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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2012.08
22
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13:00
Category : ミリタリー
 陸自砲兵、特科は機甲科以上に必要性を主張できないのではないか?

 基本的に、特科は本土侵攻対処以外では役に立たない。そして今日、本土上陸のおそれはなくなった。そうなると、特科は必要性をアピールできない。中国とのゲームで対艦ミサイルを見せる程度だろう。

 本土侵攻対処以外では、特科は使いにくい。特科は手軽に使えない。特科は重く、揚陸や輸送、補給に手間取る。すでに陸自特科は、野砲でもすべて15榴、重砲で20榴、ロケットがMLRSとなっている。いずれも重く、弾薬を輸送する段列を伴う必要がある。長射程であるものの、観測や通信構成その他も必要になる。その使いにくさは、戦車以下である。

 本土侵攻対処以外の任務では、特科は場違いである。いまのところ海外派遣、離島対処、ゲリコマが想定されているが、いずれも特科は向いていない。海外派遣では、本気で戦争するような状況でなければ持って行かない。離島への上陸対処でも、多用されるのは迫撃砲や航空支援や艦砲射撃である。野砲重砲が展開するほどのこともない。ゲリコマ対応では、特科は出る幕もない。

 海外派遣で、特科を派遣する事態は今のところ考えられない。余程の大戦争でなければ特科を派遣して、野砲重砲を撃ちまくることはない。そのような戦争前提の海外派遣は、今のところは想定されていない。

 離島への着上陸対処であれば、海空による火力支援の方が使いやすい。航空直接支援、艦砲射撃の方が手軽である。両者は特科よりも精度に優れる。直接航空支援は、上空から直接視認した目標に攻撃できる上、反斜面といった制約もない。艦砲射撃は精度・発射速度に勝る。5インチ艦載砲は15榴と同じ砲弾重量がある。精度も高く、発射速度は比較にならないほと早い。また、上陸部隊が手許で使える火力が欲しいとしても、特科は呼ばれない。その時は迫撃砲になる。

 ゲリコマは、特科は出る幕もない。それほどゲリコマが来るとも思えないが、それはさておく。いずれにせよゲリコマは少人数であり、隠密に行動する。陣地に拠ることもあまり考えられない。このような見つからない敵には、特科は無力である。ゲリコマは探すことが面倒であって、見つけられればそれほどの大火力は要らない。特科は出る幕がない。

 特科は今のところ、仕事はない。本土上陸対処程度でしか使えないが、その本土侵攻は考えなくて良い時勢である。特科が活躍できる事態があるとすれば、海外での大きな戦争しかない。小規模な事態では、特科が展開し、本格的に運用される前に終わってしまうだろう。しかし、日本は今のところはそのような戦争に参加するつもりはない。仮に参加しても、1ヶ大隊も出せば充分である。いまある砲・ロケットを装備する約50ヶの特科大隊の2%に過ぎない。

 それにも関わらず、必要性を失った本土決戦用の装備を新造しようとしている。寿命も残る※ 牽引自走砲、FH-70をヨリ高価な装輪式自走砲で更新する考えを持っている。

 装輪式自走砲を開発する必要はない。いまさら本土侵攻対処に使う重装備を新造更新しても、使い道はない。

 それよりも、海外派遣、離島対処、ゲリコマに使いやすい装備を作るべきである。例えば、迫撃砲と被るかもしれないが、超軽量砲取得を目指す。あるいは工兵装備と被るかもしれないが、陣地粉砕用の大口径臼砲かミサイルの類を作ったほうが、まだアピールしやすいだろう。

 例えば、汎用ヘリに搭載できるような超軽量砲である。M777超軽量砲のように15cm砲である必要もない。10cmや7cm程度の山砲であっても構わない。迫撃砲よりも命中精度に優れ、発射速度や重量で劣らないものであればよい。

 あるいは工兵資材的になるかもしれないが、重掩蓋粉砕用で98式臼砲、あるいは航空爆弾投射法が目指した方向であるべきだろう。

 重装備取得は、特科が生き残りを賭ける方向として誤りである。海外派遣、離島対処、ゲリコマへの対応、それに向いた装備取得でなければ将来につながらないし、賛同も得られない。

※ 最大の装薬を使った砲身寿命を、昔のM1A2と同じ7500発、弱装薬による射撃が0.25発に換算されるとすれば、FH-70は3万発は発射できる。年500発撃っても、なお60年は持つ計算になる。傷んだと言われるエンジンは乗用車用であり、作り直しがは容易。方位や俯仰角、信管廻しあたりの電子化とシステム連接だけすればFH-70は現用砲として問題ない
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非公開コメント

No title

自走砲もゲリコマに使えるのでは
ビルにいる場合などにです
江畑氏の本にもそのように書いてあっった記憶があります

Re: No title

直接支援にも使えないことはないでしょうけど
ゲリコマ対策では脇役以下でしょう、活躍できるわけでもないです
展開が鈍重ですし、細かいところに入れるわけでもないわけです

No title

陸自は、空自の近接航空支援なんぞ期待してませんよ。期待してないと言うより、全くあてにならないと考えているでしょう。ご存知でしょ?前線部隊は、現在の特科火力をあてにするしかないでしょうに。重迫は普通科支援だし、施設まで手がまわらんでしょう。

Re: No title

それは本土決戦の場合についてですね。

話は、離島や、ゲリコマ、海外派遣ですからね。離島なら、艦砲や近接航空支援頼りになるでしょう。計画建てるにしたって、特科なんて重いものは運びませんよ。ゲリコマでも似たようなもので、遠くにいて、いつ来るかわからない特科よりも、電話で呼び出せる近接航空支援でしょうね。海外だと、特科火力なんか連れて行きませんからねえ。イザとなれば海空自、あるいは他国の近接航空支援に頼るしかないでしょう。

本土での対上陸戦の頭で考えてもダメですよ

臼砲や山砲の話を読んでいて、既にある120Mを広範囲に配備すればいいのでは?とも思いますが・・・・デカ過ぎますか?

Re: タイトルなし

120mmは歩兵砲扱いですから。特科が生き残る道にはならないのではないかと。
やっぱり、大砲っぽくないとダメじゃないかと思います。
あるいは旧ソ連の160mmとか240mmならばいいのかもしれませんけど

> 臼砲や山砲の話を読んでいて、既にある120Mを広範囲に配備すればいいのでは?とも思いますが・・・・デカ過ぎますか?