- 2023 . 01 «
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
- 6
- 7
- 8
- 9
- 10
- 11
- 12
- 13
- 14
- 15
- 16
- 17
- 18
- 19
- 20
- 21
- 22
- 23
- 24
- 25
- 26
- 27
- 28
- » 2023 . 03
Category : ミリタリー
冬になって日没が終業時間に重なると、最大6分ほど勤務時間が伸びる。海自では、国旗は日没時に号令で下げる。国旗降下の5分前に掛けておく「国旗降ろし方五分前」と、降下を宣言する「時間」(国旗降下)の二つ。だが、その間には日課に関する号令を入れられない。これが終業時間にかかると、「課業やめ」はかけられない。「時間」のあと、1分程度の国旗降下作業が終わるまでは仕事は終わらない。※
その間は、まずサービス残業といったことになる。日が短くなる冬季の現象で、しかもたかが6分であるが、制度として組み込まれたサービス残業はそうそうないだろう。実際には、曹士(下士官兵)のうち、中で住んでいない連中は概ね帰り支度をしている。中に住んでいる曹士も、大抵は仕事を終えて飯を食っているか、上陸・外出の準備を万端に整えているので、仕事をしているわけではない。
ちなみに、幹部や幹部事務官はまずは仕事が積み上がっている。国旗降下の6分程度では仕事も終わらないから意味もない話。人によっては、この時間は、夕飯にあてる。10時の消灯ころまでの残業を見越して、私費の飯を食っていたりする。もちろん、幹部でも仕事が積み上がらず、別課をやってシャワー浴びて、帰り支度に余念のない人もいるけれども。
基本的に、曹士にとって課業時間とは、勤務時間、作業時間と言うよりも拘束時間だと見たほうがよい。
その拘束も、その時間に外に出なければOKというもので緩い。現業でも、課業やめの相当前、1時間とか30分前には作業をやめている。片付けて、清掃して、明日の準備を終えてと帰る準備に余念はない。汗をかくような仕事なら、風呂かシャワーも使う。夕方にやる体力練成として「別課」をやっていても同じ。やはり課業やめの30分前にはシャワーでも使っている。「課業やめ」寸前には、帰りの会みたいな「終礼」をやる。その部署次第だが、「課業やめ」5分前には終わって、海曹クラスだと駐車場でエンジンかけている。凄いとこだと、正門前のスタート位置につけるところもあるという。
曹士を非難するものでもない。逆に朝は早めに来るので、釣り合いはとれている。だいたい、課業整列30分前には揃って着替え終わり、その日の作業準備もできている。下っ端海曹や海士は、1時間前に職場に来るように言われていて、掃除その他を終えている。掃除終わってあまりにやることもないが、仕事をやるのもマヌケだと思っている様子。その後は課業整列までスポーツ新聞読むか、マンガを読むか、TVを見るかしている。最近では携帯を弄るのもそれか。
そもそも、号令と時間も乖離している。食事関係は特に著しい。艦艇だと食事の30分前に「配食用意」がかかるが、その時には、大概食い始めている。陸上部隊もそうで、11時20分ころには食堂前に並んでいる曹士が居る。並ぶくらいなら、「開けてよ」「食わせてよ」といえばよさそうなもので、実際そうしているのも居るのだろう。食事時間のフライングについては幹部も同じで、だいたい11時半には飯を食っていた。だいたい、艦艇の「出港用意」の号令がマイクでかかるときには既に出港しているわけだから、フライングは海自の伝統か。
ただし、国旗上げ下げは厳密にやる。5分前から時間までは駄話の一つもしているが、上げ下げ中は「気をつけ」か、座っていても姿勢を正し、無言。これは着替え中でも同じ。パンツ一丁、あるいは振珍でも無言で気をつけ。服を着ている時に、見える位置にいれば敬礼の一つもする。ただ、これは艦艇幹部は厳密ではない。
艦艇系の幹部学生が国旗降下中も私語をやめないということがあった。3佐になる寸前の幕僚教育、中級課程の時の話になる。連中はTVもつけっぱなし。己達は別室だったので、高声が聞こえて常々苦々しく思っていたのだが。あるとき堪忍袋のおが切れた航空装備のオトッツァン、これは部内幹候のベテランの人が、ついに怒り心頭で出て行って怒鳴り込んだ。「給料払っているのは、あの布っペラだぞ」というと、艦艇系も黙っていた。
艦艇系が全部そうというわけでもない。だが、艦艇系は作業中に国旗の上げ下げがあってもあまり頓着しない。会議なんかもそのままやろうとする。自衛艦旗の儀式をしていても、中で何をやっていても分からないという頭なのだろうかね。国旗への敬意は、むしろ海自の非艦艇配置の方が厳密だった。
※ 仮に、その部隊の課業やめが午後5時、当日地方時での日没が午後5時4分だとすると
午後4時59分「課業やめ5分前」「国旗降ろし方5分前」※※
午後5時 4分「時間」、君が代演奏(ラッパ君が代§か、音楽で流す本物の君が代)午後5時 5分「課業やめ」
※※ 部隊によれば「国旗降下5分前」とするところもある。その舞台では、対になる「国旗揚げ方5分前」も「国旗掲揚5分前」になる。
