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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2013.04
15
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13:00
Category : ミリタリー
 サミュエル・B・ロバーツが千切れなかった理由は、幸運にも爆風を逃すことに成功したからみたいだね。

 ペリー級の触雷記事を発見。ファン・フックさんとのインタビュー"All HEll BROKE LOOSE"※ は、ペルシア湾でイラン機雷を踏んだサミュエル・B・ロバーツ先任機関士からの聞き取りがある。その概要図では、主機関室直下で機雷が発火。その爆風が垂直方向に8層分抜けて、煙突から抜けたように書いてある。煙突から火の玉が出たともいう。

 幸運にも、爆風を逃すことに成功したので、S.B.ロバーツは沈まなかった様子である。触雷箇所がずれていて、ガスが逃げなければ、下手をすれば千切れていた。

 なんといっても、上構の一番上、屋根にあたる02甲板に亀裂が入っている。当時のイランは触発機雷を使用していた。おそらく、炸薬量240kgのM-26か、それよりも強力な触発機雷に引っかかったのだろう。イランが多用した炸薬量100kgのM-08の威力ではない。

 爆風を逃すこと、爆発物の威力は大きく減ずる。装甲車両は、車体底面を舟型や、それよりも急なV字型にする例がある。これは対戦車地雷やIED対策であり、爆風をそらすためにそうしている。中には、煙突を立てる例もある。記事本旨とは異なるが、Gibsonさんの"Blast away"※※ では、IEDの爆風を車体中央の煙突に誘導し、防護する仕組みが紹介されている。

 S.B.ロバーツが沈まなかったのは、触雷位置が主機関室下であったことによる。これが前後にずれた場合、爆風は船体にヨリ大きなダメージを与えた。触雷時に真っ二つにならなかったとしても、発生した亀裂や座屈部位に大きな力がかかる。波やうねりで船体が持ち上げられ、その後に重力で下に持ち上げられるジギング・ホギングの力でいずれは千切れたことになっただろう。

 二つに千切れても沈むとも限らないが、ブラブラでも繋がっているよりは重症である。沈まなければ、米国なら損害を軽く見せるため、どうあっても修理しようとする。しかし、沈まないまでも二つに千切れたとなると、取り扱いが面倒になるので、さすがの米国でもは廃艦としたのではないかな。



※ Van Hook,Gordan"All HEll BROKE LOOSE","Proceedings"139/4/1322,(USNI.2013.4)pp.70-73

※※ GIBSON,Neil "Blast away:eactive under-belly protection systems","International Defence Review"2013.1,(IHS,2013.1)pp.36-37
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