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- » 2023 . 02
Category : ミリタリー
日本製は対戦車地雷への対応試験をしない、できない点で、欧州メーカに劣る様子。
欧州標準委員会の地雷処理器材評価試験では、対戦車地雷対策についても試験される。「平成17年の対人地雷処理技術の動向に関する実態調査」※ でCWA(欧州標準委員会のワークショップ)試験として紹介されているものであるが、対戦車地雷に相当するTNT8kgの実爆が含まれている。
日本製地雷処理器材は、この試験を行なっていない。日本製器材は「対人地雷用なので必要ない」「無人型なので問題ない」と判断したようである。
しかし、この試験に対応していない点で、日本製への評価が低くなっている様子である。地雷処理器材選定ではCWA試験での評価が大きく影響する。地雷処理件数の過半は、クロアチアや、アフリカのヨーロッパ旧植民地といった欧州やその影響圏で行われている。件数が多いため、欧州が本場であり、選定プロセスでの器材評価でも、CWA試験が最も影響を持つ。
既述の「平成17年の対人地雷処理技術の動向に関する実態調査」でも、その点に焦点があてられている。「なぜ対戦車地雷への対策が必要であるか」について、具体的にCWA参加者へのインタビューで明らかにしている。
ヒアリングを受けたCWA参加者は、対人地雷を対象とする地雷処理車輌であっても、対戦車地雷対策は必要としている。理由は、対人地雷だけの地雷原はないことと、無人であっても地雷原で擱座されると困るというものである。
まず、対人地雷だけの地雷原は考えがたいとしている。実際には対戦車地雷があることは多い。対戦車地雷がなくとも、対人地雷が埋められているエリアには不発弾ほかの問題もある。回答は、操縦者の安全を確保するためには、対戦車地雷相当の試験は必要であるとしている。
また、無人器材であっても、擱座するような器材では困るとしている。擱座したときに、地雷原の中で回収するのは難しい。高価な車輌であるので見捨てるわけにもいかないというものだ。
CWA試験で対戦車地雷防護を行うことは、理由として妥当であるだろう。それを実施していない日本製地雷処理器材は、能力を低く見積もられても仕方がない。
しかし、なぜ試験を行なっていないのかを疑うと、日本製器材は「試験を行わない」※※ のではなく、「試験に耐えられない」のではないかという疑問も湧く。各メーカー、コマツ、川崎重工、山梨日立建機§ があるが、いずれも地雷除去アタッチメント部分での爆発でも対戦車地雷に耐えられるかどうかは難しく見える。
日本製はおそらく華奢で、対戦車地雷相当の試験ができないのではないか。日本製の商用地雷処理機剤が、一部の国でしか運用されていない理由もこのあたりにあるように見える。どのメーカを見ても、カンボジア、アフガン、モザンピークでの実績しかない。日本のヒモ付き援助でしか採用されていないようにも見える。言い方が悪い上に、器材やそれを作ったひとの志は別な話であると断った上で言えばそういった辺である。
日本製器材は万邦無比のように報道されるが§§ 日本の紐付き援助でしか使われないのが、日本製商用地雷処理器材の実力ではないだろうか。商用地雷処理器材は日本製だけではない。世界標準はドイツのMinewolf社であり、スロバキアのWAY社、英国のAardvark Clear Mine、フィンランドのPatria Vehicle社であるようにみえる。§§§
※ 三菱総研「平成17年度汎用技術実態調査報告書(対人地雷処理技術の動向に関する実態調査)」(2006.3)
※※ TNTを用いた試験が難しいのかもしれないが
§ 調査で日本製として出てくる「フルカワ」、多分、古河が検索しても出て来なかった
§§ このあたり、F-2や10式戦車のファン心理に似たものを感じるわけだがね。技術的な部分でもナショナリズムにアテられている感じか。
§§§ 援助に応じた特殊権益としての採用という部分は、欧州の会社にも当てはまるだろうけどね。
欧州標準委員会の地雷処理器材評価試験では、対戦車地雷対策についても試験される。「平成17年の対人地雷処理技術の動向に関する実態調査」※ でCWA(欧州標準委員会のワークショップ)試験として紹介されているものであるが、対戦車地雷に相当するTNT8kgの実爆が含まれている。
日本製地雷処理器材は、この試験を行なっていない。日本製器材は「対人地雷用なので必要ない」「無人型なので問題ない」と判断したようである。
しかし、この試験に対応していない点で、日本製への評価が低くなっている様子である。地雷処理器材選定ではCWA試験での評価が大きく影響する。地雷処理件数の過半は、クロアチアや、アフリカのヨーロッパ旧植民地といった欧州やその影響圏で行われている。件数が多いため、欧州が本場であり、選定プロセスでの器材評価でも、CWA試験が最も影響を持つ。
