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- » 2023 . 07
Category : 中国
中国艦艇がアメリカのEEZを行ったり来たりしているらしい。
FTの記事"Chinese navy begins US economic zone patrols"※ は、次のように伝えている。
この中国によるリプロケーティングは、世界にとって喜ばしいことではないか?
もちろん、このニュースに脅威を感じる人がいるかもしれない。中国海軍による活動範囲が沖合に広がった。ついに米国(多分、グアムあたり)遊弋するようになった。これは、中国海軍の拡大であり、中国海洋進出の成果である。キツイ言い方をする人だと、中国膨張主義の現れであるというかもしれない。
しかし、中国が世界の海洋秩序に倣った点で、喜ばしい事件である。
前々から中国はEEZについて、国際秩序と異なった珍奇な主張をしていた。EEZでは軍事的行動が制約されるというものである。去年の日経の記事にもこのようなものがある。※※
だが、今回中国が取った行動は、従来、自国による主張を引っ込めるものだ。そもそも、米海軍が対象国沿岸を往復するレシプロケーティングは、海洋での国際法上権利の確認と、その行使といった面もある。昔の米海軍によるオホーツク海公海部への進入や、たまにやる台湾海峡通過と同じ性格ももっている。アメリカのEEZで艦隊行動を行うということは、自国EEZでの行動にも文句を言うことはできない。海洋での国際法秩序に中国が収まる傾向であるとも言える。その意味では、世界にとって好ましいことであるとも言えるわけだ。
※ Hille,Kathrin"Chinese navy begins US economic zone patrols""The Financial Times"(THE FINANCIAL TIMES,London,2013.6.2)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/02ce257e-cb4a-11e2-8ff3-00144feab7de.html#axzz2WCS7kJqg
どこの国も、EEZと領海を混同する人はいると見えて"Under international law, each country has the exclusive right to the economic resources inside a 200-nautical-mile zone off its coast, a zone different from coastal states’ 12-mile national waters."と断っている。
英語圏の読者にも、EEZを領海侵犯と言い出す連中はいるのだろう。日本の例を見たければ、試しに「EEZを領海侵犯」と入れてググればよい。意味が矛盾しているワードを振り回して、右曲がりのダンディ達が発火しているのを散見できる。
※※ 中山真「米司令官『中国は海洋権益を過剰に主張』」『日本経済新聞WEB版』 (日本経済新聞,2012.6.16)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1600K_W2A610C1NNE000/
そうとう昔に読んだ話だが。中国の独特なEEZ解釈に、日本が抗議をした。すると「日本発着商船の行動を阻害しないからいいだろ」と回答をしたという。「海洋の自由への挑戦である」ことに抗議をしたことを「中国が邪魔するかもしれない」から抗議したと認識するズレ具合にあると言う話だ。まず、中国の海洋秩序への認識は、他国とズレていたわけだ。
FTの記事"Chinese navy begins US economic zone patrols"※ は、次のように伝えている。
Admiral Samuel Locklear, commander of US forces in the Pacific, on Sunday confirmed the revelation from a Chinese military delegate at the Shangri-La Dialogue, a high-level defence forum in Singapore, that the People’s Liberation Army navy had started “reciprocating” the US navy’s habit of sending ships and aircraft into the 200-nautical-mile zone off China’s coast.今まで、米海軍は中国沿岸200マイル以内で、艦隊を往復、まず遊弋させるレシプロケーティング(reciprocating)をやっていた。今度は、それを中国がアメリカ沿岸で始めたという。中国が「尖閣棚上げしない?」と言い出した、例のシンガポールのシンポジウムで、これまた中国が言ったということだ。
Hille,Kathrin"Chinese navy begins US economic zone patrols""The Financial Times"(THE FINANCIAL TIMES,London,2013.6.2)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/02ce257e-cb4a-11e2-8ff3-00144feab7de.html#axzz2WCS7kJqg
この中国によるリプロケーティングは、世界にとって喜ばしいことではないか?
もちろん、このニュースに脅威を感じる人がいるかもしれない。中国海軍による活動範囲が沖合に広がった。ついに米国(多分、グアムあたり)遊弋するようになった。これは、中国海軍の拡大であり、中国海洋進出の成果である。キツイ言い方をする人だと、中国膨張主義の現れであるというかもしれない。
しかし、中国が世界の海洋秩序に倣った点で、喜ばしい事件である。
前々から中国はEEZについて、国際秩序と異なった珍奇な主張をしていた。EEZでは軍事的行動が制約されるというものである。去年の日経の記事にもこのようなものがある。※※
海洋法は領海や大陸棚などとともに、沿岸から200カイリ以内で経済的な主権が及ぶEEZを定める。中国はこの規定を根拠に、EEZやその上空での外国の軍事活動を認めず、米軍を自らの近海に近づけない「接近阻止戦略」の論拠としている。10年ほど前、海南島近くでEP-3と中国機が空中衝突したことがある。当時、中国はEP-3が中国EEZ上で軍事行動をすることに対してイチャモンつけていたことを憶えている人も多いだろう。
中山真「米司令官『中国は海洋権益を過剰に主張』」『日本経済新聞WEB版』 (日本経済新聞,2012.6.16)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1600K_W2A610C1NNE000/
だが、今回中国が取った行動は、従来、自国による主張を引っ込めるものだ。そもそも、米海軍が対象国沿岸を往復するレシプロケーティングは、海洋での国際法上権利の確認と、その行使といった面もある。昔の米海軍によるオホーツク海公海部への進入や、たまにやる台湾海峡通過と同じ性格ももっている。アメリカのEEZで艦隊行動を行うということは、自国EEZでの行動にも文句を言うことはできない。海洋での国際法秩序に中国が収まる傾向であるとも言える。その意味では、世界にとって好ましいことであるとも言えるわけだ。
※ Hille,Kathrin"Chinese navy begins US economic zone patrols""The Financial Times"(THE FINANCIAL TIMES,London,2013.6.2)
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/02ce257e-cb4a-11e2-8ff3-00144feab7de.html#axzz2WCS7kJqg
どこの国も、EEZと領海を混同する人はいると見えて"Under international law, each country has the exclusive right to the economic resources inside a 200-nautical-mile zone off its coast, a zone different from coastal states’ 12-mile national waters."と断っている。
英語圏の読者にも、EEZを領海侵犯と言い出す連中はいるのだろう。日本の例を見たければ、試しに「EEZを領海侵犯」と入れてググればよい。意味が矛盾しているワードを振り回して、右曲がりのダンディ達が発火しているのを散見できる。
※※ 中山真「米司令官『中国は海洋権益を過剰に主張』」『日本経済新聞WEB版』 (日本経済新聞,2012.6.16)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1600K_W2A610C1NNE000/
そうとう昔に読んだ話だが。中国の独特なEEZ解釈に、日本が抗議をした。すると「日本発着商船の行動を阻害しないからいいだろ」と回答をしたという。「海洋の自由への挑戦である」ことに抗議をしたことを「中国が邪魔するかもしれない」から抗議したと認識するズレ具合にあると言う話だ。まず、中国の海洋秩序への認識は、他国とズレていたわけだ。
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