RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2013.05
18
CM:2
TB:0
12:00
Category : ネトウヨ批判
 靖国神社は政治的主張を控えないと、国民支持を喪うのではないか?

 靖国神社が主催する講演会等は、穏当な保守と言うよりは、対外強硬策や戦前回帰的な右派で、政治的主張が激しい。対外強硬策や戦前回帰への主張は、崇敬奉賛会で毎年発行される『講演記録集』にも多く載っている。『平成22年度講演集』※ を見ると、口演者は田母神俊雄、青山繁晴、義家弘介、高橋史朗、桜林美佐となっている。主張は神社や祭神を崇敬するというよりも、英霊の名前を借りた中国や韓国、政権党への非難がメインであり、保守の範囲を越えた、右派の主張そのものだ。

 この点でも報道でも問題視されている。石山永一さんによる「中国敵視、差別的記述も」※※ では、崇敬奉賛会機関紙『あさなぎ』の中身について次のように紹介している。
 年4回発行の「あさなぎ」は中国を一貫して「シナ」と表記、2010年冬号では中西輝政・京都大名誉教授の講演内容として「日本人の国内での生活や教育の自由が、在日シナ人に脅かされています」、大阪市内で中国人が「路上で豚を屠殺(とさつ)し、車道を大量の血で染める」「(中国人)留学生は教授の授業内容を最前列に座り“監視”する。少しでもシナを批判する発言があれば、文部科学省に執拗(しつよう)に抗議」するなどと書いている。
 崇敬奉賛会青年部顧問でもある中西氏は「排外主義的な内容で、私の言葉ではありえない」と発言内容を否定している。(石山)
 10年秋号では「このままでは皆さんのお子さんやお孫さんはシナの独裁者の奴隷になりますよ」とのコラムニスト勝谷誠彦氏の言葉を紹介。今年夏号でも「日本の総理大臣が靖国神社に参拝するのにシナの許可をもらうようになった」との元特攻隊員の言葉を紹介している。
 沖縄関連では「(普天間飛行場の)辺野古沖移設に反対している人は“よそ者”ばかり」(10年春)という記述や、沖縄への戦跡ツアーに同行した陸上自衛隊の戦史教官(当時)の言葉を受け、沖縄戦史は「だれかの都合のよいように書き換えられたのかもしれない」(09年夏)などの記述がある。(石山)
なお、報道では勝谷誠彦さんのコメントとして
 コラムニスト・勝谷誠彦氏の話 (引用されている発言については)言ったように思うが、私は講演内容を活字にして公表することはすべて断っており、(無断掲載は)ルール違反だ。(石山)
を載せている。

 このような政治主張を続けていると、靖国神社は国民支持を喪うのではないか。

 国民は、靖国神社が存在していることは支持している。たしかに、総理大臣以下の参拝は意見が分かれる。だが靖国神社で戦死者を追慕する感情は否定されていない。昔の『雨の九段坂』のように、戦士した息子に会いに行くおっ母さんや、見たことのないお父さんに会いに行く息子や娘が神社に参ることを否定する世論はない。そのために神社があることは当然だと思われている。

 しかし、強度に政治的な色がつくと、靖国神社への国民支持が喪われることになる。もちろん、右派的な政治主張に沿っていれば、右派は靖国神社を支持するだろう。だが、素朴な追慕といった感情で支持していた一般国民は、靖国神社を胡乱な眼差しで見ることになる。

 靖国神社は、国民全体に支持される神社であるべきだ。祀られる200万の戦死者も、その遺族も、政治的に色のついた神社は望まない。靖国神社奉賛崇敬会は200万の戦死者を、勝手に右派の政治主張に賛同するものとしている。「戦争を辞するな」、「先人たちは逍遥として」云々は、戦死者にも迷惑である。戦死者のほとんどは徴兵であり、志願兵や職業軍人ではない。その志願兵や職業軍人の戦死者にしても、奉賛崇敬会の意見に賛同するのはごく一部にすぎない。軍隊で「悠久の大義」だの迷惑な話を聞かされた挙句、靖国神社に収まってまで右派的なアジ演説を聞かされるのは溜まったものではない。

 このままでは、靖国神社は将来的に国ほかからの支援を得難くなる。靖国神社は、規模に見合った氏子がいない。だから、いずれ金でいき詰まる。しかし、潰したり、縮小したり、引越したりしていい神社でもない。お父さんがあそこに居ると思っている人がいるお社だから、どうにかしないといけない。今の法体系では難しいが、国あたりから何処かを迂回しての支援も必要になる。だが、そのときに過剰な政治主張は枷になるようにしか見えない。



※ 『平成21年度 講演・シンポジウム・勉強会・記録集』(靖國神社崇敬奉賛会、2010.5)

※※ 石山永一「【靖国は今】中国敵視、差別的記述も 沖縄基地問題で反対している人“よそ者”  靖国神社崇敬奉賛会の会報/関係者にも懸念」 『47NEWS』(全国新聞ネット、2012.10.20)http://www.47news.jp/47topics/e/235482.php

※※※ このままでは、戦死した自衛隊員を合祀するのも面倒になるんじゃないのかね。政治性がキツすぎて、合祀そのものや、後の参拝も国の機関として参加できなくなってしまうよ。
スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

靖國神社崇敬奉賛会

靖國神社に来る人で、崇敬奉賛会の会員は私を含めて多くは無いでしょう。その会誌も靖國神社に来る一般人の目にふれませんし。
明治神宮に初詣に来る人で、明治帝の遺業を熟知している人は少ないですし。
我が国から初詣の風習が無くならない限り靖國神社は安泰ですよ。※日本の人口が3000万人位になったら何処の神社もオシマイになりそうですが。

Re: 靖國神社崇敬奉賛会

 昔の奉賛会とは変わってしまった感じなんですよね。昭和の御代、平成初期までは、公式参拝してくれ程度で、そんなに政治主張は激しくなかった。それが急進的になっているのがどうも。

 靖国神社に行く人は、メインは普通の人です。けど、政治的な色が強くなりすぎると、その普通の人が行かなくなってしまう。または、あそこにお父さんがいるという人も、行きにくくなると思います。初詣もそうなるのではないかなと。

 そうなった時に、お金は大丈夫なのかねと。戦争行った爺様たちの戦友会も、生き残りは僅かになりつつありますし、遺族会も弱くなっている。神社本庁にも支える余力はあるように見えない。

 政治的主張を廃して、広い支持と参拝を求めたほうがいいと思うのですよ。お金もそうですし、戦死者の皆さんも、一部の政治勢力が来るよりも、普通の人が多数来てくれたほうがいいでしょうし。