§ 面倒この上ないことに、陸は陸で、国旗の上げ下げで別のラッパ譜を使っている。アレが君が代かどうかは知らない。なお、陸空だと国旗降下の時間は固定されているので、課業やめと被ったりはしない。施設学校入校1日目に「一体何のラッパかね」といって呆れられ、国旗降下と言われて「まだ太陽が出ているよ」と完全にディスコミュニケーションだった。
その間は、まずサービス残業といったことになる。日が短くなる冬季の現象で、しかもたかが6分であるが、制度として組み込まれたサービス残業はそうそうないだろう。実際には、曹士(下士官兵)のうち、中で住んでいない連中は概ね帰り支度をしている。中に住んでいる曹士も、大抵は仕事を終えて飯を食っているか、上陸・外出の準備を万端に整えているので、仕事をしているわけではない。
ちなみに、幹部や幹部事務官はまずは仕事が積み上がっている。国旗降下の6分程度では仕事も終わらないから意味もない話。人によっては、この時間は、夕飯にあてる。10時の消灯ころまでの残業を見越して、私費の飯を食っていたりする。もちろん、幹部でも仕事が積み上がらず、別課をやってシャワー浴びて、帰り支度に余念のない人もいるけれども。
基本的に、曹士にとって課業時間とは、勤務時間、作業時間と言うよりも拘束時間だと見たほうがよい。
その拘束も、その時間に外に出なければOKというもので緩い。現業でも、課業やめの相当前、1時間とか30分前には作業をやめている。片付けて、清掃して、明日の準備を終えてと帰る準備に余念はない。汗をかくような仕事なら、風呂かシャワーも使う。夕方にやる体力練成として「別課」をやっていても同じ。やはり課業やめの30分前にはシャワーでも使っている。「課業やめ」寸前には、帰りの会みたいな「終礼」をやる。その部署次第だが、「課業やめ」5分前には終わって、海曹クラスだと駐車場でエンジンかけている。凄いとこだと、正門前のスタート位置につけるところもあるという。
曹士を非難するものでもない。逆に朝は早めに来るので、釣り合いはとれている。だいたい、課業整列30分前には揃って着替え終わり、その日の作業準備もできている。下っ端海曹や海士は、1時間前に職場に来るように言われていて、掃除その他を終えている。掃除終わってあまりにやることもないが、仕事をやるのもマヌケだと思っている様子。その後は課業整列までスポーツ新聞読むか、マンガを読むか、TVを見るかしている。最近では携帯を弄るのもそれか。
そもそも、号令と時間も乖離している。食事関係は特に著しい。艦艇だと食事の30分前に「配食用意」がかかるが、その時には、大概食い始めている。陸上部隊もそうで、11時20分ころには食堂前に並んでいる曹士が居る。並ぶくらいなら、「開けてよ」「食わせてよ」といえばよさそうなもので、実際そうしているのも居るのだろう。食事時間のフライングについては幹部も同じで、だいたい11時半には飯を食っていた。だいたい、艦艇の「出港用意」の号令がマイクでかかるときには既に出港しているわけだから、フライングは海自の伝統か。
ただし、国旗上げ下げは厳密にやる。5分前から時間までは駄話の一つもしているが、上げ下げ中は「気をつけ」か、座っていても姿勢を正し、無言。これは着替え中でも同じ。パンツ一丁、あるいは振珍でも無言で気をつけ。服を着ている時に、見える位置にいれば敬礼の一つもする。ただ、これは艦艇幹部は厳密ではない。
艦艇系の幹部学生が国旗降下中も私語をやめないということがあった。3佐になる寸前の幕僚教育、中級課程の時の話になる。連中はTVもつけっぱなし。己達は別室だったので、高声が聞こえて常々苦々しく思っていたのだが。あるとき堪忍袋のおが切れた航空装備のオトッツァン、これは部内幹候のベテランの人が、ついに怒り心頭で出て行って怒鳴り込んだ。「給料払っているのは、あの布っペラだぞ」というと、艦艇系も黙っていた。
艦艇系が全部そうというわけでもない。だが、艦艇系は作業中に国旗の上げ下げがあってもあまり頓着しない。会議なんかもそのままやろうとする。自衛艦旗の儀式をしていても、中で何をやっていても分からないという頭なのだろうかね。国旗への敬意は、むしろ海自の非艦艇配置の方が厳密だった。
※ 仮に、その部隊の課業やめが午後5時、当日地方時での日没が午後5時4分だとすると
午後4時59分「課業やめ5分前」「国旗降ろし方5分前」※※
午後5時 4分「時間」、君が代演奏(ラッパ君が代§か、音楽で流す本物の君が代)午後5時 5分「課業やめ」
※※ 部隊によれば「国旗降下5分前」とするところもある。その舞台では、対になる「国旗揚げ方5分前」も「国旗掲揚5分前」になる。
§ 面倒この上ないことに、陸は陸で、国旗の上げ下げで別のラッパ譜を使っている。アレが君が代かどうかは知らない。なお、陸空だと国旗降下の時間は固定されているので、課業やめと被ったりはしない。施設学校入校1日目に「一体何のラッパかね」といって呆れられ、国旗降下と言われて「まだ太陽が出ているよ」と完全にディスコミュニケーションだった。
スポンサーサイト
Trackback
Comment