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- » 2024 . 01
Category : 未分類
練習艦隊を終わって最初の任地は八戸だったのだがね。まあ、新品3尉なので色々やらされた。とはいえ、わからないことも多い。始終怒られるが、何について怒られているかも分からずに、とりあえず頭を下げておくしかない。
一回、海幕の班長(1-2佐だね)から電話が掛かってきて、散々説教されたことがあった。どうも海面関係の話らしい。昔、高速救難艇があったので、八戸港にも小規模な自衛隊岸壁がある。その辺りの話だと思って、とりあえずは無難なこと言って、相手の怒りが収まるのを待ったのだけれどもね。
「オマエさ、東京じゃ鹿児島湾のことなんか分からないんだよ、オマエがわからないと、部隊も海幕も困るんだよ」と言われた。
ン、と思って「岸壁の話ですよね」と尋ねるとそうだといった。「そうだ、カスイショだよ」と返ってくる。「鹿屋水雷試験所(だったと思う)ですか」と尋ねると「オマエ、何のことか分かっていなかったのか」とまた怒る。
そこで「ここ、八戸の2空群ですよ」と言うと、いきなり電話を切られた。鹿屋1空群と八戸2空群の短縮ダイヤルを押し間違えたらしい。次にリアルであった時には、丁寧に謝られて、ジュース1本もらった。課業やめのあとには、ロハで飲みにも連れて行ってくれたのだけれどもね。
八戸では色々やった。仕事も尽きないが、新品幹部の仕事として3曹昇任試験対策をやらされたのはいい思い出だった。
自衛隊で一番難しい試験は3曹昇任試験なわけだ。CS他の試験に較べても競争率ほかは断然である。
その試験勉強をするのだが、毎日勉強をする。だから、教える方の己は5分で解けるようになるが、兵隊さんはなかなかそうもいかない。
そのうち試験当日になる。当日の試験係もやるので、体育館に行く。試験開始とともに、己にも問題が渡される。5分で解くと、他の試験係がその回答を書き写す。
何をするのか? 部下に見せるため。とはいえ、みんなに見せるわけでもない。心根正しくヤル気があり、経験もあるが、なかなか受からない。そういうとっておきの士長に見せる。
ウチの隊には3人ほどいた。肩越しに間違えた問題を見つけると、後手にした正解いり解答用紙、その該当場所が見えるようにして、そいつの前に立つ。2人はすぐに分かってくれたが、あと1人はなかなか気づかない。後ろからご本尊の椅子を回答の数字の回数蹴ったりしたのだけど。本人は激励だとしか思わないのでニヤニヤ笑うだけだった。試験後に脇にいたWAVEが、答えが見えて困ったと言っていたよ。ご本尊、仕事は素敵なほどにできたのだがねえ。その辺の勘所が鈍い。
別の隊で、部下全部に答え全部を見せた整備幹部が、中途、飛行幹部に連れだされ、殴られていたよ。まあ、承認枠は職種別なので、別に各隊は困らないのだが、そりゃマズイよねとみんなでうなづいていた。しかし、その年に艦艇で回答漏洩があって、幹部が一人自殺している。だから、あのビンタで彼は救われたとも言える。今から思えば、慈悲のある制裁ってあんな感じなんだろう。
海上では同時に3尉、曹長、1曹昇任試験もやっていた。こっちの試験は難しくもないし、競争率も低い。3尉昇任試験なんか、昇任したくないものだから、改竄できないように誤答を正しく選んでボールペンで書く奴もいる。直前まで世間話とか、まず試験という雰囲気でもない。
そのノンキな試験中、隣の隊の2曹のオトッツァンが挙手して「ここらへんの答が分からない、教えろ」と堂々言ったのは、八戸の最初の歳だった。「モウ年で、息子も高校に上がる、だから1曹になりたい」という。その隊のトッツァン3尉が、手招きで己を呼んで「問題の答、それぞれコレでいいか」と確認。3尉サンがそれを本人に伝えたら結構大きな声で「ありがとうございました」とやってくれたよ。まあ、ああいうのも陽性でいいなと思った。周囲の受験者も失笑しつつも、いいものを見たような顔をしていた。これも、隊に戻って事情を聞いた御本尊が後でお菓子とジュースを一杯持ってきてくれたね。
