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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2013.03
13
CM:7
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13:00
Category : ミリタリー
 M60戦車改修キット(米国L-3社)の記事がIDRにあったのだが、普通に「オートマのディーゼルに交換」「油気圧サスペンションに交換」とある。普通にできるわけだ。「74式は足回りが悪い、エンジンや油気圧の生産ラインは既にないので改修できない」って理屈はなんだかと思ったよ。

 IDRの1月号にフォスさんの「L-3 CPS Develop M60 Upgrade」※ って記事を見つけた。
・ エンジンをAVDS-1790-2、20気筒ディーゼルに交換、トランスミッションをGMのオートマにする
・ トーションバーをL-3 CPS 3870 油気圧サスペンションに交換
・ L-7 105mm砲を120mm滑腔砲に交換、FCSをレイセオンのIFCSに換える。
・ 砲塔上部に25mmリモコン機銃と、新型の12.7mm機銃(QCB?)を追加
 というもの

 これを見ても、74式の足回りが改修できないって話は眉唾だなということが分かるね。もちろん、L-3以前から旧式戦車のエンジン交換や油気圧懸架化の話はある。別の本のアップグレード関係の記事や広告を見ても「油気圧サスペンション改修、承り桝」みたいな内容もあった。

 74式ができないという話の大元も、官僚の作文あたりだろうね。実際には、三菱でも、それ以外の企業でも、74式は容易に改修できた。しかし、それが「できる」と認めると老朽更新は成り立たない。だから「できない」と言い張ったわけだ。

 そして不調のエンジンやサスペンションを放置した。金出せば新型品と交換できたのだが、それをやると老朽更新が立たない。だから、そのままで放置した。なんで放置するのかという話があっても、予算要求で立てたロジックで、自己の組織内も騙したのだろう。航空機や艦艇ではないことなのだがね。

 保管装備にできるなら、交換してもいいと思うのだけれどもね。戦車は400輌になるので、余剰の74式は廃棄する。だが、本土防衛程度やゲリラ・コマンド対策位の任務なら、74式でも充分である。もっとシンプルに、単純に基地警備用の動くトーチカとして、取っておいても悪く無い。別に大砲やFCSや装甲はそのままでいいから、足廻りだけ更新して動くようにする程度だ。戦車もどきの、過剰品質な機動戦闘車なんか作るよりも、開発費もかからない上に、調達コストも安い。

 今作れば、エンジンも油気圧も、オリジナルよりは品質的に相当に向上する。74式のエンジンは、高速艇用の12ZC系列で、飛行機用の誉みたいなものだ。見た目の性能は良いが、トラブルが多く整備性が悪く、掃海艇では酷評されていた。油気圧サスペンションも姿勢制御みたいな曲芸を可能にしたが、やはり耐久性や整備性で今様のものに劣る。姿勢制御なんか取っ払った奴にすれば、相当に使いやすくなると思うよ。



※ Foss,Cristpher F"L-3 CPS Develop M60 Upgrade""Jane's International Defence Review"(IHS,2013.1)p.12
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Comment

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74式戦車近代化延命改修型(仮)に名前をつけるなら

さしずめ「74式戦車H型」ってところですかね。
たしかに10式戦車導入を見送って、今ある400輌を改修して使い続けるのも悪くない手ですね。
あと対戦車ミサイル/ロケットの対策はどうしますかね。

No title

イスラエルなどでは捕獲した戦車も延々使っているけど、これ駆動系は自国産。
どこの国でもアップグレードは行っている。戦車メーカーが供給しなければ出来ないものじゃない。

そんなことも知らずに74式の足回りは限界です、とかしたり顔でいう自称「戦車マニア」がいたりるるけど滑稽の極みだね。

海外の軍事専門誌を長年購読していればわかること。別にシロウトが買えない代物ではないし。
もっともどこぞの戦車教の人達は批判する対象ですら出費を惜しみ、立ち読みですませるぐらいだから、相応の出費をし、時間を使って外国の雑誌を
読もうとはしないだろけどね。


No title

歩兵レベルの対戦車ミサイルは90式や10式なら通用しないでしょう。

74式ではちょっときついかもしれませんが、その他の装甲車よりはマシですしスラットアーマーみたいな安価な対策もある

減らすのを了承するために質を求める傾向がありますね。


定数400両のうちに旧式の装備を入れたくない
という事でしょうか

No title

まあ、世界中で戦車の近代化、延命化が一大びじねすになっている事実をみようともしないのが戦車教団の方々。
戦車の足回りが変えられることもご存知ないようだ。

歴然とした事実にすら目を背けるものとは議論すらできないね。

No title

足回りの近代化、延命化は国際的にビジネスとして確立されている。それが不可能あるいは経済的に合わないならばこんな商売が成り立つわけがない。

こういう説明不要な事実さえを無視し、74式戦車の足回りは寿命ですとかいう戯言を飛ばすのが戦車マニアらしい。

74式の近代化だって海外のメーカー集めて提案させればいい。わざわざ1000億円も開発費を掛け、毎年160億円ほどの税金つかって10式を調達する意味はないね。そもそも90式が北海道でしか役に立たない
というのであれば、欠陥戦車。ソ連が(あり得ないけど)新潟に上陸したらどうしたのかね?
本土に戦車は少なくしかも74式だけ。90式を20年も調達し続けるなど犯罪行為だと思うがね。

軍事マニアと称する輩は防衛省の官僚作文を鵜呑みにするか脳がない、リテラシー欠如な人種らしい。


74式は警備用器材とでもして保管してもいいんじゃないですかね

戦車定数400両は、90式350と既発注の10式50程度で埋まるでしょうから、74式はどーやっても剰りますね。

まあ、足廻りだけ直して、警備用器材としてでも保管しといてもいいと思うんですよ。相手がゲリラ・コマンドの類なら74式でも充分対応出来ますから。

No title

400両の内、90式が約340両、あとは60両は74でいいんじゃないの。足回りは怪しげな油圧式をやめて外国製のコンポーネントを使用すればいい。あまった74式は部品取りや予備用にモスボールすればいい。パワーパックも取り替えた方が、運用コストはいいかも。
あるいは90式も半分ぐらいモスボールでもいいじゃない。74式、90式半々にして。

まあ、近代化は必要だけどね。対RPGならばスラットアーマーやネットアーマーがある。これを74式に装着すれば10式よりも余程、ゲリラコマンドウ対処の防御力が上がる。
RWSもゲリコマには必要でしょう。戦車教の教祖様は不必要だと仰っていましたが、それは10式が
が装備していなかったからそれを正当化するためだけ。教祖様の大好きな旧ソ連系の戦車もRWS搭載が進んでいるしね。