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- » 2023 . 02
Category : ミリタリー
仮装巡洋艦でも、それなりの役には立つのではないか?
仮装巡洋艦は、高速商船に武装を施したものを指す。仮設巡洋艦と表記されることもある。大きく見れば特設軍艦ということになるが、その中でも水上戦を志向した高速艦である。日本で言えば、日本海海戦で索敵を行った信濃丸、太平洋戦争でインド洋通商破壊を行った愛国丸・報国丸が特に名前を知られている。
ただし、仮装巡洋艦は本格的な戦闘に堪える艦船ではない。基本は商船であるため、船体構造、武装、速力に劣る。
船体は商船そのものであり、商船構造を称した戦闘用艦艇よりも脆弱になる。
武装も案外に搭載箇所が少なく、砲を支持する構造も丈夫ではない。弾薬庫や揚弾設備も最適とはならない。
速力も、機関出力と船型からどうしても軍艦よりも遅い。蒸気タービン登場以降、水上戦闘のため、戦闘艦が最高速力20kt後半から40kt寸前までを発揮するようになった。しかし、商船は蒸気タービンを採用しても、機関サイズや船倉といった経済条件から、出しても25kt前後であった。
これらの限界により、大戦では仮装巡洋艦は主として通商破壊、マーシャント・レイダー程度の価値しか果たせなかった。
しかし、当時に較べれば、仮装巡洋艦を取り巻く条件は有利に変化している。
まず、当節は軍艦の基準が下がっている。直接防御力は重視されなくなっている。主砲取付面の高精度は必要だが、砲はかつてよりも軽くなり、価値も下がっている。速力も、かつてほどの高速性は要求されていない。
また、搭載艦艇に依存しない兵装が主流になった。仮装巡洋艦でも、それなりの有力な兵装を装備できる可能性が増えたのである。具体的には、対艦ミサイルと哨戒ヘリである。また、ファランクスのように船体構造に依存しないCIWSや、甲板上に置くだけのチャフ/フレア、無理に砲塔構造なしでも運用できるオットーの76ミリ速射砲である。システム連接の問題はあるが、これらの兵器はシステムなしでもどうにかなるものである。
仮装巡洋艦は、極端に高くない脅威下であれば、それなりに使えるのではないか。チャフ/フレア、CIWS、簡易な対空ミサイルがあれば、水上艦や航空機からの対艦ミサイルのにも、ある程度は対抗できる。潜水艦の脅威に対しては、それなりの高速力である程度は対抗できる。
もちろん、限界もある。個艦での対潜戦は難しい。ソナーを装備することは現実的には無理で、今日的なコバート戦に参加するには静粛性にも問題がある。対潜戦にはヘリ母艦として使える程度である。※ 被弾時には、容易に戦闘能力を喪失してしまうだろう。
しかし、能力的には水上哨戒や対水上戦、船団護衛であれば仮装巡洋艦は実用可能である。第一線の戦力としては使えないが、第二線的な水上戦闘艦としては運用できる。小国海軍であれば主力艦代替として、大国であれば緊張の低い正面での哨戒艦として実用に足りる存在である。
※ 仮装巡洋艦ではないが、ヘリ母艦として特設軍艦を利用した例はある。フォークランド紛争時のアトランティック・コンベアや、現今のアーガスがそれである。他にも、米海軍もアラバホ計画で転用を検討している。また、商船転用ではないが、中国のShi-Changも似たようなものだ。
仮装巡洋艦は、高速商船に武装を施したものを指す。仮設巡洋艦と表記されることもある。大きく見れば特設軍艦ということになるが、その中でも水上戦を志向した高速艦である。日本で言えば、日本海海戦で索敵を行った信濃丸、太平洋戦争でインド洋通商破壊を行った愛国丸・報国丸が特に名前を知られている。
ただし、仮装巡洋艦は本格的な戦闘に堪える艦船ではない。基本は商船であるため、船体構造、武装、速力に劣る。
船体は商船そのものであり、商船構造を称した戦闘用艦艇よりも脆弱になる。
武装も案外に搭載箇所が少なく、砲を支持する構造も丈夫ではない。弾薬庫や揚弾設備も最適とはならない。
速力も、機関出力と船型からどうしても軍艦よりも遅い。蒸気タービン登場以降、水上戦闘のため、戦闘艦が最高速力20kt後半から40kt寸前までを発揮するようになった。しかし、商船は蒸気タービンを採用しても、機関サイズや船倉といった経済条件から、出しても25kt前後であった。
これらの限界により、大戦では仮装巡洋艦は主として通商破壊、マーシャント・レイダー程度の価値しか果たせなかった。
しかし、当時に較べれば、仮装巡洋艦を取り巻く条件は有利に変化している。
まず、当節は軍艦の基準が下がっている。直接防御力は重視されなくなっている。主砲取付面の高精度は必要だが、砲はかつてよりも軽くなり、価値も下がっている。速力も、かつてほどの高速性は要求されていない。
また、搭載艦艇に依存しない兵装が主流になった。仮装巡洋艦でも、それなりの有力な兵装を装備できる可能性が増えたのである。具体的には、対艦ミサイルと哨戒ヘリである。また、ファランクスのように船体構造に依存しないCIWSや、甲板上に置くだけのチャフ/フレア、無理に砲塔構造なしでも運用できるオットーの76ミリ速射砲である。システム連接の問題はあるが、これらの兵器はシステムなしでもどうにかなるものである。
仮装巡洋艦は、極端に高くない脅威下であれば、それなりに使えるのではないか。チャフ/フレア、CIWS、簡易な対空ミサイルがあれば、水上艦や航空機からの対艦ミサイルのにも、ある程度は対抗できる。潜水艦の脅威に対しては、それなりの高速力である程度は対抗できる。
もちろん、限界もある。個艦での対潜戦は難しい。ソナーを装備することは現実的には無理で、今日的なコバート戦に参加するには静粛性にも問題がある。対潜戦にはヘリ母艦として使える程度である。※ 被弾時には、容易に戦闘能力を喪失してしまうだろう。
しかし、能力的には水上哨戒や対水上戦、船団護衛であれば仮装巡洋艦は実用可能である。第一線の戦力としては使えないが、第二線的な水上戦闘艦としては運用できる。小国海軍であれば主力艦代替として、大国であれば緊張の低い正面での哨戒艦として実用に足りる存在である。
※ 仮装巡洋艦ではないが、ヘリ母艦として特設軍艦を利用した例はある。フォークランド紛争時のアトランティック・コンベアや、現今のアーガスがそれである。他にも、米海軍もアラバホ計画で転用を検討している。また、商船転用ではないが、中国のShi-Changも似たようなものだ。
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