一回、海幕の班長(1-2佐だね)から電話が掛かってきて、散々説教されたことがあった。どうも海面関係の話らしい。昔、高速救難艇があったので、八戸港にも小規模な自衛隊岸壁がある。その辺りの話だと思って、とりあえずは無難なこと言って、相手の怒りが収まるのを待ったのだけれどもね。
「オマエさ、東京じゃ鹿児島湾のことなんか分からないんだよ、オマエがわからないと、部隊も海幕も困るんだよ」と言われた。
ン、と思って「岸壁の話ですよね」と尋ねるとそうだといった。「そうだ、カスイショだよ」と返ってくる。「鹿屋水雷試験所(だったと思う)ですか」と尋ねると「オマエ、何のことか分かっていなかったのか」とまた怒る。
そこで「ここ、八戸の2空群ですよ」と言うと、いきなり電話を切られた。鹿屋1空群と八戸2空群の短縮ダイヤルを押し間違えたらしい。次にリアルであった時には、丁寧に謝られて、ジュース1本もらった。課業やめのあとには、ロハで飲みにも連れて行ってくれたのだけれどもね。
八戸では色々やった。仕事も尽きないが、新品幹部の仕事として3曹昇任試験対策をやらされたのはいい思い出だった。
自衛隊で一番難しい試験は3曹昇任試験なわけだ。CS他の試験に較べても競争率ほかは断然である。
その試験勉強をするのだが、毎日勉強をする。だから、教える方の己は5分で解けるようになるが、兵隊さんはなかなかそうもいかない。
そのうち試験当日になる。当日の試験係もやるので、体育館に行く。試験開始とともに、己にも問題が渡される。5分で解くと、他の試験係がその回答を書き写す。
何をするのか? 部下に見せるため。とはいえ、みんなに見せるわけでもない。心根正しくヤル気があり、経験もあるが、なかなか受からない。そういうとっておきの士長に見せる。
ウチの隊には3人ほどいた。肩越しに間違えた問題を見つけると、後手にした正解いり解答用紙、その該当場所が見えるようにして、そいつの前に立つ。2人はすぐに分かってくれたが、あと1人はなかなか気づかない。後ろからご本尊の椅子を回答の数字の回数蹴ったりしたのだけど。本人は激励だとしか思わないのでニヤニヤ笑うだけだった。試験後に脇にいたWAVEが、答えが見えて困ったと言っていたよ。ご本尊、仕事は素敵なほどにできたのだがねえ。その辺の勘所が鈍い。
別の隊で、部下全部に答え全部を見せた整備幹部が、中途、飛行幹部に連れだされ、殴られていたよ。まあ、承認枠は職種別なので、別に各隊は困らないのだが、そりゃマズイよねとみんなでうなづいていた。しかし、その年に艦艇で回答漏洩があって、幹部が一人自殺している。だから、あのビンタで彼は救われたとも言える。今から思えば、慈悲のある制裁ってあんな感じなんだろう。
海上では同時に3尉、曹長、1曹昇任試験もやっていた。こっちの試験は難しくもないし、競争率も低い。3尉昇任試験なんか、昇任したくないものだから、改竄できないように誤答を正しく選んでボールペンで書く奴もいる。直前まで世間話とか、まず試験という雰囲気でもない。
そのノンキな試験中、隣の隊の2曹のオトッツァンが挙手して「ここらへんの答が分からない、教えろ」と堂々言ったのは、八戸の最初の歳だった。「モウ年で、息子も高校に上がる、だから1曹になりたい」という。その隊のトッツァン3尉が、手招きで己を呼んで「問題の答、それぞれコレでいいか」と確認。3尉サンがそれを本人に伝えたら結構大きな声で「ありがとうございました」とやってくれたよ。まあ、ああいうのも陽性でいいなと思った。周囲の受験者も失笑しつつも、いいものを見たような顔をしていた。これも、隊に戻って事情を聞いた御本尊が後でお菓子とジュースを一杯持ってきてくれたね。
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