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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.04
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Category : ミリタリー
 しかも、米海兵隊の退役大佐に言われている。今月号の米海軍協会のプロシーディングスに「デンマーク人にも劣るぞ」みたいな記事があった。Hammesさんの「The Danes have the Answer」※ だがね。米国が沿岸戦闘艦、LCSの買う金があれば、デンマークのフイトフェルト(Huitfelt)級フリゲート買えるだろという内容。

  己の見るところも、LCSは失敗作であるので、面白く読めた。己としては、LCSはまず高速性でヘリに負け、多用途性で水上艦に負け、ステルス性で潜水艦に負ける。価格は高速艇に勝てない。個艦性能も低く、ミッション・モジュールでも大したことはできない。そんなところだ。

 Hammesさんは、LCSの価格高騰と能力不足を指摘している。クソ高い割にはなにもできない。砲は57mm、対水上戦パッケージを追加しても短距離ミサイルとMk46で射程10kmにも満たない。対機雷戦モジュールは海のものとも山のものともつかない。対潜戦モジュールも、普通はコルベットの個艦についているようなものに過ぎない。

 まあ、値段が高い割に能力が低い点について言っていることは、内容的には己の同人とほぼ同じ。2012冬に出した『いづれ行き詰るLCS』なんだが。次のコミケで来てくれるか、神保町の書泉グランデで委託を買うかしてもらえば読めますよ。別に直接通販もいいけどね。

 そしてHammesさんは、デンマーク人を見習えといっている。同じ価格帯のデンマークのフイトフェルト級フリゲートと比較すると費用対効果の差異が際立つと示唆している。

 フイトフェルトは重装艦であり、搭載兵装はLCSを圧倒している。SAMとしてSM-2とESSMとスティンガー、砲は3インチ砲(5インチ換装可能)とエリコン35mm機関砲、SSMはハプーン16発、ほかに短魚雷とヘリも積めるぞと言っている。
WIKIPEDIAの該当項目


写真はMtlarsenさんによる。なお、使用条件は次のリンクの通り満たしている。http://en.wikipedia.org/wiki/File:F361_Iver_Huitfeldt.jpg

 Hammesさんは、具体的な価格も似たようなものだろうと言っている。LCSが本来価格4.8億ドル、ミッション・パッケージ3種類(実際はLCSの数より少なめで調達)でざっと3億ドル。対してフイトフェルトは船体価格3.3億ドル、兵装は含まず、値段も分からないが、まずかかっても船体価格の2倍。能力不足気味のLCSが8億ドル、重装艦のフイトフェルトが10億ドルで比較すると、表題の「デンマーク人にも劣る」ということになるわけだ。

 まあ、デンマーク艦がいいか悪いかはともかく、なんにしてもLCSは価格と能力で駄目だネということだ。



※   Hammes,T.X「The Danes have the Answer」『PROCEEDINGS』139/4/1332(USNI,2013.4)p.12
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%97%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%B3%E7%B4%9A%E5%A4%9A%E7%9B%AE%E7%9A%84%E6%94%AF%E6%8F%B4%E8%89%A6

素人考えだけどアイヴァー・ヒュイトフェルト級よりアブサロン級多目的支援艦の方が良さげに見えるですけど、どうすか。