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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2013.03
22
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20:25
Category : 未分類
 だよもんさんや、JSFさんは「氷は輸送障害にならず、むしろ高速道路になる」と豪語してましたが、今の状況にはなんと仰るのですかね?


 択捉島への海上輸送が止まっている。「北方領土・択捉島で食糧難 流氷で貨物船が入港できず」によると、今年は流氷が多く、輸送船が接岸できないという。
北方領土・択捉島で、貨物船が流氷に阻まれて今月2日から入港できない状態が続いている。[中略]択捉島では、主な食料品はサハリン島からの貨物船輸送に頼る。悪天候や流氷の影響で船が着岸できないことはよくあるが、3週間近くも途絶えることは珍しいという。日本の気象庁によると、サハリンから北方領土の間のオホーツク海の大半がびっしりと流氷に覆われている。ノーボスチ通信によると、今年の流氷の面積は昨年よりも2割程度広いという。
北方領土・択捉島で食糧難 流氷で貨物船が入港できず『朝日新聞』(2013.3.22)http://www.asahi.com/international/update/0322/TKY201303220025.html


 オホーツク海内では流氷時期にはまともな海上輸送ができない。流氷を考慮した、耐氷グレードが高い船舶でも流氷状況次第では入港できない状況に陥いる。人員輸送や医薬品、最低限の必要物資であれば航空輸送で代替可能であるが、輸送力は船舶輸送の比ではない。

 この点は、昔も今も変わらない。オホーツク海に面した北方領土や千島列島、マガダンほかオホーツク沿岸諸都市は、春-秋に物資を集積し、冬は最低限の輸送で凌いでいた。

 この点を見ないで、冬の凍結は高速道路云々したのが、だよもんさんであり、JSFさんである。だよもんさんは
OCSだよもん‏@V2ypPq9SqY
あと、河川や海が凍結したらそのルートは輸送不能というが、だよもんの記憶が正しければ冬のソ連の川は高速道路で、戦時中も数多の陸軍が凍結した河川や海を自力で越えた記憶があるだよもんが
https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/27408470032
と言っている。また、JSFさんもそれを受け、だよもんさんの発言を引用した上に加えて、ロシアでは結氷は高速道路となると主張している
ロシアの「凍結した河川は高速道路」「バージ輸送」については参考になる記事を紹介して置きます。

東シベリアの交通・物流インフラ事情:日通総合研究所ロジスティクスレポートNo.12

ロシアでは冬季に凍結した河川はブルドーザーを用いて平らに整備し、高速道路として利用しています。毎年作るので地図にも記載されています。また河川が凍結していない時期はバージを用いた輸送が盛んで、バージキャリアと呼ばれる母船が北極海沿岸を回って河口付近でバージを降ろし、河川を遡らせて貨物を輸送します。
http://obiekt.seesaa.net/article/168568004.html


 しかし、実際には結氷はロシア側輸送を有利にする要素ではなく、輸送を阻害する要素である。だよもんさんやJSFさんが主張していたことと事実と異なっていたということだ。

 だよもんさんやJSFさんの発言からは、お二人が輸送を理解していないことが窺える。結氷端での物資搭載や卸下は難しい。港湾の荷役機械が使えるわけでもないので効率は悪く、トラックから船舶に、船舶からトラックに荷物を移すことは容易ではない。また船舶搭載量である1000t、2000t、4000t、8000tの物資を運ぶトラックを集めることも難しく、経済。時間的に相当非効率であることも分からないのが、だよもんさんやJSFさんである。

 もともと極東ロシア/ソ連は、港湾能力が貧弱であり、対日侵攻に耐えうる輸送力を持っていない。ロシア/ソ連の輸送力はシベリア・バム鉄道沿線から離れると急速に減少する。平時であれば、サハリンまでは比較的安定した物資輸送が可能であるが、サハリン以東への輸送能力は、離島への連絡程度になる。サハリン以東は対日侵攻の根拠地にはならない。(サハリンでも厳しい)

 その上、冬季には海上輸送が止まる。オホーツク海に面した港湾では戦争を支えるような物資の受け入れも、物資の送り出しも、事実上不可能になる。※※ 輸送力からみても、ロシア/ソ連にとって北方領土は、大戦中の日本にとってのガダルカナルと同じ輸送限界にある。その上、冬季結氷ほか(例えば、低気圧通過や夏季の濃霧)でも輸送は阻害される。

 対日侵攻に耐える輸送力や港湾、海象や気象を無視してロシアは対日上陸できるとする結論を出した点は、今から見ても呆れるものである。兵站を支える大宗である輸送能力を無視する。その上、空挺(だよもんさんね)や新型揚陸艦(JSFさんね)といったアイテムだけを出して「日本の海岸線に取り付ける」と言い、侵攻可能と主張したのは、アサハカなものである。



※ 他にも低気圧通過時や、夏の濃霧時期も海上輸送・航空輸送は制限を受ける。
※※ だよもんさんはhttps://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/27487460614でサハリンや北方領土に物資を集積すればいいというが、仮に集積できても、送り出せなければ意味は無い。しかも、集積そのものも輸送力や経済力の限界があり、難しい。
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