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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.11
03
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13:00
Category : ミリタリー
 OTOが76mm誘導砲弾を作るとのこと。最新のIDR※ によると、76mm版Volcanoを2015年までに生産を開始するとのこと。最大射程は40kmまで到達するという。検索してもあまり出てこないが、まずはこんな内容

 これが使い物になれば、76mmでピンポイントな攻撃ができる。艦載砲は陸砲より弾殻重量が大きい。終速次第だが、トーチカ、戦車その他も撃破できるのではないか。

 Volcanoを使えれば、「ゆき」のような76mm砲を搭載した艦艇での艦砲射撃も侮れなくなる。通常の76mm砲弾でも空中爆発させば暴露人員、ソフトスキンにはそれなりに威力がある。しかし、それなりの築城があれば効果は期待できない。しかし、ピンポイントで命中できれば話は別である。また射程も大きく伸びる。通常砲弾では、射程はいいところ15kmであり、海岸際しか攻撃できないが、予定されるBER弾では30km、GLR弾薬では40kmまで伸ばすという。

 さらに、対水上射撃にも使えるのではないか。GLR弾薬はGPSとINSで誘導される。その発展系として、GLR /EO弾薬も計画されている。遮蔽できる地物がない海上で、艦船を狙うのは容易だろう。最大射程40km近くになるとFCS側から光学照準ができなくなり、方位もレーダで狙うので相当甘くなる問題があるが、EOで目標を捕捉できれば問題はない。

 威力も大きくなる。76mm砲での対水上射撃は、まずVT※※ (海自では「フラッシュ」という)が多く使われる。弾が多少外れていても、空中爆発させればそれなりの効果は見込める。信管を遅延、あるいは瞬発することもあるが、命中精度から第二選択である。これが必中の誘導砲弾であれば、最初から遅発とし、船体にめり込ませ、中から破壊できる。

 IDRによれば、2015年に初期生産を始めるとのこと。2012年中に砲弾形状のテストを終わらせ、BER砲弾の要目を決定する。真打のGLRについては、2013年に要目が決まるとのことなので、生産開始は10年代後半になるだろう。



※ "Feature Naval guns""IHS Jane's International Defence Review" (IHS,2012.10)p.40
※※ 最近は、精密になり、発射時に砲口で設定できる時限信管が復活している。だからVTとは言い切れない。
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