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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2012.08
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Category : ミリタリー
 今の陸上自衛隊は役にやっているのか?

 陸自が強力であっても何の利益もない。冷戦期であれば、陸自はソ連に対する脅威としての価値があった。また、本土防衛にも一定の必要性があった。しかし、今日ロシアに脅威を与える必要は少なく、本土侵攻の可能性も消失した。防衛政策の焦点である中国とのゲームでも、陸自は何の貢献もしていない。

 財政は極端に悪化している。役に立たないわりに、大予算を費消する陸自は規模縮小が必要である。浮いた予算は財政削減、あるいは海空戦力強化に回すべきである。

 陸自は、国内警備と外征部隊維持で10万以下で充分である。陸自に求められる国内警備は5万程度あれば足りる。中国とのゲームや国際貢献で役立つ外征部隊維持も、1ヶ師団程度なら4万程度で足りる。外征部隊を作れば、陸自は現15万人、将来14万人から、予算・人数を減らしてなお、役に足つ組織となるだろう。

 冷戦期、強力な陸自は、西側の利益であった。脆弱なソ連極東部に配置された陸自は、ソ連の喉元につきつけたナイフの役割をした。ノルディック・アナロジーは、太平洋に至る経路にある北海道について価値を論ずるものでもあった。ソ連にとってのチョーク・ポイント、その対岸に展開した陸自は、ソ連にとって脅威を与える存在であった。ソ連は、「日本が攻めてくる」という重圧にさらされていた。

 冷戦終期、日本が陸自を強化した理由は、西側との協調にある。中曽根政権以降による防衛力強化は、対米協調の側面もある。貿易赤字そのほかを埋め合わせるため、レーガンによる対ソ軍拡に協調したものだ。その過程で、公式には本土防衛戦力、極端な話、郷土防衛戦力に過ぎないはずの陸自も強化された。それは、陸自がソ連極東部にとっての脅威、ナイフの役割を果たしていたためである。

 冷戦期、陸自はソ連による本土侵攻を抑止するだけの存在ではなかった。実際に対ソ侵攻をする能力があるかどうかはともかく、ソ連極東部にとっての脅威でもあった。北方領土に配備されたソ連地上軍は、今もそうであるように、対日侵攻能力を持たない守備隊である。有事には全滅予定部隊と認識されていただろう。冷戦期、サハリンに所在していた海上機動可能と言われた2ヶ師団も同じようなものだ。今から見れば、日米軍侵攻に対する逆上陸部隊である。陸自はこれらのソ連軍を拘束していたと見ることもできる。

 しかし、冷戦が終わると、強力な陸自には価値がなくなった。ソ連/ロシアに対するナイフの役割は不要になった。日本周辺国で最大の脅威であったソ連が崩壊してからは、日本に上陸戦を挑む能力のある国もなくなった。冷戦期ソ連が保有していた両用戦能力でも対日侵攻は厳しい。それ以下の各国に、日本本土に侵攻する力はない。

 それにもかかわらず、陸自の規模は維持された。財政悪化により、徐々に減らされたものの、冷戦期18万から、今のところ15万と8割方維持されている。陸自は、漫然と冷戦時代そのままの備えをしている。いまだに正面戦力を増やすため、切り詰めた使いにくい師団・旅団編制もそのままにされている。冷戦期、基幹13ヶ師団+2ヶ混成団は、9ヶ師団+6ヶ旅団と全く変化していない。

 本土侵攻の可能性が減じたにも関わらず、15万もの兵員を擁し、9師団+6旅団を維持する必要はない。国内警備、治安維持といった戦力の空白を作らない程度であれば、5ヶ管区隊、あるいは4ヶ鎮台で充分である。

 陸自が本土決戦態勢15万人を維持しても、使い道もない。今の陸自は中国とのゲームに役立たない。強力な陸自が居ても、中国は海への進出に何の制約も受けない。「『中国膨張主義』の脅威」に対抗する要素とはならない。海外派遣にしても、正面戦力偏重の師団・旅団編制はそのまま投入できるものでもない。

 陸自に15万人を宛てがうのは無駄遣い以外の何物でもない。国内警備用としても過剰である。国内警備程度の所要であれば、人員も4万-7万で足りる。明治期当初の陸軍は4ヶ鎮台で4万人程度、日清戦争直前でも6万人である。警察予備隊は7万5000人であった。現状15万、将来的に14万もいらない。極端な話、カナダ軍は1000万平方キロの領土を陸軍2万で済ませている。あの米国にしても、9500万平方キロを米国50万人と、面積あたりでは1/60に過ぎない。

 外征部隊を作るとしても、合計10万なくとも足りる。国内警備用4-6万に加えて、海外活動用に1ヶ師団分、交代、支援部隊含めて4万人の人的資源を与えれば相当のことができるだろう。外征部隊を作れば、中国とのゲームで役に立つ。また、海外での国際貢献にも役に立つ。

 また、一気に10万以下に減らせば、装備更新も容易になる。大幅に減った人件費から装備費用も捻出できる。数もそれほど必要なくなるので、新しい玩具も揃えられるようになるだろう。

 今の陸自が強力であっても何の利益もない。中国とのゲームで陸上戦力は役に立たない。日本が強力な陸自を持っていても、ゲームで利益になることはない。財政が極端に悪化し、防衛費も大幅圧縮されるだろう当節、役に立たないわりに、予算の多くを費消する陸自規模を維持する必要はない。

 国内警備部隊と、外征用部隊でコンパクトにまとめれば、10万あれば足りる。陸自予算縮小分で、財政削減にも貢献できる。また、中国とのゲームや、海外での活動のために重要度が増す海空戦力強化に回すこともできる。
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Comment

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つ 失業対策

そうそう、「内乱に備える」という役目はあったな。「内乱が起きたときに備える」なのか、「内乱を起こせるように備える」なのかはよくわからんけど( ・・)/

No title

陸自の元将官補の方もパンツァーだか何かに投稿していましたね
15万もいらない旅団化して12万もあれば十分だと

No title

ドコも攻めてこないと言う前提が笑う。
カナダと同じ扱いが笑う。
アメリカと同じ扱いが笑う。
相変わらずだね。

まあ失業対策なら、陸上を減らすだけじゃなくて、超人員不足の海上に人員を転換するのは有りだと思う。任務を考えたら1万人ぐらい貰ってもバチは当たらないでしょう。

Re: No title

ドコも攻めてこ さん

逆に、どこの国に対日侵攻能力がありますかね
海空戦力のアドバンテージ、日米同盟を覆し
仮に挙げた、4-6万+4万で10万の陸自を圧倒できる国はないですね

その点で、カナダやアメリカとそう違うこともないわけです

> ドコも攻めてこないと言う前提が笑う。
> カナダと同じ扱いが笑う。
> アメリカと同じ扱いが笑う。
> 相変わらずだね。