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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2013.02
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13:00
Category : 有職故実
 オーストラリアとの同盟はいいとして、インドとの同盟は難しいのではないか。

 中国に芽生える恐れのある膨張主義を封じ込めるため、オーストラリアやインドとの同盟関係構築をやるとすれば、日本もそれなりに主張を後退させなければならない。オーストラリアであれば捕鯨取りやめ、インドであれば核兵器開発を認める必要がある。捕鯨で悶着を起こしては、オーストラリアとの同盟は上手くいかない。インドとの同盟をどうにかしようとしても、核兵器開発の問題を整理しなければ、実験の折にでも同盟は頓挫する。

 オーストラリアとの同盟関係を構築する上では、南氷洋の捕鯨はやめなければならない。調査捕鯨をやれば、オーストラリア国民は面白くない。調査捕鯨のインパクトは、中国がとるかもしれない膨張主義よりも、オーストラリア国民にとって強烈である。捕鯨は、目の前の、自分たちの海と思っている地点で行われる。遠い南シナ海で、中国軍艦が大きな顔をしているよりも、目の前で自分たちの鯨を虐殺される方がよほど不快感を起こす。調査捕鯨の権利はともかく、南氷洋での実施は問題外である。

 インドとの同盟関係では、核兵器開発を整理しないと、同盟は直ぐに躓く。インド人は核兵器を絶対に放棄しない。日本人がインドとの同盟を望むのであれば、日本国内でインド人の核兵器開発を認めるといったコンセンサスを作っておかないと、核実験ひとつで同盟は破綻する。日本国民にとって、NPTに入っていないとはいえ、核兵器開発をする国との軍事的な付き合いはやめようという話も出てくる。

 南氷洋での捕鯨はやめられても、核兵器開発を認めるのは容易ではないといったところだろう。

 捕鯨を止めることは難しくない。調査捕鯨は足踏みしている。そして捕鯨には実利はない。日本人としても、捕鯨の権利を侵蝕されるのが嫌なのであって、別に南氷洋で捕鯨をしなければならないこともない。捕鯨の権利があると主張できればいいし、権利を確認するにしても、日本近海でやればよい。

 しかし、核兵器開発を認めるのは容易ではない。まず、日本人には広島・長崎の経験に基づく心理的嫌悪感がある。また、北朝鮮の核開発を非難している点との平仄がある。インドの核兵器開発は許され、北朝鮮のそれはダメというのは、原理原則を重視する日本人には受け入れがたい。

 もともとインドとの同盟は、筋が悪い。インドと同盟関係を持つと、パキスタンとの相性が悪くなる。中国の軍事的行動を非難する向きもあるが、インドも結構、周辺国へに軍事的圧力を掛ける。最近でもスリランカに圧力を掛け、軍事的介入している。

 「インド人に裏切られた」と逆恨みすることになる可能性もある。だいたい、インド人のメンタリティーと日本人のメンタリティーの相性も良いわけではない。インドはドライで、国際情勢の変化に応じて、同盟関係は直ぐに入れ替える。冷戦初期には非同盟であったが、後に親ソとなり、冷戦後は親米になっている。今、対中同盟で意気投合しているが、何かの拍子で中国と同盟を組む可能性すらある。だいたい、インドは中国と国境紛争を抱えているが、貿易は盛んで、軍事的にもAEW機の共同開発をしている。「民主主義という同じ価値観」というような言葉に酔っても、いずれインドへの幻想に裏切られるのではないか。



 インドとの対中協調は、利害があう範囲と期間限定として、表面的かつ短期的なものにとどめておいたほうがいいのではないかね。
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