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Category : ナショナリズム
北方領土問題が動いている様子だが、四島一括返還で凝り固められた日本人に受け入れられるかね?
冷戦終結以降、日本とロシアには、北方領土以外に対立する要因もない。むしろ、極東ロシアでの経済活動からすれば、今流行の言葉で言えばWin-Winの関係を容易に築ける関係にある。ロシアは極東ロシア発展のためには、日本の資本や物資が必要である。日本は極東ロシアある安価な資源にアクセスしたいし、売れるものが売れることは喜ばしい。日露が協調できれば、極東ロシアで大金儲けができる。
ロシアにとって、極東ロシアに莫大な資源があっても、未開発ではなんにもならない。極東ロシアには、石油、天然ガス、鉱物資源、電力資源、森林資源ほか、膨大な未開発資源がある。しかし、シベリア・バム鉄道幹線沿い以外では、資源にアクセスする手段すらない。開発する資本、技術、技術者も限定されている。そして販売先となる大消費地も国内にない。
極東資源開発に日本が参加すれば、ロシアは燻らせている資産を現金化できる。日本は中国に較べて良い買い手である。
中国はロシアにとって良い買い手ではない。既存の資源を安く買い叩こうとするだけで、物不足を引き起こし、ロシア極東価格を上げる。その上、中国人労働者は極東に200万人も流入しており、潜在的な脅威となっている。
その点、日本は資源開発から販売まで協力するため、物不足を引き起こさない。無理な買い叩きをしない。海を隔てており、人的流入の恐れも少なく、脅威ではない。手持ちの不良資産を現金化する上で、日本の参加は望ましい。
日本も、極東資源開発で安価にエネルギーや資源を手に入れることができる。とりあえずは電力と天然ガスだけでも入手出来れば、相当の利益が出る。
日本は電力が余っているロシアから安価に電力を購入できる。極東ロシアには電力も余っている。世界最低価格のロシアの電力を、最高価格の日本に輸入する余地がある。ロシアには大規模な水力発電所がある。火力発電所も、電力よりも冬季のセントラルヒーティングでの熱供給に合わせており、事実上、電力は捨てている。電圧周波数の安定性についても、直流超高圧で送るので問題はない。
日本にとっては、天然ガスをパイプラインで買う余地がある。その場合には、相当に安くなる。天然ガスはパイプラインを引かせれば、液化の必要がなくなるため、コストが劇的に下がる。買い手は液化してスポット価格で買うよりも安く買える。売り手もいい話で、買い手が浮気できないので、長期安定で囲い込むことができる。
北方領土問題が解決すれば、日露は経済協力により莫大な利益をあげることができるということである。
その北方領土も、ナショナリズムの問題を除けば大した問題もない。日露が拘泥している問題は、大したものではない。
ロシアが重要視するのは、樺太以東で唯一、まともな経済活動ができる居住地域は北方領土だけということである。極東ロシアでは、人間がまともに住めるのは沿海州と樺太南部、北方領土だけである。それ以外では農作物もつくれたものではない。北方領土を喪うと、樺太以東が事実上のノーマンズランドになってしまう。
しかし、北方領土は放置すれば人口は流出してしまう僻地でもある。ソ連時代は給与や年金優遇措置で人口を維持していた。ロシアになってからはそれがなくなり、大規模な人口流出を起こしている。最近になって、領土維持のため、人口を保とうと経済開発・投資等を行なっている。つまり、北方領土は持っているだけで金がかかる、金食い虫の領土でもあるということである。
日本にしても、ナショナリズムを除いた不利益は、面積が広大であるという点だけである。択捉島は日本最大の島であり、国後は2番めの広さを誇っている。
しかし、戻ってきても使い道のある島ではない。北海道側の道東地区ですら過疎が進行している。北方領土が帰ってきても、漁業を除けば、略無人島になることは目に見えている。
