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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2013.02
18
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06:02
Category : 有職故実
 陸上不発弾発見のニュースなんだが、つい、こないだにも海上不発弾処理のニュースもあった。

 不発弾はまだまだある。陸上にはそれほどないが、海にはゴロゴロしている。

 陸上では、通常爆弾は概ね限定された目標にしか投下されていない。出てこないことはないが、それほどの数ではない。その上、戦争中から不発弾は適宜処理されている。今残っているのは、命中場所からわりと離れた所に水平に埋まっている爆弾である。爆弾は地面に潜ると、J形貫通という奇妙な挙動をすることがあり、そういった爆弾は戦時中も戦後も未発見で処理されている。まずは例外である。

 しかし、海にはゴロゴロしている。戦争処理で捨てた銃砲弾薬と、発火しなかった機雷である。

 戦争直後に、銃弾から砲弾、爆弾、魚雷、爆雷、機雷のたぐいは全部、そこらの海に海洋投棄した。いまでも浚渫の際には、それらを引っ掛けないように磁気探査をする。変ったところでは、化学兵器も捨てている。屈斜路、苅田港、大湊だが、そのうちの一個を担当したのだが、危険性はともかく、風評被害防止や折衝が面倒この上なかった。ただ、いずれも安全な状態であるので危険性は、ほぼない。

 もう一つは、未発火機雷である。日米双方の機雷が海底にはゴロゴロしている。

 日本側機雷は、戦後1年間で完全処理されているが、炸薬その他はまだ海底に落ちている可能性が高い。繋維機雷であり、艦船による敷設であったので、敷設場所を繋維掃海すれば、船舶航行への危険はなくなるので処理完了となる。しかし、繋維索を切って、浮いた機雷を銃撃処分しているだけであり、銃撃で爆発しなかったものは、浮力を失い海底に沈んだままになっている筈である。

 米軍の機雷は、電池切れしているだけで、海底にゴロゴロしている。米軍は、日本本土に1万個程度の機雷を敷設したが、8割はそのままになった。敷設機雷のうち、大雑把に1割が触雷に成功し、1割が敷設直後に自爆あるいは陸上落下している。残り8割のうち、戦後に日本側が行った感応掃海で処理できた機雷は、3割(うろ覚えだがね)程度、つまり、1万個のうち、8割が残り、その3割を処理したにすぎない。残りの5割は「電池が切れ」で安全になったとみなされたものにすぎない。

 実際に、下関海峡付近では、海自掃海艇が訓練ついでにソーナーで海底をみると、たまに機雷を発見できるという。ただ、安全であると見なして放置しているだけである。最後まで生き残った磁気機雷による触雷は昭和34年、磁気掃海での発火は37年であるので、安全といえば安全である。その除去のコストやリスクを考えると、無理に処分する必要もない。

 まあ、本当なら海保に届けるのだろうが、届けても仕事の手間やコスト、社会的影響があるので、届ける気もしないし、届けてくれるなといったところなのだろう。



 うん、朝の20分で書けるものだ子
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