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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.12
27
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16:08
Category : ミリタリー
 桜林美佐さんの記事を拝見して認識するのは、自衛隊への片思いのあまり、なんでも擁護してしまう自衛隊ファンの問題点を示すものでしょう。

 桜林さんの「納得できない『談合』自衛官の起訴、純国産ヘリの開発こそ国益にかなう」ですが、国防の都合の前に談合は小さい悪であるという主張です。
 すでにUH-Xの開発は3年続けて予算計上を見送られてきた経緯があり、昨今のわが国をとりまく情勢に鑑みて、待ったなしのところまで来ている。これ以上の遅れは許されないのである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36832
「昨今のわが国をとりまく情勢に鑑みて、待ったなしのところまで来ている」だから、談合でもいいので速く進めろという理由です。

 不思議なのは「遅れは許されないのである」のならば、海外製を使うなり、当座は外国製、例えばベル412でも買えばいいと思うのですが、そこは防衛産業や国産への片思いもあるので、桜林さんはそれを許せないのでしょう。
 海外製を排除する理屈として、次のようにも述べています。
外国にプライムメーカーがあると、修理に出せば数カ月や下手すると2~3年も戻ってこなかったり、あるいは製造がストップされて部品が手に入らなくなったり不良品が送られてくるなど、弊害が少なくないのだ。だいたいそういう問題は、購入時には気付かない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36832?page=2
 しかし、これは自己撞着です。この桜林さんの理屈だど、メジャーな海外製機体の方が国産機より優れていることになります。まず、メジャーな海外製機体の方が長年製造が継続しており、部品の安定供給に向いていることになります。むしろ国産機の方が危険でしょう。OH-1のように市場が小さく、大した数作れず、直ぐに生産が止まる。国産機のほうが「製造がストップされて部品が手に入らなくなったり」する「弊害が少なく」なく、危険ということになります。

 あとは、あまりに情緒的な自衛隊員への擁護です。
もうすぐ仕事納めである。自衛隊員も束の間、家族との団欒を楽しむ季節だ。しかし、起訴された当事者たちはどうだろうか。防衛省は2人を地検に告発していて、これから先どうなるかも見えず関連企業への再就職も難しいだろう。
[中略]
 そういえば、12月21日の東京新聞には防衛省の元幹部が2人を擁護したとする発言が載っていた。

 「川重のヘリなら同僚の命を預けられると純粋に考えていたのではないか」

 常に厳しい視点を持つ同紙であるが、このコメントが掲載されたことに初めて武士の情けを感じた。日本人はかくありたい。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36832?page=3
これは、「その志は諒とする」や「赤誠の至り」とかいった、二二六事件の首謀者を擁護する理屈に似ています。

 桜林さんの言論には、随意契約が官製談合や癒着の温床となったという問題点への配慮がないことも不思議です。桜林さんは随意契約の推奨、あるいは一般競争・指名競争入札への反対を明確にしています。しかし、かつての随契や癒着の温床となったことは全く触れていません。最近でも、調本の水増し請求、US-2開発の時の汚職事件、山田洋行事件の温床は、随意契約に由来する官製談合、官民癒着です。汚職の太宗といっても良いでしょう。随意契約を推奨するのはいいとしても、その結果としてもたらされる涜職に触れないのは、やはり自衛隊ファンであるので、その影を見たくないという心情の表れなのでしょう。

※ 桜林美佐「納得できない『談合』自衛官の起訴、純国産ヘリの開発こそ国益にかなう」(JB Press,2012.12)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36832
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