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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.02
23
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13:00
Category : ミリタリー
 総短艇という、まず一種のゲームがある。短艇は昔は端艇と書いた。艦艇に搭載するカッターであるが、今は搭載していない。江田島にある幹部候補生学校では、その短艇を使ったゲーム、分隊対抗競技をよくやっていた。

 総短艇は、今いる場所から、海沿いに吊るってあるカッターまで走って移動し、海に下ろして沖のブイを一周して戻り、また吊り上げるまでの順番を競う。具体的には拡声器で「学生隊待て」「学生隊総短艇」「総短艇はアルファ法」「服装は作業服装」「掛かれ」という形で始まる。

 候補生からすると、朝起きがけや、昼休みにやるので面倒この上ない。候補生は「待て」でその時の動作を止める。「総短艇だろうなあ」と思っていると果たして「総短艇」と聞いて面倒くさいと思う。アルファ法は反時計周りだったと思うが、漕手なので気にしたことはない。「掛かれ」全力で突っ走っていくことになっているが、それなりの距離もあるし、やることもあるので、己はまあ8割程度で走った。

 「第○カッター降ろし方用意、短艇索解け」や「ストッパー掛け」といった号令は未だに覚えている。下ろして、乗り込む。己はエンジンと呼ばれる8番座について櫂を伸ばしてエッチラオッチラ漕いでいく。回頭するとき、左舷は櫂を上げる。回りきったら漕がされて、岸壁に戻る。岸壁をよじ登って、麻索を引っ張って持ち上げて、整列して終わり。

 当時から、勝っても負けてもどーでもいいと思っていたのだがね。分隊長や分隊の半分くらいはやる気に溢れているので困った。土日に練習しようとか間抜けな事を言い出したり、細かい技術指導をしようとするのだけど。基本は体力というか、体重にある。分隊はそれで負けているのだから小手先をどうこうしても仕方がない。

 だからねえ、短艇掛には逆張りしろと言ってみるのだけどね、そういう決心できないのが、室長や短艇掛だった。防大出ていて男性性を誇示しているのに、だいたい決心はできなかった。「昼休みに幹事と幹事付が(カッター吊ってある)ダビッドに行った。だから別課(夕方にある体力練成)の時間に総短艇がかかる」と言う。それを見越して、各分隊は作業服に着替えている。

 「それなら体育服装にした方が勝てる可能性があるんじゃないか」と言った。周りの分隊が作業服なら、着替に戻る時間があるので、楽勝である。別課の時間は本来は体育服装でもある。分隊は毎回負けており、一度も勝ったことはない。「短艇力に負けているのだから、逆張りすんべえ」というような事を言ったのだがね。防大を6年かかって卒業した短艇掛に、真面目に考えろと言われたよ。

 「負けても服装のせいにできるぜ」と言おうと思ったが、まあ言っても無駄だなと思った。そして、みんな作業服を着ていたせいか、服装指示は体育服装だった。

 この時勝てたかどうかはともかく、正攻法で駄目なときに逆張りできないのは肝が小さいと思った。

 だいたい、勝てそうな競技に集中すればいいのにねえ。分隊は競技に弱かった。分隊長も、分隊も、どの競技でも優勝できないことを恥にしていた。何の競技でも満遍なく勝とうとしていたわけだ。それで毎回毎回、目前の競技の練習に浮気していれば、どれも勝てない。マイナーなヤツを一つ二つ選んで、力入れて練習すれば楽に勝てるのだがね。そう言うと「目前の競技に全力を尽くすのが本分」みたいなキレイ事を言う。それをやっている限りは勝てないだろうなと思って見ていたよ。
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前から聞きたかったのですが

ブログ主さんて昔自衛官だったみたいですけど、どんな採用区分で入隊してどんな職種だったんですか?
あと階級はどれくらいだったんでしょう?

ブログ主さんのそういう自己紹介がのってるページってありましたっけ?


Re: 前から聞きたかったのですが

随分と昔に2課程だった記憶がありますです。

> ブログ主さんて昔自衛官だったみたいですけど、どんな採用区分で入隊してどんな職種だったんですか?
> あと階級はどれくらいだったんでしょう?
>
> ブログ主さんのそういう自己紹介がのってるページってありましたっけ?