、汎用性を押さえた機体だと思います。私は、OH-6ベースで偵察用センサ類の充実(機体に内蔵or偵察ポッドをスタブウィングに搭載)させる方が良かったと思います。機体の容積が不足しそうですが。

No title

陸自のヘリ予算は上限が決まっている。にも関わらず、無理やり高級なOH-1を開発。結果たった34機で調達が終了。アパッチも同じ。
予算のシーリングがあるということが理解点では無知蒙昧な軍オタと陸幕の親和性は非常に良いといえるねえ。


しかもOH-1は匍匐飛行して偵察するのに敵の地上兵に対処する機銃も装備していなかった。防弾シートも装備しておらず、生存性は高いとはいえない。
また当初データリンク機能もなかった。

なにをしたかったのか理解に苦しむ機体。