既述の「平成17年の対人地雷処理技術の動向に関する実態調査」でも、その点に焦点があてられている。「なぜ対戦車地雷への対策が必要であるか」について、具体的にCWA参加者へのインタビューで明らかにしている。
ヒアリングを受けたCWA参加者は、対人地雷を対象とする地雷処理車輌であっても、対戦車地雷対策は必要としている。理由は、対人地雷だけの地雷原はないことと、無人であっても地雷原で擱座されると困るというものである。
まず、対人地雷だけの地雷原は考えがたいとしている。実際には対戦車地雷があることは多い。対戦車地雷がなくとも、対人地雷が埋められているエリアには不発弾ほかの問題もある。回答は、操縦者の安全を確保するためには、対戦車地雷相当の試験は必要であるとしている。
また、無人器材であっても、擱座するような器材では困るとしている。擱座したときに、地雷原の中で回収するのは難しい。高価な車輌であるので見捨てるわけにもいかないというものだ。
CWA試験で対戦車地雷防護を行うことは、理由として妥当であるだろう。それを実施していない日本製地雷処理器材は、能力を低く見積もられても仕方がない。
しかし、なぜ試験を行なっていないのかを疑うと、日本製器材は「試験を行わない」※※ のではなく、「試験に耐えられない」のではないかという疑問も湧く。各メーカー、コマツ、川崎重工、山梨日立建機§ があるが、いずれも地雷除去アタッチメント部分での爆発でも対戦車地雷に耐えられるかどうかは難しく見える。
日本製はおそらく華奢で、対戦車地雷相当の試験ができないのではないか。日本製の商用地雷処理機剤が、一部の国でしか運用されていない理由もこのあたりにあるように見える。どのメーカを見ても、カンボジア、アフガン、モザンピークでの実績しかない。日本のヒモ付き援助でしか採用されていないようにも見える。言い方が悪い上に、器材やそれを作ったひとの志は別な話であると断った上で言えばそういった辺である。
日本製器材は万邦無比のように報道されるが§§ 日本の紐付き援助でしか使われないのが、日本製商用地雷処理器材の実力ではないだろうか。商用地雷処理器材は日本製だけではない。世界標準はドイツのMinewolf社であり、スロバキアのWAY社、英国のAardvark Clear Mine、フィンランドのPatria Vehicle社であるようにみえる。§§§
※ 三菱総研「平成17年度汎用技術実態調査報告書(対人地雷処理技術の動向に関する実態調査)」(2006.3)
※※ TNTを用いた試験が難しいのかもしれないが
§ 調査で日本製として出てくる「フルカワ」、多分、古河が検索しても出て来なかった
§§ このあたり、F-2や10式戦車のファン心理に似たものを感じるわけだがね。技術的な部分でもナショナリズムにアテられている感じか。
§§§ 援助に応じた特殊権益としての採用という部分は、欧州の会社にも当てはまるだろうけどね。
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Comment
小松の地雷処理車
13:36
ひのまるせんす
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No title
02:40
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おそらくは対戦車地雷に耐えられるとなると兵器と
勘ぐられるから止めとこう、というところもあるのでは?
Re: No title
20:28
文谷数重
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対戦車地雷抗堪は、不発弾ほかも見越してのことですから。
試験もTNTを8kgであって、対戦車地雷そのものでもないですし
> 対戦車地雷を無視しているのは一つはコストの問題。それと経産省の見解では対人処理は人道援助なので武器にあたらないが、対戦車地雷処理車輛は兵器にあたるとのこと。世界的に見れば笑止な話だが、真剣なんだろうね、経産省や外務省は。
> おそらくは対戦車地雷に耐えられるとなると兵器と
> 勘ぐられるから止めとこう、というところもあるのでは?
No title
10:12
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長かった
武器輸出の利点は評価試験を受けられるってことだ
第三者の評価こそ大事!
これで文句を言われたら修正すればいい
自国兵器はこうやって質を向上するものだ