その意味で、二島返還は日露に合理的な解決法である。農牧業・居住地の国後・択捉をロシアに、漁業の歯舞・色丹を日本に分ける。両者が欲しい所、欲しい物を取る形になる。
両国とも多少の損かもしれないが、北方領土の問題が解決すればそれを上回る経済的実利を確保できる、良い手段である。
しかし、ナショナリズムが絡むと、二島返還は収まる話でもないだろう。日本人もロシア人も二つの島を喪うことは耐えられない。日本人にとっては、あのどうでもいい無人島である尖閣、しかも日本側主張による領海・領空への進入程度で、あれほど燃え上がってしまっている。ロシア人も、戦争で獲得し、しかも60年間保持し、人も住んでいる。南クリルを喪うことには耐えられないだろう。※
日本側だけみても、ここ50年ほど四島一括返還を主張しており頭が固まってしまっている。政府も国民も国後・択捉も日本固有の領土と信じ込んでいる。その島のうち、大きなもの二つロシアに渡す(日本が統治できていない島であるが)決定にが政府にできるだろうか。そもそも、四島一括返還、日本固有の領土と音頭を取っていたのは日本政府である。抵抗や反感は並のものではないだろう。
特に安倍首相は、二島返還を押し切ることは難しい。今の政権党は自民党であり、首相はタカ派を気取らなければならない安倍首相である。首相の安倍さんは○○の一つ覚えで対外強硬姿勢をとることで、右派・保守派の支持に乗っている。その右派・保守層の機嫌を損ねる二島返還を、最後まで押し通せるかは相当に怪訝である。もともと世論に風見鶏な部分もあるので、二島返還、二島放棄に世論が反発した場合、今の対露交渉を続行することはできないだろう。
※ 多少の工夫をしなければいけないのかもしれない。
「ロシア領の国後・択捉に日本の特殊権益、日本領の歯舞・色丹にロシアの特殊権益をそれぞれ認める」とか
「四島は日本に返還するが、国後・択捉は99年間ロシアが租借する」
「南クリル共和国を成立させる。同国へのロシアの宗主権を認める。成立歯舞・色丹は99年間、日本が租借する」
みたいな騙し文句を入れないと入れないかもしれない。
冷戦終結以降、日本とロシアには、北方領土以外に対立する要因もない。むしろ、極東ロシアでの経済活動からすれば、今流行の言葉で言えばWin-Winの関係を容易に築ける関係にある。ロシアは極東ロシア発展のためには、日本の資本や物資が必要である。日本は極東ロシアある安価な資源にアクセスしたいし、売れるものが売れることは喜ばしい。日露が協調できれば、極東ロシアで大金儲けができる。
ロシアにとって、極東ロシアに莫大な資源があっても、未開発ではなんにもならない。極東ロシアには、石油、天然ガス、鉱物資源、電力資源、森林資源ほか、膨大な未開発資源がある。しかし、シベリア・バム鉄道幹線沿い以外では、資源にアクセスする手段すらない。開発する資本、技術、技術者も限定されている。そして販売先となる大消費地も国内にない。
極東資源開発に日本が参加すれば、ロシアは燻らせている資産を現金化できる。日本は中国に較べて良い買い手である。
中国はロシアにとって良い買い手ではない。既存の資源を安く買い叩こうとするだけで、物不足を引き起こし、ロシア極東価格を上げる。その上、中国人労働者は極東に200万人も流入しており、潜在的な脅威となっている。
その点、日本は資源開発から販売まで協力するため、物不足を引き起こさない。無理な買い叩きをしない。海を隔てており、人的流入の恐れも少なく、脅威ではない。手持ちの不良資産を現金化する上で、日本の参加は望ましい。
日本も、極東資源開発で安価にエネルギーや資源を手に入れることができる。とりあえずは電力と天然ガスだけでも入手出来れば、相当の利益が出る。
日本は電力が余っているロシアから安価に電力を購入できる。極東ロシアには電力も余っている。世界最低価格のロシアの電力を、最高価格の日本に輸入する余地がある。ロシアには大規模な水力発電所がある。火力発電所も、電力よりも冬季のセントラルヒーティングでの熱供給に合わせており、事実上、電力は捨てている。電圧周波数の安定性についても、直流超高圧で送るので問題はない。
