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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2013.05
03
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13:00
Category : ミリタリー
 対人地雷とクラスター弾は、ないほうが捗るのではないか?

 日本は対人地雷を禁止し・クラスター弾を制限する条約に加盟している。しかし、これに対して陸自は不満を持っていた様子である。例えば、元東北方面総監(名は秘す)は、政府の対人地雷とクラスター弾廃止を非難する記事を雑誌に掲載していた。本土防衛が難しくなるという理屈である。

 しかし、それは近視眼的な判断にすぎる。

 本土防衛のため、対人地雷やクラスター弾を必須とするのは、短絡的である。まず、本土防衛への備えはそれほど重要ではない。また、本土防衛程度では、対人地雷やクラスター弾に頼らなければならないこともない。そして、対人地雷やクラスター弾は、後始末の方が面倒くさくなる。

 今日、本土防衛・対上陸戦への備えの優先順位は極めて低い。防衛白書ほかでもゲリコマ以下の扱いである。実際に、今日の日本に上陸戦を仕掛けられる戦力を持つ国はない。また、日本を攻めようとする国も北朝鮮を除けば、ない。その北朝鮮は渡洋侵攻能力を欠いている。

 本土防衛程度では、対人地雷やクラスター弾がなければ困ることもない。まず上陸戦の危険はないが、仮に上陸を企っても小規模である。日本の海空戦力、日米同盟で動く米海空軍戦力をかいくぐれるものでもない。揚がってもごく少数であり、対人地雷やクラスター弾抜きでも充分に対応可能だ。

 対人地雷やクラスター弾は、後始末の方が面倒くさくなる可能性も高い。埋めた対人地雷を、逐一掘り出すのは手間である。民生用地雷処理器材を使っても、それほど大面積を一気に処理できるものではない。また、クラスター子弾も、使うと意外に不発が多い。樹木や砂地であると起爆しない可能性が高い。樹木に引っかかり、草原に落ちたクラスター子弾を探すのも容易ではない。下手をすると、小規模侵攻での損害以上に死傷者を出す可能性がある。

 実際には、自衛隊はむしろ外地に出る時勢である。今後の外地での活動を考慮すると、無秩序に敷設された対人地雷や未発火クラスター子弾は寧ろ脅威である。これら脅威を将来的に排除するためには、禁止し、制限する国際社会の取り組みに乗ったほうが良い。

 日本の安全保障を総合的に考えれば、対人地雷の廃止・クラスター弾制限は、日本の利益に適った判断だったといえるだろう。本土防衛が成り立たなくなる云々といった言説は、近視眼的に過ぎる。

 対人地雷とクラスター弾の禁止・制限は、妥当な判断だったのである。



※ 自衛官が対人地雷・クラスター弾問題で躍起になった理由には、感情的な反発もあったのかもしれない。対人地雷の廃止・クラスター弾制限は、NGOが中心になって進んだ部分もある。NGOと自衛官の相性は悪い。対人地雷・クラスター弾問題では、理想主義的なNGOの言説への感情的反発も含まれるのだろう
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