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- » 2023 . 10
Category : ナショナリズム
米国のリップサービスだろうけどね。報道※ によると、日米外交担当者が「日米安保条約の適用範囲内であるという原則を改めて確認した」とのことである。米国にとっても、そのように言及することによって、中国を牽制できるのは悪い話ではない。しかし、実際にどうこうする気もない。尖閣諸島そのものには、米にとっての価値は何もない。名前は貸すけど、それ以上は「考えておく」程度の話だろう。
米中は軍事・政治的に対立している。この発言一つで、ゲームでの中国の行動を制約できるのは悪い話ではない。また発言により、日本の歓心を得ることもできる。日本への駐留への追い風にもなる。一担当者の、口先の発言程度であれば、リスクも少ない。
しかし、米国は尖閣諸島にコミットする気はない。中国とゲームをしているが、深刻な対立は望んでいない。尖閣諸島での日中の争いで、中国に恨まれるほどのコミットメントはしない。前に日本が食らったレアアース禁輸のような経済的不利益を受けるのはゴメンだと考える。
だいたい、尖閣諸島そのものに米国の利益はない。軍事的にも経済的にもどうでもいい無人島である。日中はナショナリズムで自国のものと争っている。しかし、そんなものは第三国から見れば、どうでもいい話だ。日本人が、南沙諸島がどこの国のものであるか、キプロスがどちらに属するかを見る目と同じだ。傍から見ればツマラナイ島のために喧嘩しているだけの話である。
米国は尖閣諸島で血を流す必要を感じない。どうでもいい島で、米国人が血を流す必要はない。流したら流したで問題になる。全面戦争のついででもなければ手は出さない。
このあたりが「日米安保条約の適用範囲内であるという原則を改めて確認した」である。まずは日本に対するリップサービス。「安保条約の範囲に入るんじゃないかと思うよ」程度のものである。有事にどうこうする約束をするつもりはない。
有事での関与は、かつての大陳島への関与と同じような話になるだろう。昭和30年の年初、人民解放軍は浙江省沿岸島嶼を解放した。新中国の進出に対し、台湾は、米国に助けを求めたが、米国は「そんな辺境の話は知らない」といった。「軍隊と住民の脱出は手伝うけど、あとは関与しない」ということとなり、最後の島である大陳島から撤退した。
尖閣諸島も、仮に戦闘ともなれば、米国は逃げ腰になる。血は流したくない。また、中国から余計な恨みを買いたくもない。情報くらいはくれるだろうが、戦力は出してくれない。
ま、信用しても仕方がないという話だ。リップサービスであることを承知して、米国の威を借りるのは悪くない。しかし、いざというときに米軍が関与してくれるというのは、甘い考えである。尖閣諸島と米軍のオスプレイ配備を絡める人もいるけど、まずは牽強付会だ。
尖閣諸島でのゲームは、日本vs中国・台湾の、決着する見込みのない綱引きである。米国は引き込まれないように用心している。「日米安保条約の適用範囲内であるという原則を改めて確認した」で、日本が勝ったと言い出す奴がいるかもしれないが、それはぬか喜びに過ぎないのである。
※ 読売テレビ「「尖閣は安保条約の適用範囲内」日米が確認」(2012年8月23日 11時25分)http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/TI20084815.html
米中は軍事・政治的に対立している。この発言一つで、ゲームでの中国の行動を制約できるのは悪い話ではない。また発言により、日本の歓心を得ることもできる。日本への駐留への追い風にもなる。一担当者の、口先の発言程度であれば、リスクも少ない。
しかし、米国は尖閣諸島にコミットする気はない。中国とゲームをしているが、深刻な対立は望んでいない。尖閣諸島での日中の争いで、中国に恨まれるほどのコミットメントはしない。前に日本が食らったレアアース禁輸のような経済的不利益を受けるのはゴメンだと考える。
だいたい、尖閣諸島そのものに米国の利益はない。軍事的にも経済的にもどうでもいい無人島である。日中はナショナリズムで自国のものと争っている。しかし、そんなものは第三国から見れば、どうでもいい話だ。日本人が、南沙諸島がどこの国のものであるか、キプロスがどちらに属するかを見る目と同じだ。傍から見ればツマラナイ島のために喧嘩しているだけの話である。
米国は尖閣諸島で血を流す必要を感じない。どうでもいい島で、米国人が血を流す必要はない。流したら流したで問題になる。全面戦争のついででもなければ手は出さない。
このあたりが「日米安保条約の適用範囲内であるという原則を改めて確認した」である。まずは日本に対するリップサービス。「安保条約の範囲に入るんじゃないかと思うよ」程度のものである。有事にどうこうする約束をするつもりはない。
有事での関与は、かつての大陳島への関与と同じような話になるだろう。昭和30年の年初、人民解放軍は浙江省沿岸島嶼を解放した。新中国の進出に対し、台湾は、米国に助けを求めたが、米国は「そんな辺境の話は知らない」といった。「軍隊と住民の脱出は手伝うけど、あとは関与しない」ということとなり、最後の島である大陳島から撤退した。
尖閣諸島も、仮に戦闘ともなれば、米国は逃げ腰になる。血は流したくない。また、中国から余計な恨みを買いたくもない。情報くらいはくれるだろうが、戦力は出してくれない。
ま、信用しても仕方がないという話だ。リップサービスであることを承知して、米国の威を借りるのは悪くない。しかし、いざというときに米軍が関与してくれるというのは、甘い考えである。尖閣諸島と米軍のオスプレイ配備を絡める人もいるけど、まずは牽強付会だ。
尖閣諸島でのゲームは、日本vs中国・台湾の、決着する見込みのない綱引きである。米国は引き込まれないように用心している。「日米安保条約の適用範囲内であるという原則を改めて確認した」で、日本が勝ったと言い出す奴がいるかもしれないが、それはぬか喜びに過ぎないのである。
※ 読売テレビ「「尖閣は安保条約の適用範囲内」日米が確認」(2012年8月23日 11時25分)http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/TI20084815.html
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