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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2010.08
08
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03:58
Category : ミリタリー
…外務省調査局が昭和18年にまとめた『米国の戦略的原料の現況』
「これだけ日独が伸張すれば、アメリカも原材料に困っているだろう。そうにちがいない。外務省で調べるように!」という観点で作られた?調査資料らしい。

アメリカが海外に依存していた51品目について、それぞれに影響を考察しているわけだけれども。
…すべての判定結果が「米国の戦争遂行に影響なし」なんだよね。

つーか、米国が対外依存していたのは「米国内で採掘・栽培・製作するよりも安いから」という理由がほとんど。
たとえば、雲母、石綿、黒鉛…米国内で米国人が採掘すると高くつくから輸入していただけ。北米に鉱山があり、採掘精製技術も保有している。
羊毛や皮革類も同じ。珍しいところでは、ドイツやチェコ、スイスに依存していた光学/科学ガラスも、「アメリカで作ると高くつくから」という理由でしかなかった。

まあ、米国内、南北アメリカ大陸で生産できないものもあるけれども、それには「代替品がある」ので困らない。
活性炭の原料となる「椰子殻」は、別に杏の実でも桃の実でも構わない。マニラ麻やジュートは、木綿やワイヤーで代替できる。

米国で採取できず、代替品はないものにしても、民需を統制すれば全然足りるというものもある。救命胴衣や浮輪に使うカポックやコルクにしても、実際それほどの軍需もないのでアメリカは困らない。
白金は、「指輪とか歯科材料を制限すれば全然足りるだろう」「そもそも、年間需要量なんて飛行機1機でソ連から運べる」とされている。

そして、米国で採取できず、代替品はなく、民需を制限しても足りないものなんだけれども。
「米国は化学合成できる」だってさ。
戦前、日本製が幅を利かせていた生糸と樟脳なんだけれども。
被服や落下傘、重砲の薬嚢に使う生糸、つまり絹にしても「デュポンは人絹の大規模生産を始めており、なかでもナイロンは生糸よりも優れている」
「アメリカは樟脳の化学合成、大量生産に成功した」
…コリャ駄目だね。

で、51品目中、アメリカの弱点になりそうなものは、どうにか二つという結論になっている
1位はゴム、ついで2位はキニーネ。

でも、調査局一課江口嘱託の推定は、日本にとって全然芳しくない。
① アメリカは、戦前からゴムの大量ストックを持っている
② アメリカは、強力なゴム統制をしている
③ アメリカは、ゴム製品の再生に取り組んでいる
④ アメリカは、南米でゴムの生産を始めている
そして
⑤ アメリカは、合成ゴムの工業化に成功した。 合成ゴムは高価であるが、天然ゴムよりも性能に優れている。
…駄目だ、コリャ。

キニーネにしても同じ
A キニーネのストックは莫大である
B 海外からキニーネを集めている
C 「アメリカはキニーネの合成に成功しつつある」という情報がある
だって。

根底にあるのは、総力戦研究所が東条さんに報告したのと同じだね。
「なんせアメリカさんは何でもありますからね、このまま戦争を続ければ、日本は負けますねぇ」といったところ。

2009年05月11日 MIXI日記から転載
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