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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
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2013.05
08
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13:00
Category : 有職故実
 領海侵入という言葉はあるのだろうか?

 読売新聞※ によると、中国艦艇が与那国島と西表島の間を通過した、その際に日本の接続水域に入ったという。

 別に大した話でもない。接続水域は、この場合は公海と同じ扱いになる。通る上で何の支障もない。防空識別圏に入った云々の話と同じで、国際法上に何の問題もない。天下の往来であるので、中国も憚る必要もないし、日本も何か言える立場でもない。

 それよりも気になったのが、読売新聞の「領海侵入」という言葉である。「中国軍の艦艇がこの海域を通過するのは3回目。領海侵入はなかった。」(読売新聞)とあるが、この中国軍艦が領海に入っても「侵入」という言葉には値しない。

 中国軍艦は、無害通航であれば、日本領海内を航行できる。領海に入ることは、領空侵犯のように無条件に非難されるものではない。無害通航であれば、何の問題もない。ちなみに無害通航は軍艦であっても、商船であっても認められている。

 「領海侵入」とは、おそらくは領空侵犯からの連想だろう。だが、実際のところ船舶が他国の領海に入ること事態は、犯罪行為でも何でもない。

 念のため、防衛省発表※※を確認したが、当然のことだが「領海侵入」云々の表現はなかった。

 ただ、大新聞が「領海侵犯」と書いてしまったように、国家の領域や通行に関する法規といったものはあまり知られていない。そのあたりを知らずに、勝手にハッスルしてしまう人々は結構いる。スクランブルの発表を聞いて、防空識別圏と領空の区別をつけずに「日本の領空が侵犯された」とか騒ぐ人たちはいる。(たとえばコレ

 中国軍艦が日本領海で無害通航をしても、彼らは勝手に発火するだろう。これは全く無い話でもない。例えば大隅海峡を抜けて青島に向かう場合、日本領海を通り抜けるのが最短経路になる。あのあたりは、直線基線であるため、九州島西岸から最大70km程度までを領海として宣言している。そして艦船が最短経路を通航するのは、合理的な行動であり、一種の権利となっている。今のところは聞かないだけの話に過ぎない。

 今回の接続水域の話にしても、防空識別圏の話にしても、日本陸岸の目鼻の先を軍隊が通ることに違和感を覚える※※※ のだろう。だが、それはお互い様なのであまり騒ぐことではない。浅間丸事件のように騒ぐことで無知を晒す結果になってしまうのではないか。



※ 「与那国島の接続水域に中国フリゲート艦2隻」『YOMIURI ONLINE』(読売新聞,2013.5.7)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130507-OYT1T00897.htm?from=ylist

※※ 統幕発表http://www.mod.go.jp/js/Press/press2013/press_pdf/p20130507.pdf
また、こちらでは島の間を通り抜けた云々はない。日経による報道他から見ても、実際に通り抜けているのだろうが、その部分は、記者の取材による部分なのだろう。

※※※ 南氷洋の日本調査捕鯨も似た様な問題である。日本防空識別圏への進入で怒る人は、概ね「南氷洋公海上での捕鯨は国際法で認められている。オーストラリアやニュージーランドの非難は失礼極まりない」と間逆なことを言いだすことが興味ふかい。
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