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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2013.05
23
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Category : ミリタリー
 日華事変で中華民国が潜水艦を使っていれば、事変は相当に変わったのではないか?

 1937年上海事変以降、日本と中華民国は事実上の全面戦争状態に入った。

 中国が全面的な抗日戦を決意した理由は、長江デルタであれば決戦を強要でき、勝てるとする見込みである。東北や華北とは異なり、長江デルタならば兵力集中や兵站でまともな戦争ができるという判断にあった。

 だが、日本は海軍力の優位により、民国に拮抗した。海上輸送により、巨大な陸軍と補給物資を大陸に送り込み、また、航空機や艦砲射撃といった海上からの攻撃によって民国に打撃を与えた。

 その後の中国大陸に対する侵攻も、海軍力の優位を活かしたものだ。日本の陸海軍は船舶輸送力を生かして、長江内水や沿岸にある諸都市を次々に陥落させている。近世・近代の中国は海軍力に翻弄されたが、中華民国も日本海軍力に好きにされている。

 しかし、民国が積極的に海上機動を邪魔した場合は、日華事変はどうなったかわからない。日本が持つ海軍力の優位と、それを活かした海上輸送が阻害されたら、あれほどまで日本が快進撃することもできなかっただろうし、民国も後退を重ねることもなかったかもしれない。

 上海事変の段階で、海上輸送が滞った場合には長江デルタでの決戦に負けた可能性がある。長江デルタから日本勢力が一掃するという、民国や民国を支えたドイツ軍事顧問団の思惑通りに進む可能性もある。

 上海事変、南京陥落以降でも、日本の作戦を相当に邪魔できたかもしれない。例えば、海上輸送を邪魔することによって、大陸での作戦行動を抑制させることができる。あるいは、上陸作戦を難しくすることによって、沿岸部での活発な日本上陸作戦を、消極的にさせることも可能である。あるいは、日本に補給船や上陸船への護衛を強要させることによって、民国への海上封鎖を妨害させる効果も見込むことができる。

 日本海軍にとって、圧倒的に劣勢であった民国海軍であっても、日本海上輸送を妨害できる手段はあった。

 民国が潜水艦作戦を実施していれば、日本海軍は相当に振り回されただろう。

 上海事変当初に、日本の兵員を搭載した商船の2-3隻でも沈めれば、日本は輸送船の独航ができなくなる。輸送効率が落ちれば、上海戦の行方も怪しくなる。

 また、日本海軍は護衛に手を割かざるを得なくなる。これにより、沿岸封鎖に向ける戦力を相当に減らすことができる。

 日本側が東シナ海での船団護衛を厳重にしたならば、少し離れた所で、第三国の商船を停船臨検をしてもよい。潜水艦なので、移乗は難しいが、大砲を指向して、仕向地と積荷を尋ねるだけでよい。日本本土沿岸でやれば、日本海軍力を振り回すこともできる。これは、潜水艦は短期・戦術的ではなく長期・戦略的に使うものという、本来の使い方である。

 潜水艦はそれほどの損害を受けることもない。当時の対潜能力からすれば、潜っている限りは、潜水艦はまず沈められることもない。

 ただし、民国にとって残念だったのは、民国が潜水艦を保有できなかったことだ。民国は日華事変が始まってからドイツにⅡ型U-ボートを2隻発注したが、最終的に受け取ることはできなかった。民国が発注した潜水艦は、ドイツ海軍が買取り、U-120とU-121になっている。

 また、Ⅱ型Uボートには足が短いといった問題があった。排水量300トン程度で、航続距離は2700nm、5000km程度にすぎない。上海近辺から日本を狙うにはいいが、広州までさがると九州まで行って帰って来るのが精一杯である。

 仮に、事変前に民国が航洋型の潜水艦を4隻でも持っていれば日華事変はまた違った展開をしたことだろう。

 民国に売ってくれそうな国と航洋型潜水艦となると、イタリアのSIRENAあたりだろうか。民国は水雷技術をイタリアに寄っていた。また、イタリアは東洋にほとんど権益を持たず、日本に気兼ねせずに民国に売ることができる。

 SIRENAの排水量は680トンあり、後継艦のデータから類推すれば、航続距離は1万nm、1.8万km程度はある。広州から東シナ海でも、東京湾口でも余裕で作戦行動範囲に収められ、日本に脅威を与えられる。

 民国がこのSIRENAを4隻程度でも保有し、それを積極的に運用していれば、日本は相当に振り回される結果になっただろう。なにより、民国潜水艦が行動しているというだけで、日本の海軍力の相当を対潜戦に割くことを共用し、民国への上陸作戦や封鎖作戦、艦砲射撃や沿岸部への空襲を、相当に防遏する結果を産んだのではないかな。
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非公開コメント

なんというか

速水螺旋人先生が題材にしそうなネタですね。ていうかそのネタ拝借して構いませんか?