日本にとっては、天然ガスをパイプラインで買う余地がある。その場合には、相当に安くなる。天然ガスはパイプラインを引かせれば、液化の必要がなくなるため、コストが劇的に下がる。買い手は液化してスポット価格で買うよりも安く買える。売り手もいい話で、買い手が浮気できないので、長期安定で囲い込むことができる。
北方領土問題が解決すれば、日露は経済協力により莫大な利益をあげることができるということである。
その北方領土も、ナショナリズムの問題を除けば大した問題もない。日露が拘泥している問題は、大したものではない。
ロシアが重要視するのは、樺太以東で唯一、まともな経済活動ができる居住地域は北方領土だけということである。極東ロシアでは、人間がまともに住めるのは沿海州と樺太南部、北方領土だけである。それ以外では農作物もつくれたものではない。北方領土を喪うと、樺太以東が事実上のノーマンズランドになってしまう。
しかし、北方領土は放置すれば人口は流出してしまう僻地でもある。ソ連時代は給与や年金優遇措置で人口を維持していた。ロシアになってからはそれがなくなり、大規模な人口流出を起こしている。最近になって、領土維持のため、人口を保とうと経済開発・投資等を行なっている。つまり、北方領土は持っているだけで金がかかる、金食い虫の領土でもあるということである。
日本にしても、ナショナリズムを除いた不利益は、面積が広大であるという点だけである。択捉島は日本最大の島であり、国後は2番めの広さを誇っている。
しかし、戻ってきても使い道のある島ではない。北海道側の道東地区ですら過疎が進行している。北方領土が帰ってきても、漁業を除けば、略無人島になることは目に見えている。
その意味で、二島返還は日露に合理的な解決法である。農牧業・居住地の国後・択捉をロシアに、漁業の歯舞・色丹を日本に分ける。両者が欲しい所、欲しい物を取る形になる。
両国とも多少の損かもしれないが、北方領土の問題が解決すればそれを上回る経済的実利を確保できる、良い手段である。
しかし、ナショナリズムが絡むと、二島返還は収まる話でもないだろう。日本人もロシア人も二つの島を喪うことは耐えられない。日本人にとっては、あのどうでもいい無人島である尖閣、しかも日本側主張による領海・領空への進入程度で、あれほど燃え上がってしまっている。ロシア人も、戦争で獲得し、しかも60年間保持し、人も住んでいる。南クリルを喪うことには耐えられないだろう。※
日本側だけみても、ここ50年ほど四島一括返還を主張しており頭が固まってしまっている。政府も国民も国後・択捉も日本固有の領土と信じ込んでいる。その島のうち、大きなもの二つロシアに渡す(日本が統治できていない島であるが)決定にが政府にできるだろうか。そもそも、四島一括返還、日本固有の領土と音頭を取っていたのは日本政府である。抵抗や反感は並のものではないだろう。
特に安倍首相は、二島返還を押し切ることは難しい。今の政権党は自民党であり、首相はタカ派を気取らなければならない安倍首相である。首相の安倍さんは○○の一つ覚えで対外強硬姿勢をとることで、右派・保守派の支持に乗っている。その右派・保守層の機嫌を損ねる二島返還を、最後まで押し通せるかは相当に怪訝である。もともと世論に風見鶏な部分もあるので、二島返還、二島放棄に世論が反発した場合、今の対露交渉を続行することはできないだろう。
※ 多少の工夫をしなければいけないのかもしれない。
「ロシア領の国後・択捉に日本の特殊権益、日本領の歯舞・色丹にロシアの特殊権益をそれぞれ認める」とか
「四島は日本に返還するが、国後・択捉は99年間ロシアが租借する」
「南クリル共和国を成立させる。同国へのロシアの宗主権を認める。成立歯舞・色丹は99年間、日本が租借する」
みたいな騙し文句を入れないと入れないかもしれない。
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