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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2010.07
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Category : ミリタリー
 『F2戦闘機を追加調達 FX選定難航で防衛省検討 中国脅威に防空を穴埋め』(http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100719/plc1007190053001-n1.htm)という産経ニュースの報道があった。
 これが事実だとしたら、防衛省・航空自衛隊は支援戦闘機のF-2(さらにいえば退役したF-1)を「空中戦のための戦闘機」とみなしているのではないか。F-2を積極的に防空戦に投入する意図があるのではないか。このような疑いをいだかせるものであり、その発想に危険性を感じるものである。

 両機はともに「対艦攻撃がウリの支援戦闘機」ではなかったのだろうか?その支援戦闘機の運用については、防衛白書のイラスト、着上陸戦対処のポンチ絵では常に対艦攻撃を担当する機体のように描かれていた。その「優秀性」についても、対艦攻撃能力を前に出した説明をされていた。F-2がF-16を凌駕する性能を持っているかについては疑問が残るし、F-1については同世代のジャギュアやORAOと同程度の、ハッキリ言えば二流の機体に過ぎなかったにもかかわらず、防衛省・航空自衛隊は対艦攻撃機として万邦無比であるように宣伝してきた。開発や生産にしても、対艦攻撃能力が必要ということを全面に押し出した説明をしていたのではないか。

 もちろんF-2は現実に日本の領域警備に、領空を守るためのスクランブル任務に用いられている。また、かつてのF-1も同じ任務についていた。空中戦・防空戦の戦力の一翼として運用していたわけである。だが、「対艦攻撃用です」という国民向けの説明からすれば、副次的任務であったはずである。
 それを、この報道によれば、F-Xの補助機として導入を継続するという。防衛省・航空自衛隊は、実際のところF-2は積極的に空中戦・防空戦に参加する航空機と考えているのではないだろうか。
 これは、よろしくない考えだろう。というのも、有事を考えた際、防空戦にF-2を積極的に投入し、そして損耗した場合、上陸船団を阻止する手段は喪失されてしまう可能性があるからである。対上陸戦に焦点を絞って整備された支援戦闘機が、防空戦闘で消耗した結果、対上陸戦に参加できなくなるというのはおかしな話である。
 本土防衛の最終段階として、敵上陸船団を攻撃する目的を全面に押し出して整備されたF-2を、その前段階の対航空撃滅戦に参加させることは理屈が通らないだろう。対航空撃滅線が失敗し、上陸戦が濃厚となった場合にF-2が不在となってしまうのではないのか?

 実際のところ、同盟国アメリカを除いて、日本に着上陸戦を意図し、実行できる国はないだろう。さらに言えば、同盟国アメリカを除いて日本に対して航空撃滅戦を意図し、実行できる国もないだろう。日本の陸上自衛隊は本土決戦準備そのものであるし、航空自衛隊は正味防空軍である。さらに言えば、強力な外洋海軍である海上自衛隊がその外側を守っている。記事では中国の脅威と言っているが、中国空軍や中国海軍の戦力組成や装備を見れば、渡洋攻撃は難しいだろうし、日本に喧嘩を売れる内容でもない。かつての脅威ロシア/旧ソ連にしたところで、地理的・交通的な見地から、ウラジオ以東でまともな作戦能力をもっているとも思えない。この意味では、机上の空論であるかもしれない。

 ただ、国民は、F-2/F-1については、対上陸戦に必要とする説明を信じて整備を許したのである。それを空中戦や防空戦に積極的に利用しようとするのは、それを裏切る行為ではないのだろうか。
 真に対上陸戦を考慮するのであれば、諸外国のように対艦攻撃を海軍航空隊に、日本で言えば海自の航空部隊に移管すべきだろう。空自が余計な運用を考えないように、既存のF-2を海自に移管してしまうべきだろう。空中戦第一主義に凝り固まった空自パイロット抜きで。
 もちろん、海自ののP-3は強力な対艦攻撃能力を持っているし、新型のP-1はそれを超える能力があるかもしれない。ただ、日本人が期待する対艦攻撃能力「大艦隊を伴う上陸船団に打撃を与え、上陸戦を阻止する」を実現するためには哨戒機は低速であり、鈍重であり、防空網を突破することは容易ではないだろう。
「集団で敵艦隊のエアカバー/防空火力をかいくぐり、打撃を与える」かつての艦爆的な運用能力を実現するためには、既存の機体では能力不足である。日本はそのような用途に用いる機体としてF-2を作った。その本来の趣旨を一貫するのであれば、F-2は航空自衛隊から剥ぎとって、海自に渡すべきだろう。もともと対艦攻撃をウリに作った機体なのだから、対艦攻撃に使うべきなのは当然だろう。

 空自のF-X追加調達?中古のF-15Cでも売ってもらえばいいんじゃないの?どうせF-2だって生産ラインが完全に国産ないのだから、再生産もアメリカに伺い建てないといけないのでしょう?

F-2は艦爆の後継機 http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-51.html
【空自の戦闘機】F104で充分ではないか? http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-29.html
T-4に対艦ミサイルを積んだ方が… http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-2.html
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