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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.07
23
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Category : ミリタリー
 自衛隊で、これだけあればデカイ顔ができるものがある。体力でも、技術でも、語学といろいろあるが、文書もひと通りできればデカイ顔ができる。

 特に面倒な文書をやりたがる奴はいない。一般命令や日日命令といった、定例の文書なら書く奴は多いが、面倒な文書はみんな逃げる。中身が重要であるだけに、それで失敗したり、泥沼にハマることを恐れている。逆に言えば、その文書が作れれば、普段は鼻毛ぬいて長さの記録をとっていても、表だっては何も言われない。

 デカイ顔をするには、まずは自ら重要かつメンドイ文書を書くことである。みんなが嫌厭する文書について、2-3回も起案して決済まで持っていけば、周りは頼りにしてくれる。たとえば、指揮官から自治体首長あてのリクエストや、米海軍転任者への感謝状、係争相手への要求文書、トラブルでの業者間仲裁といったものだ。

 2尉の時に、総監名で市長への手紙、その中身は行政への海自の抗議とリクエストを書いたことがある。その時には、周りの佐官級はみんな逃げた。仕方がないから己が起案した。仮置きのリクエストを作り、関係課にそれでいいかを確認し、起案すると、ほとんど文句は出ない。唯一、作戦部のアレなの(もちろん上級者)がブツブツ言ってくるが、「それならアナタが起案しなさい」というと黙る。

 決済貰ったあと、普段は口うるさい総務課文書係も何も言わない。普段は無事に決済が終わっても、浄書で文書形式について文句を言ってくるものだが、中身が中身だけで何も言えない。縦書で、格調があるのだがないのだかの持って回った言い回しをして、しかも常用漢字以外を乱発し、秤量の大きな紙に印刷した行政文書とは相当に離れた体裁だが、これでなければならない理由をガーッと言ったらそのまま通った。あとは市役所の方にも連絡して、文書を握りつぶされない部署宛に送るだけ。

 あとに並べた文書もそんな感じで起案・発簡した。みんな逃げる仕事を拾えば、その文書起案だけではなく、それ以降も仕事で文句を言われなくなる。

 一回、メンドイ文書をやれば自信も付く。別に自分の裁量で文書を書いても、それでOKなことに気づく。部外宛のメンドイ文章は、『海上自衛隊文書の手引』なんか最初から無視して構わない。つまらない難癖みたいな指摘は全部無視できる。「文句があるならお前やれ」で「公文書としての効力は変わらない」とか「総務省は字数行数に拘らず、1ペーパーを推奨している」と嘯くようになれば、以降は、定例文章でも何も言われなくなる。

 そんな感じで、若い時に米海軍転任者への感謝状、係争相手への要求文書、業者間トラブルでの仲裁の案文なんかを連荘でやった。やっているときはキツイが、その後、同じ性格の文書で2回目3回目は鼻歌ものでできる。そういう案件・文書を担当していれば、タバコ(吸わない)と称して、ブラブラ散歩していても、周りは何も言えなくなる。普段から非定型の仕事が多かったので、よく考えが詰まるので、ブラブラ散歩していたが、押し付けた仕事ということもあって、怒るに怒れないのだろう。押し付けた張本人、逃げてばかりで何も仕事をしない定年前の小煩いだけの幹部は、わざわざ己のいないとこで初級幹部を叱っていたよ。

 そうこうすると、筆に自信もついて来るので、中級幹部になるころには、相当にデカイ顔ができるようになる。その頃になると、対外文書の添状を、いたずら心で、わざわざ小笠原流を真似した、少し崩した字を書くようになった。もちろん、文句どころか感心されるようになったよ。ちなみに、崩し字は修士で読解をやっただけで、書く方は書道なんかやったことはないのだけれどもね。

 まあ、何か一芸あれば、あとは適当にやってもデカイ顔ができるというものだ。若いうちに、競争のない、あんまやりたがならい仕事で周りをブッチギって名前売っといたほうがよい。特に手仕事系は、体力徽章とかと違って年取っても維持に苦労することもなく、老練になるので悪くないものだよ。
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