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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2012.09
14
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13:00
Category : 中国
 櫻井よしこさんがサンケイに載せた「未来開く大戦略語れ」※ なのだが、気の長い話。
台湾の現状は危うい。2040年頃には西太平洋とインド洋から米海軍を排除するとの長期戦略を描く中国は、異常な軍拡をいまも続行中だ。
 [略]
にも拘(かか)わらず、米国は台湾の求めていた最新鋭戦闘機F16C/D66機は売却しないと決定した。米国議会は、中国への過剰な配慮を反映したこの決定が中国を誤解させかねないと激しく批判したが、中国はさぞ、自信を深めていることだろう。

 …2040年の話をいましてもね。1970年代初頭に「このままでいけばソビエトの海軍力は2000年には米海軍を追い抜く」って言っているもので、現実味はありません。あるいは、今の日本で「2080年には財政再建できます」と言っているようなものでしょう。中国も順調に軍拡が続くかは怪しいもの。軍拡が続けば、周辺国も対抗する。そうなると、逆にインド洋でも西太平洋でも、軍事的に封じ込めされる可能性もあると思うのですけどね。

 櫻井さんは、兵器の数が少ないことだけで、国が滅びると考えている。これは100年前の、ワシントン&ロンドン条約を批判した悲憤慷慨家と同じメンタリティーです。軍備の中で、正面戦力の一部である主力艦・補助艦について、対米7割になる程度で日本が滅びると主張するようなものです。

 あとは、台湾への過剰な思い入れでしょう。櫻井さんは、事あるごとに台湾を持ち上げ、新中国を貶します。台湾は、ついこの間、戦争に負けるまでは日本領土でした。その意味で、ナショナリズム的な領土感覚、自己の肉体であるかのように錯覚が、櫻井さんにはまだ残っているのです。

 両者が合わさって、台湾が危機であると主張している。台湾にF-16×66機を売却しないと中国が強大になり、台湾は押しつぶされるという危機感と意見表明になっているわけです。

 でもねえ、余計な焦燥感じゃないですかね。

 当座、新中国は台湾回収をするつもりもない。回収するとしても、新中国は経済成長で自信をつけている。突発的な事態でも無い限りは、新中国は無難な平和回収を選ぶ。平和回収であれば、中国国内、海外諸国、そして回収される台湾にも角は立たない。

 台湾防衛への関与を急ぐ必要もない。今、中台の両岸関係は安定している。新中国も、今日明日に台湾を回収するつもりもない。米国も中国とは商売をしている。その機嫌を、商売を損ねてまで、台湾に戦闘機を売る必要もない。雲行きが怪しくなってから、その時、最新鋭か、最新鋭であるが旧式を装ったタイプを売ればいい。

 そもそも、台湾向け武器輸出を全部止める話でもない。中国にしても、米国との商売は大事であって、中台関係でぶち壊したくもない。実際に「防衛的な武器であれば構わない」とも言っており、米国製武器や技術は相当に台湾に流れている。F-16を66機どころの話でもない。

 そのあたりを言及せずに「2040年頃には西太平洋とインド洋から米海軍を排除するとの長期戦略を描く中国」といった、どうなるかもわからない与太話を元にしても、意味のない話ですね。

※ 櫻井よしこ「未来開く大戦略語れ」(2011.10.13、サンケイニュース)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111013/plc11101303100004-n1.htm ただしリンク切れ。
アーカイブとしてhttp://jinf.jp/articles/archives/6092に全文掲載


2011年11月01日 MIXI日記より
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