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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

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2013.07
11
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Category : ミリタリー
 空自には、ある会社のコピー機がない。コピー機を作る会社はそれほど多くない。市場は、リコー、ゼロックス、キャノン、コニカミノルタ、シャープ、ミタの6社で占められている。空自には、なぜか6社のなかの1社が足りない。空自シェアは残り5社で締められており、それぞれキレイに1/5づつ、だいたい20%に均等割になっている。

 あるべきメーカの商品がないことは、怪訝である。喩え話だが、ある省庁が、すべてTOTOであり、INAXがない、あるいは逆で、すべてINAXで、TOTOがないとしたらどうか。あるいは、委託食堂や自販機が全部コカ・コーラでありペプシ・コーラがない、あるいはペプシ・コーラでありコカ・コーラがないとすればどうか。まず涜職か癒着だと疑われても仕方ない。

 去年の『会計検査資料』に「航空自衛隊第1補給処の事務用品等…」※ という記事があり、その中にコピー機の件が書いてあるのを見つけた。それを元に検索すると、「航空自衛隊第1補給処におけるオフィス家具等の…」という談合事件について防衛省による調査報告書が出てくる。談合事件と「談合事案」と言い換えるのは、いつもの役人の習性だが、それに大概が述べられている。

 空自がやった談合、調達を随意契約にするやり方は、平凡なものだ。そこに何の工夫もない。普通に業者を呼んで、シェアリングさせる。一般競争入札を避けるために額を分割して随意契約にする。素人臭く、粗雑であるとも言える。毎年のシェアが変わらず、キレイに5等分されているあたりは、気づいてくれと言っているようなものだ。

 一般競争入札で、狙った会社に落とさせるやり方も、平凡である。仕様書で無駄に細かい性能を示して、目的会社の製品しか落ちないようにする。これも平凡である。この談合から離れた例で示すと、たとえば、タブレットを調達するとして「iTunesに接続できること」とすれば、iPADだけを調達できる。ノートパソコンも「厚さ1.8cm以下、SSD搭載」とすればMacBookAirを調達できる。掃除機を調達するときに、吸引力と紙パック不使用を指定すればダイソンだけが落ちるようにできる。そんな仕様書を上げてくれば、競争の実効性を確保できないため、上で蹴られるものだが、上が主導した涜職なのでそのあたりはノーチェックになる。

 実際に、監査や検査ではこのあたりは絶対にチェックされる。監査、会計検査のたぐいは結構受けている。会計検査は、海自や統合部隊だけではなく、防衛施設庁の分まで世話したこともある。だいたい目をつけられるのは、このあたり。あるべきものがない、不自然な随契、シェアや額に変化がない、競争性を確保できない仕様書といったあたり。監査だと臨時監査官やったりしたが、やはりその辺りを見ていたよ。

 でも、国産装備開発・導入になると、この不自然な点に文句をいう人は少なくなる。あるべき海外メーカーがないことや、シェアがキレイに分かれている点、特定企業を通すための競争性のない仕様作成はまかり通っている。どうみても談合行為なのだが、談合となったのはUH-Xくらいなものか。露骨なF-2、P-1/C-2導入とかも、事業の健全性についての評価は相当に甘い。

 開発中なら、機動戦闘車とか火力戦闘車も不自然になっている。普通は先行する海外製を買う話だがそれがない。シェアは国内独占企業である三菱・日本製鋼で分け合う構造である。仕様も、国内開発するために無理矢理に引っ張っている。先行する海外製だと駄目になるように組んでいる。陸だけではなく、陸海空全てにある話なのだが。

 国産装備開発には、「あるべきものがない」ことで満ちている。報道や雑誌記事では、日本はスゴイというだけで、その背後にある不自然を批判しないことが不思議であるものだ。



※   「航空自衛隊第1補給処の事務用品等の調達にかかる入札、契約及び予算執行の状況について」『会計検査資料』(建設物価調査会,2012.6)pp.11-15.

※※  「航空自衛隊第1補給処におけるオフィス家具等の調達に係る談合事案に関する調査報告書」(防衛省,2009)http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/board/kentoiinkai_asdf/pdf/08/chousa.pdf

※※※ 報告書についても、なんだかんだ言っても、被害極限を図る防衛省よりも、会計検査院のほうが信頼できると見て良い。
    『航空自衛隊第1補給処における事務用品等の調達に係る入札
・契約及び予算執行の状況について』(会計検査院,2011.9)http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/23/pdf/230922_zenbun_3.pdf
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あるものを使え

早い話が、新開発さえやめれば予算は浮きます。
機動戦闘車はいらないと思いますが、どうしてもと言うなら、89式装甲戦闘車か87式偵察警戒車のアップデイト版を作れば良いのでは?

だいたい、国産が高いのは開発費がべら棒で、それを全部上乗せするからでしょ?それなら、あるものを使いなさいよって話です。

どうせ、国内ならゲリコマ対策以外の使い道がないんだから、この2つくらいの火力で十分制圧可能なんですよ。
89式なら普通科載せて行動出来ますし、87式なら道路を時速100キロで移動できます。
開発費だって掛からないから、今度は世界一高いなんて馬鹿なことはないでしょう。多少の改造費で済むんですから。

これで不満をいうなら、工夫が足りないのでは?


Re: あるものを使え

機動戦闘車なら、87式か96式のどっちかに76.2ミリ砲でも積めばいいと思いますよ。
要求を見ると、能力的にはサラディンやパナールで充分としかよめないんですよね。
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-497.html