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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.11
16
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13:00
Category : 有職故実
 最近はあまり聞かないが、中国由来の鍼麻酔ががある。人によってはイカサマという人もいるが、効かないということもない様子である。ただし、今の中国で使っていないあたりから、万人に効くものでもないのだろう。まずは新中国成立のナショナリズム高揚で、中国独自の科学力を示すために称揚された技術である。

 その鍼麻酔を日本でもやっていたらしい。外務省アジア局中国課が翻訳・編纂した『中国対日重要言論集』に載っていたのでメモしといたのだけれどもね。日中国交正常化以前は『中共対日重要言論集』だったように基本的に政治発言を集めたものなので、まあ、マヌケな記事だなと思って控えておいた。

 国交正常化以降、対日言論が気持ち悪いくらいほのぼのしているんでよねえ。1973年前期の発言を集めた22集には、田中内閣の日中国交正常化の効果が現れている。佐藤内閣までの激越な政治発言が一切なくなっている。尖閣諸島を奪おうとする日本帝国主義云々もキレイに消えている。極悪な日本漁民による中国漁区への侵入も無かったことになっており、日本漁民が北方領土で如何にエライ目にあっているかが書かれている。

 政治的に日本の悪口を書く必要が無くなったわけだ。そこでどうでもいい記事が多数収録されている。日本のパンダブームとか、中国農民が山口県を訪問したとか、卓球選手が信州でもてなしを受けたアリガトウみたいな記事。

 その中に、中国の医療技術は日本でも受け入れられているといった記事があった。なんでも、都立豊島病院で鍼麻酔による出産があったとのこと。担当医と患者さんの実名が乗っており、開腹と書いてあるので帝王切開であった様子。(会陰切開かもしれないけど)おっ母さんは「痛くなくてよかった」、先生は「十何例やっているけど、問題なし、オススメです」とのこと。

 米中正常化と、その後をうけた日中国交正常化で、日米中は基本的に平和になりました。日中友好と交流になったことをみんなに知ってもらいましょうということで、鍼麻酔以下のノホホン言論をしたわけだ。

 ただ、国交正常化までの関係は、殺伐としたもの。中国からすれば「殺るか殺られるか」、日本からしても、隣国が穏当じゃない状態であったわけだ。それが国交正常化でそれが落ち着いて、とりあえずはムード優先の友好、そのあとは実利がある商売で繋がるようになった。

 いま、日中関係が表面上多少ゴタついても、50年代、60年代ほどの敵愾心剥き出しでもない。鍼麻酔で交流みたいな無根拠の友好ムードに立ち戻ることもないが、昔に帰ることもない。たしかに、軍事力のゲームに加えて領土問題も出てきたけど、利益を通じた戦略的互恵関係は維持されるわけで、両国関係は極端に悪いわけでもないということだ。
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