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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.08
24
CM:3
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13:00
Category : アニメ評
 軍隊生活への勝手な思い入れと、その醇化への方向性が生理的な拒絶を呼び起こします。『トータル・イクリプス』を排したくなる気分の底にあるのはそれです。製作者とファンが想像した奇妙な軍隊イメージと、それをリアルであると勘違する。その姿は見ていられるものでもない。

 物語としても、設定での稠密性だけに執着していて、それ以外はスカスカ。登場人物がタイピシャルに過ぎる。そのセリフも、あまりにも抽象的で説明風が過ぎます。『FATE』と同じで内輪向けなんでしょう。ファン以外はお歯も当てないような内容です。

 メカや政治状況への稠密性への執着は、それを裏返せば理解しやすいでしょう。あの物語からメカと政治状況を抜いたらどうなるか。なにも残りません。『トータル・イクリプス』からロボットを抜いて、例えば、耐寒靴の開発物語まで原始化するとどうですかね。「意識の高い」開発者同士がぶつかり合うだけの話です。その喧嘩を延々と引っ張ってもね。黒沢の『天国と地獄』で、三船敏郎がナショナルシューズの靴のデザインで怒りまくるだけの話ではないですかね。ドラマは全然高まらない。政治状況云々にしても、冷戦時代に知っている国を並べる程度であって、人物描写と同じであまりにタイピシャルに過ぎます。

 登場人物が、安易に類型的につくっていてどうしようもない。典型的なのがソ連人のイメージです。ソ連が残っている点を面に出しますが、全員が官僚的、あるいは非人道的で、冷たい人物描写ってなんでしょうね。冷戦期でも、今でも、ソ連人、あるいはロシア人がミステリアスである部分はそこではありません。素朴で、適当で、利益にも人情にも人間臭い連中が、急に態度が変化するところがミステリアスと言われていたわけです。
 他にも、表と裏の使い分け、賄賂や闇経済、言い方を変えれば生きる知恵、助け合いの構造といったものも、ソ連イメージです。それを官僚的・非人道的・冷酷だけに集約するのは、『キン肉マン』のウォーズマンでみるソ連イメージ程度にすぎません。あまりにも皮相的な理解でしょう。
 『トータル・イクリプス』での、登場人物への性格付与は、『I.S』と同じで粗末なものです。各国人に、それぞれの表層的なイメージを付与しただけの粗雑なものです。『キン肉マン』のブロッケンjr、ロビンマスク、テリーマン、ラーメンマンへの初期イメージと変わるところはありません。

 セリフが抽象的であり、説明風が過ぎるところも、酷いものです。口語であるべきセリフで抽象的な漢語を連発するのは何事かと。「97式戦術歩行高等練習機」「殲滅速度を0.7% あげろ」「わがソ連軍の尋問技術は進んでいる」なんて4話のセリフ、誰が考えるんでしょうね。もともと少ない物語への没入感を引き下ろす効果しかない。視聴している物語が、キャラクターが突っ立って説明セリフを読んでいるようにしか聞こえません。物語の中でのリアルな流れは完全に失われます。逆に、あんな珍奇なセリフに喜ぶファンがいるといったあたり、『トータル・イクリプス』が内輪向けに作られた話である証拠でしょう。

 まず1・2話だってたいがいです。基本的に石原慎太郎が監督した特攻隊賛美映画と同じです。やたらキレイ事だけ。敗戦国の映画ドラマ小説なら「その日8月15日」みたいに、もっと深くできるだろうと思うのですけどね。このあたりも戦後70年が近くなった。景気のいい話だけしか見聞きしたがらない、そういう製作者とファンで消費される作品ということなのでしょう。

 『トータル・イクリプス』には積極的に嫌いたい感情が浮いてくるのです。面白くない、ツマラナイようなアニメは見ないだけです。しかし、それ以上の悪感情が生まれるのは、軍隊生活への勝手な思い入れが気持悪いからでしょう。製作者、そしてファンのイメージに合わせ、純化された軍隊像は拒絶したくなるものです。過度にガチガチで固められた組織、ナショナリティの過剰な強調して「リアリティでございます」とするやり方へは、悪感情が生まれます。

 今期、バトル物であれば『だから僕はHができない』『カンピオーネ』と『トータル・イクリプス』があります。『だから僕は』は案外、視聴に耐える。意外とキチンとできている。『カンピオーネ』になると、カン違い度が一気に増える。これが『トータル・イクリプス』になると、耐え難く腹立たしくなる。『カンピニオーニ』は見ないで済ませる。見て小馬鹿にすればいいのだけれども。これが『トータル・イクリプス』は積極的に、嫌いたい心持を表明したくなります。なんであんな話を作ったのかとね。

最新の8話みてもね。細部だけでも「ダッフルバック背負った将校」とか「身内のミーティングなのにスクリーンやマイク使う」とか「お世話になるのに向こうが挨拶に来る、しかも糞忙しい出撃前にトップが来る」とかね。あれ、なんだと思ったよ。そもそも構造事態がアホくさいのだけれども

『トータルイクリプス 死んだら神様』を本気にされると本意ではないので、直截的に書いてみました、ハイ
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Comment

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No title

ロボットアニメってこんなもんです(^o^)
レーザー砲最強ってのが新鮮でした
(乳はいいんですがね乳はw)

No title

元々エロスーツで戦うアホアニメです。
が、ファンが過剰に神格化してるのがなんだかなあ

たしかスタッフだったか原作者曰く、「地球外からの脅威が出来ても団結できない人類を描いた」なんて言ってましてファンも本気にしてますが、むしろ簡単に「団結できてしまう」のが現実の世界では問題なんですけどね。だから政治家もナショナリズムを煽るんです。それが普段対立している集団にも団結に効果があると実証されてるから。

冷戦時代だって今だってかっての敵同士が節操無く手を組むことも珍しくもない。
「団結できない」事だけがリアリズムだと思ってるスタッフとファンも平和だなあと思いますね。

Typicalは「タイピシャル」ではなく「ティピカル」ですよ